連続ツイート『21世紀の科学革命のアイデア<2>天文学編』を転載します。

2018.12.15

以下は昨日の弘学研 @gugakuken (Twitterアカウント)からの連続ツイートです(2018年12月14日)。

(前回分は 2018.12.12.b 連続ツイート『21世紀の科学革命のアイデア<1>物理学編』を転載します。 です。)


それでは今日は今から『21世紀の科学革命のアイデア』第2弾 天文学編の連続ツイートを始めます。天文学の科学革命のテーマは『宇宙の未来』です。そして、その鍵となるのは『負物質』です。(なお先日は「宇宙科学」と表記していましたが、「天文学」の方が適切なようなので、修正しています。)

『負物質』とは負の重力・慣性質量を持ち『万有斥力』を示す物質のことです。この負物質も、詳しくは『負物質の実在と正負根子モデル』を読んで頂ければと思いますが、今回もより新しいアイデアを示しましょう。負物質が天文学にもたらす最大のパラダイムシフトは『終焉から希望へ』の転換です。

天文学においては21世紀の今日、大きな二つの謎が残されています。それは「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」です。暗黒物質とは銀河や銀河団を重力によってまとまらせている「見えない物質」です。また、暗黒エネルギーとは宇宙を加速膨張させている「謎の斥力」です。これらの正体が謎なのです。

私の仮説は、負の重力・慣性質量を持ち『万有斥力』を示す『負物質 negative matter』が実在する、というものです。そして、この負物質が「暗黒エネルギー」と「暗黒物質」の正体だと私は考えています。負物質の万有斥力が宇宙を加速膨張させつつ、銀河や銀河団を外側から圧縮すると考えるのです。

また、負物質は負の慣性質量を持つため、圧縮するとさらに収縮し、膨張させるとさらに膨張するという『負の圧力』を示すと考えられます。負物質はこの負の圧力によって宇宙誕生初期の高温高圧の頃には収縮し、ホワイトホールを形成して点在していて、これが銀河形成の種となるゆらぎになります。

そして、宇宙が膨張・冷却するに従い、負物質は負の圧力よりも万有斥力の方が優勢となり、ホワイトホールから散逸して、宇宙の泡構造であるボイドを形成します。また、負物質は万有斥力によって、正の質量を持つ通常の物質『正物質』を追い立て、それらが集積し銀河を形成するのを加速したのです。

以上が『負物質が実在する』という仮説に基づいた現象の定性的説明です。この仮説は既に手に入っている観測結果から検証が可能です。負物質を含む素粒子理論を作るには時間が掛かるでしょうが、手っ取り早い方法は既存のニュートン力学や一般相対性理論を負の質量を含む理論へと拡張することです。

正の質量のみを仮定したニュートン力学や一般相対性理論を負の質量まで含むものに拡張した上で、「暗黒エネルギー」と「暗黒物質」を『負物質の万有斥力』と仮定し、その理論予測と実際の観測結果とを比較するのです。弘学者の私にはまだ無理ですが、天文学の専門家ならすぐに実行可能な方法です。

上述の仮説を検証する過程で要所となるのは、これまではそれぞれ別の要因と考えられていた「暗黒エネルギー」と「暗黒物質」とが『負物質の実在』という仮定で統一的に説明できるか否か、という点です。また、負物質の実在は『正負根子モデル』から予言されるので、この物理学理論も検証可能です。

まとめます。天文学の謎である「暗黒エネルギー」と「暗黒物質」は、共に『負物質』の万有斥力が原因であるという仮説で定性的に説明できます。また、その検証は、ニュートン力学や一般相対性理論を負の質量まで拡張した理論による予測と既に得られている観測結果とを比較することで実行可能です。

以上が『負物質の実在』という仮説による天文学の現象の説明とその検証方法です。なお、本当は前述の順序は逆で、暗黒エネルギーと暗黒物質は共に負物質が原因ではないかと着想した所『から』正負根子モデルは生まれました。コペルニクスの時と同様、天文学が科学革命の突破口となったのです。

さて、『負物質の実在』という仮説もまた大きな衝撃を与えます。むしろここからが今日の本題と言って良いでしょう。それは天文学の科学革命のテーマ、『宇宙の未来』に関する問題です。既存の理論が宇宙の未来をどう予言してきたか、そして21世紀の科学革命でその予言がどう変わるか、が問題です。

ニュートン力学、そして熱力学が確立された時、宇宙の未来は実は暗いものでした。宇宙を孤立した系と考え、ニュートン力学を前提とした熱力学の法則を適用すると、宇宙は最後には熱の移動、すなわちエネルギーの移動が完全に止み、死を迎えることが予想されるのです。宇宙の「熱的死」と言います。

しかし、アインシュタインが一般相対性理論を示した20世紀初頭に宇宙の未来に関する予言は不明瞭になります。そして、20世紀末に天文学の観測によって宇宙が加速膨張していることが発見されると、宇宙の未来に関する予言はいくつも乱立し、混沌とした様相です。以下ではそのうち三つに触れます。

一般相対性理論に基づくと、宇宙の未来はまず、引力を示す「物質」と、斥力を示す「暗黒エネルギー」とのバランスで決まるようです。現在では「物質」の大部分は「暗黒物質」であると考えられているため、宇宙の未来を決めるのはこの「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」のバランスとも言えます。

第一に、「暗黒物質」が「暗黒エネルギー」よりも優勢ならば、引力が勝って宇宙は収縮、一点に達して終わります。「ビッグクランチ」です。第二に、「暗黒エネルギー」が「暗黒物質」よりも優勢ならば、斥力が勝って宇宙の膨張が加速し続け、全てが引き裂かれて終わります。「ビッグリップ」です。

第三は、「暗黒エネルギー」の値が一定、「物質」の量も一定で、「暗黒エネルギー」と「暗黒物質」の勢力関係が均衡し続ける場合で、宇宙が膨張を続ける中、物質は徐々に崩壊して光子や電子などとなり、構造を持つ存在が生まれなくなって、すすり泣くように終わります。「ビッグウィンパー」です。

「ビッグクランチ」、「ビッグリップ」、あるいは「ビッグウィンパー」も、結局は全て「宇宙は終焉を迎える」という予言です。これらに限らず、既存の物理学理論に基づく宇宙の未来の予言はどれも「終焉」で、暗いものばかりです。しかし、この「宇宙は終焉を迎える」という予言は真実でしょうか?

「暗黒エネルギー」と「暗黒物質」の勢力関係がまず問われていますが、両者が共に同じ『負物質』が原因だとすれば、勢力関係が均衡するのは必然となります。これによって、「暗黒エネルギー」と「暗黒物質」の勢力の差を前提とする「ビッグクランチ」と「ビッグリップ」のシナリオが回避されます。

さらに、『負物質』あるいは『負のエネルギー』が実在するならば、宇宙のエネルギーの絶対値を正負に増大させ、正物質と負物質を相互作用させて両物質を新生することも可能となるのではないでしょうか。エネルギーが増大し、物質が新生するならば、「ビッグウィンパー」のシナリオも回避できます。

宇宙が加速膨張しているという事実から、万有引力を示す正物質と万有斥力を示す負物質の対称性は破れていることが予想されます。その対称性の破れは宇宙の空間の構成単位、素領域の分とも言えます。つまり、宇宙のエネルギーの等式は『正のエネルギー+素領域=負のエネルギー』と考えられます。

宇宙のエネルギーの等式において、正のエネルギーと負のエネルギーが重力によって相互作用し、素領域が増加するにつれて、両者のエネルギーも絶対値を増大させていくことになります。では、物質の方はどうか?正物質と負物質は重力相互作用によって新生するのでしょうか?その可能性はあります。

正物質と負物質は万有引力と万有斥力によって追いかけ合うようにして互いを加速させ合うことでエネルギーを正負に増大させることが可能であることが理論的に予想されます。これを私は『共役加速』と呼んでいます。この共役加速が実際に起こっている可能性を示す事実は既に見つかっているのです。

正物質と負物質の共役加速の可能性の例としてはまず、高エネルギー宇宙線の存在が挙げられます。高エネルギー宇宙線は長らく起源が謎とされてきましたが、この共役加速が答えかもしれません。つまり、正物質と負物質の自由粒子が重力相互作用を積み重ねることで高エネルギーまで加速されるのです。

正物質と負物質の共役加速の可能性の他の例は、クーリングフローが起こっていないという事実です。クーリングフローとは銀河団ガスの高密度となる中心部がX線を放出し冷えていくとする仮説ですが、冷えたガスが存在しないことが謎でした。これも共役加速で再加熱されることが原因かもしれません。

クーリングフロー説の否定から正物質と負物質の共役加速によって物質のエネルギーが正負に増大している可能性が示されます。また、共役加速によって正負の物質が得るエネルギーの大きさは、高エネルギー宇宙線に匹敵するとすれば、トップクォークを含む全ての素粒子を生み出すのに充分でしょう。

まとめると、『負物質の実在』という仮説が導く結論は、暗黒エネルギーと暗黒物質は共に同じ負物質が原因なので勢力は均衡し宇宙の崩壊は回避できると共に、正物質と負物質の重力相互作用によってエネルギーは正負に増大、物質は新生できるので、宇宙は終わらずに進化し続ける可能性がある、です。

この『負物質の実在によって、宇宙は崩壊を回避でき、物質を新生できるので、宇宙は終わらずに進化し続ける可能性がある』という『宇宙の未来』のシナリオを、私は英語で『ビッグラスト Big Last』、日本語(和語)で『とこむすび』と命名しています。いずれも掛け言葉になっている点が大切です。

例によって弘学者の私は『各々の学問分野の個性は何か?』という問いを意識しています。天文学という学問の個性は『時空』です。「宇宙」という言葉が「空間と時間」を表すとされることからもこれは妥当でしょう。では『時空』と対概念となり、止揚する相手となるものは何か、それは『万物』です。

『宇宙の未来』を決めるのは『万物』なのです。『万物』とは私たちを含む物質のことです。物理学の科学革命のアイデアとしても表明しましたように、物質はその根源で選択論による意志を持ちます。すなわち、宇宙に生まれた『万物』、意志を持つ私たち自身の選択が『宇宙の未来』を決めるのです。

これまでの理論やシナリオが示す様に宇宙の未来が「終焉」なら、人類もいずれ滅亡する運命にあることになる。人類は滅亡するという前提では全てが無価値、虚無となってしまいます。しかし、宇宙が終わらずに進化し続ける可能性がある、その『希望』があるなら、人類も滅亡するわけにはいきません。

『ビッグラスト Big Last』の"last"には「終わり」の他に『続く』という意味があります。『とこむすび』にも、「常世(とこよ)=死」+「結び=終わり」と、『常(とこ)=永久に』+『産霊(むすび)=生み出す』と、二つの意味を込めました。二つの意味のどちらを選択するか、が大切なのです。

『ビッグラスト』、終わりか、続くか。『とこむすび』、死によって終わりか、永久に生み出し続けるか。これらの言葉の中に私たちの選択肢があります。天文学の科学革命のテーマ『宇宙の未来』、パラダイムシフト『終焉から希望へ』をご理会頂けたでしょうか。貴方はどちらの未来を選びますか?

以上で、『21世紀の科学革命のアイデア』第2弾 天文学編の連続ツイートを終わります。もちろん、まだ革命は実現していません。理論の完成も検証もこれからです。専門家の力も、柔軟な頭を持つアウトサイダーの力も、異分野の協力も必要です。#21世紀の科学革命 、 #弘学革命 を共に創りましょう!


#21世紀の科学革命 のアイデアの発信、次回の予定は化学になると思います。やはり研究の進行状況に分野によって差があるのですが、次回以降は研究内容を初めてまとまった文章にするので、今の段階ではまだどの位の量になるかも読めません。とにかく弘学は全ての学問を愛しています。 #弘学革命


(次回分は 2018.12.20 連続ツイート『21世紀の科学革命のアイデア<3>化学編』を転載します。 です。)