円安大幅値上げ

(PC関連商品)

円安大幅値上げ(PC関連商品)

新春早々値上げの話である.

現政権は,政権交代後の経済政策(円高誘導?)が取り敢えず効を奏したということで,新年度から消費税アップを決めた.デフレ脱却のため2%の物価上昇を目指すとしているが,円安のため部品の多くを輸入に頼っているIT関連製品では大幅な価格上昇がすでに始まっている.

中立の立場を堅持するはずのNHKが,新製品発売日にニュースで取り上げて宣伝してやっているApple社製情報機器(iPad)の価格変動を見ると分かりやすい.

資料として引用した価格.comの価格推移グラフをみると一目瞭然である(最初の図).昨年6月,最安値,平均価格とも一挙に1万円近く値上がりした.昨年秋以降値下がりしているが,新型mini版等が発売されたためと思われる.

パソコン類も同じ傾向である.Windows機からの乗り換えをねらったデスクトップのmac miniは,CPUがcore i5の場合,昨年6月一挙に7千円程度値上がりした.Core i7搭載PCも同様の傾向を示している.4GBメモリーは他社であるが,2倍程度に値上がりした.

メーカーは,1ドルが80円代から100円代になったのだから,25%程度の値上げは当たり前と言っている.しかし,PC購入予定者の中には,突然の値上げで機を逸した人もいるようだ.これに消費税が加わると,さらに値上がり感が強くなるはずである.この際,円安と消費税の影響を考慮した価格改定を考えているメーカーもあるので,結果的には,3%以上の便乗値上げ的な価格になることは必至である.

円安で輸出は好調だが,国全体としては赤字が続いている.原発が稼動していないので,天然ガスの輸入代金が嵩むのは仕方ないが,スマホの輸入代金が赤字を助長していると言われている.麻薬的存在?で若者をむしばむスマホが赤字の要因というのはいただけない.

「円安は一時的に貿易収支を悪化させるものの,一定のタイムラグを経て改善させるというのが過去の経験則」らしいが,今回は当てはまらないという意見がある.その理由は石油高騰は一時的なものではなく,輸出数量の増加も見込めないということらしい.

勤労者の収入増が実現し,「終わりよければ全てよし」になることを祈りたい.

追記)デフレの象徴的商品であった大型液晶テレビは値下がりがストップしたと言われている.

トミーは7日,ミニカーの価格を360円から450へ25%値上げすると発表した.亜鉛などの原材料費の高騰と生産国(ベトナム)に於ける賃上げのためと言っている.