白山人類学研究会
HAKUSAN SOCIETY OF ANTHROPOLOGY
HAKUSAN SOCIETY OF ANTHROPOLOGY
2026年度 第2回定例研究会
発表題目:過疎と仏教
――東ブータン農村における人口流出と宗教的職能者の関係
発表者:石内 良季(名古屋大学)
※写真の無断転載はご遠慮ください。
◎日時:2026年5月18日(月)18:00〜19:30ごろ
(終了後にキャンパス周辺での懇親会を予定しております。)
◎開催方法:対面開催と、Zoomを使用したオンライン開催とのハイフレックス方式にて開催いたします。
◎会場:東洋大学白山キャンパス 2号館3階 第1会議室
https://www.toyo.ac.jp/nyushi/about/campus/hakusan/
◎参加登録:参加希望の方は、下記登録フォームからご登録をお願いします。
https://forms.gle/ikTSP7rjyy2kkEs56
オンライン参加の場合も参加登録が必要です。
アクセス用のリンクについては、研究会開始までにフォームにご登録いただいたメールにご連絡いたします。
開始の5分前~にログインしてください。
◎要旨:
「秘境」や「幸福の国」と称されてきたブータンは、現在では「過疎社会」とも呼びうる状況にある。本報告は、過疎化が著しく進む東ブータン農村における人口流出について、地域の歴史的・宗教的背景がその一因となっている可能性を検討するものである。
近年、ブータン農村では、首都や海外への人口流出が急速に進行している。その結果、人口減少や高齢化に加え、空き家や耕作放棄地の増加、獣害の深刻化、祭礼の衰退など、いわゆる過疎問題が顕在化している。農村人口の割合は、2017年の62.2%から2047年には43.2%まで低下すると予測されており、とりわけ東ブータンでは、人口の純移動率が大幅なマイナス(転出超過)を示し、人口減少と高齢化が急速に進行している。
先行研究では、人口流出の要因として、市場や社会サービスへのアクセスの困難さ、野生動物による被害、気候変動に伴う水不足などの複合的な要因が指摘されている。一方で、仕事や教育の機会、医療、生活の利便性などを求めて、人々が都市部や海外へ移住していることも明らかにされてきた。
報告者はこれまで、人口流出の要因解明や解決策の提示を主目的とするのではなく、過疎化が進む地域の歴史と、そこに暮らす人々が社会・文化の変動に対応しながら、いかに生きようとしているのかに着目して研究を行なってきた。本報告では視点を転じ、宗教的職能者のモビリティに注目することで、ブータン農村における人口流出の要因について新たな観点から考察する。
※本研究会は、人間文化研究機構海域アジア・オセアニア研究(MAPS)東洋大学拠点との共催です。