物理学の論文書籍『負物質の実在と正負根子モデル』を紹介します。

2018.10.09.a

今回は、筆者が取り組んできた、物理学の理論研究を論文として出版した書籍:

『負物質の実在と正負根子モデル ―暗黒エネルギー・暗黒物質と量子論的・相対論的現象および重力・運動の統一理論』(BookWay(ブックウェイ)、2016年)

[English Title (not yet published): “The Existence of Negative Matter and the Plus/Minus Origin Particle Model: A Unified Theory of Dark Energy, Dark Matter, Quantum Theoretical and Relativistic Phenomena, Gravitation, and Motion”]

を紹介します。

以下のリンクはBookWayのサイトにある、筆者のこの書籍の紹介ページです。

https://bookway.jp/modules/zox/index.php?main_page=product_info&products_id=855

この書籍はAmazonやYahoo!JAPANショッピング等でも取り扱っております。紙書籍版の他、Kindle等の電子書籍版もあります。ご関心のある方は検索してみてください。

上記のBookWayのページに掲載している「著者からの書籍PR」と「本の要約」を以下に転載します。

<著者からの書籍PR>

本論文は、負の重力・慣性質量を有する『負物質(ふぶっしつ)』の万有斥力を仮定することによって、宇宙を加速膨張させている「暗黒エネルギー」と、見えない質量「暗黒物質」を統一的に説明します。負物質の万有斥力と負の圧力は宇宙の泡構造も形成したようです。

また、本論文は、正・負の『存在質量』を有する2種類の粒子『正根子』・『負根子』を仮定する『正負根子(せいふこんし)モデル』によって、負物質の実在を予言すると共に、正負根子の相互作用によって、「粒子と波動の二重性」や「不確定性原理」、「パウリの排他律」などの量子論的な現象、「固有時の遅れ」や「ローレンツ収縮」、「質量とエネルギーの関係式 E=mc^2」などの特殊相対性理論で説明される現象を再検討し、改めて説明し直します。

さらに、本論文は、物質の重力や運動といった一般相対性理論で扱われる現象を、『重力とは、物質が空間(素領域)を吸い込んだり湧き出したりすることによる空間の流れである』、『物質の運動は、自身の重力の偏りによる』というアイデアと『正負根子モデル』を基に、ごく簡単な系(静止する1個の電子の万有引力、1個の電子の運動)について説明すると同時に、重力・電磁気力・強い力・弱い力の四つの力を統一的に説明する端緒を示します。


『正負根子モデル』という新しいパラダイムは、70年もの間、物理学者が挑戦しつつも実現できなかった、量子力学で扱われる素粒子レベルのミクロの現象と一般相対性理論で扱われる重力や運動といったマクロの現象の統一的説明を実現します。また、『正負根子モデル』は四つの力の統一的説明をも可能とし、宇宙の誕生をも説明しうる可能性を持ちます。

このように、『正負根子モデル』は、物理学者が待望していた「万物の理論 Theory of Everything」となるでしょう。『正負根子モデル』はまだ完成していませんが、多くの研究者がこの新しいパラダイムを基に宇宙の謎に挑戦し、これらを解明する日がやってくることを期待します。

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<本の要約>

本論文では負の重力・慣性質量を有する『負物質』の万有斥力によって暗黒エネルギーと暗黒物質を統一的に説明すると共に、正負の『存在質量』を有する『正負根子』を仮定する『正負根子モデル』によって量子論的・相対論的現象と物質の重力・運動を統一的に説明する。

負の重力・慣性質量を持つ物質、『負物質』の仮定によって天文学・宇宙論の謎を定性的に説明できる。暗黒物質と暗黒エネルギーは共に負物質の『万有斥力』の効果である。負物質は『負の圧力』を示し、この性質によって宇宙誕生初期にホワイトホールを形成し、ホワイトホールから負物質が散逸して現在の宇宙の泡構造を形成した。正負の物質の重力の考察から『ゼロエネルギー最安定則』を提唱する。

正負の『存在質量』を有する『正負根子』を仮定した『正負根子モデル』は様々な物理現象を説明できる。あらゆる素粒子は『正根子』と『負根子』という根源的な二つの粒子から成る。同時に、我々が知っている素粒子の『エネルギー対称性パートナー』として『負フェルミオン』や『負ボソン』の存在を予言し、空間を構成する最小単位として『素領域』の存在も予言する。これらも正負根子から成る。この正負根子は『存在質量』を有し、『有化』・『無化』によって生滅し、『存在質量保存則』・『エネルギー存在則』・『存在運動量保存則』の三つの条件に従う。正負根子の運動はニュートン力学で記述できる。一方で、正負根子に働く力として、異種根子同士の間に働く引力である『調和力』、同種根子同士の間に働く斥力である『排他力』があり、これらは『ゼロエネルギー最安定則』を反映している。どの正負根子も共通して光速cで運動し、角運動量1/2 ℏを持って『縦振動』または『回転振動』している。この正負根子から成る、主な素粒子や素領域の構造と性質を記述する。

量子力学で説明される諸現象も正負根子モデルによって説明できる。粒子性と波動性を結び付ける、エネルギーと振動数の関係式「E=hν」、運動量と波長の関係式「P=h/λ」の式は正負根子の運動として導ける。光子や電子の物質波の干渉は振動源である『本波』と誘起された振動である『余波』との相互作用である。不確定性原理は正負根子団と素領域との間で運動量やエネルギーがやり取りされるために生じる。素粒子のスピンは回転振動する正負根子の角運動量であり、パウリの排他律は同種の正負根子の間に働く斥力、排他力が原因である。

特殊相対性理論で説明される諸現象も正負根子モデルによって説明できる。空間は素領域の格子から成り、これは光を伝える媒質、「エーテル」とも言える。一方で重要な点は、空間が負物質から湧き出し、流れ、正物質に吸い込まれる点である。このために光行差が生じる一方、マイケルソン‐モーレーの実験のように地上で水平方向の光速を比較しても違いが観測されない。物質根子団が速度を持つと、角運動量保存則により、回転振動する根子の回転速度が遅くなり、縦振動する根子の振幅が縮む。これが固有時の遅れとローレンツ収縮である。ローレンツ変換は素領域において測られる物理量とそれに対して速度を持つ物質根子団において測られる物理量との関係を表すものと解釈する。質量とエネルギーの関係式「E=mc^2」は物質根子団を構成する正負根子の運動として実体論的に説明できる。

物質に働く力、特に重力と、物質の運動も正負根子モデルによって説明できる。四つの力は正負根子に働く力とその運動によって説明しうる。重力は正負の物質による空間の湧き吸いによって生じる『空間の流れ』であるというモデルから、一般相対性理論で説明されるいくつかの現象、重力質量と慣性質量の一致、光線の屈曲、重力による時間の遅れ、重力による赤方偏移を説明する。重力が物質根子団による素領域の生滅によって生じることを簡単な例(1 個の電子の万有引力)について導く。物質の運動が『自己重力の偏り』によって生じることも簡単な例(1 個の電子の運動)について導く。負物質の力の働き方が正物質と逆になることを示し、同時に『負の圧力』も説明する。「時間の矢」、すなわち時間の非対称性が正負の物質の重力の非対称性に起因することを示す。正負根子モデルによって質量の意味と存在の意義を考える。

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この論文は2年近く前(2016年12月)に書いたものであり、筆者としてはその後の研究も踏まえ、論文で示した理論の中に改めるべきと考えている箇所もありますし、依然として不確かな部分もあります。これらの点については今後このサイトでも扱っていこうと考えています。

このように理論はまだ完成していませんが、筆者はこの物理学の理論研究をきっかけに『21世紀の科学革命』の可能性に思い至りました。

素粒子よりもさらに基本的な、そしておそらく最も根源的な粒子であろう正負根子(せいふこんし)を仮定することによって、ついに物理学は量子力学と一般相対性理論との矛盾を乗り越え、重力を含む四つの力を統一的に説明する『万物の理論』に到達することができるだろう、というのが筆者の予想です。

しかし、これだけではありません。正負根子という、宇宙の最も根源的な要素に辿り着いた私たちの認識はここから大きく転回します。それはコペルニクスの「地動説」(1543年)以来、すなわち最初の科学革命、つまり『「科学」の始まり』以来の大革命になると筆者は考えています。

21世紀の科学革命とはどのようなものか、筆者がそのように考えるのはなぜか、これらを表明するのはまたの機会に譲りたいと思います。ただ、そのヒントはこの論文の中にある、とだけ言っておきたいと思います。ご興味のある方はぜひご一読ください。