著者 紙城 境介
4.1 5つ星のうち 29 カスタマーレビュー
ダウンロード継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)ePub紙城 境介 - 「僕が兄に決まってるだろ」「私が姉に決まってるでしょ?」親の再婚相手の連れ子が、別れたばかりの元恋人だった!? “きょうだい”として暮らす二人の、甘くて焦れったい悶絶ラブコメ――ここにお披露目!
以下は、継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)で最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 それぞれの視点パートに分かれて書かてる作品。読み始めると一気に最後まで読んでしまう力がある作品。二巻にも期待したい。 最近スニーカー文庫に多い「カクヨム」発の作品らしいがタイトルに読ませるパワーがある作品だなあ、と感じて購入を決断。タイトルから察するに昔読んだ吉住渉の「マーマレード・ボーイ」みたいな話かなあと古臭い事を考えながら拝読。物語は高校入学を目前にした主人公・伊里戸水斗の置かれた些か厄介な家庭環境の描写から始まる。水斗の父親が中学を卒業した夜に再婚しようと思うと切り出したのは良いが、結婚相手は二週間前に別れた相手である綾井結女の母親。別れたばかりの元カノと期せずして「きょうだい」になってしまった水斗だったが、両親の見ている前以外では当然の事ながら結女とはギクシャク。目下の問題はどちらが「弟(or妹)」になるかという事。当然相手の方が下だと主張して譲らない水斗と結女は「義理のきょうだいらしからぬ言動をした方が弟(or妹)になる」という奇妙なゲームを始める事になるが……んー……作品の雰囲気やキャラに関しては悪くない、というかかなり良い部類の作品。お互いに素直になれないというラブコメの王道をきっちり守った上でニヤニヤさせて欲しいというラブコメ好きの欲求は十分満たされるし、主役カップルもサブキャラも造形がしっかりとしている上に、中には「よくこういうキャラを思い付いたな」と感心させられるサブキャラもいるので登場人物の造形能力も高い。が、問題は構成の方で物語が本格的に動き始めた中盤以降は「これはどうなるの?」と思わされつつ、その落としどころがちょっとブレたというか……そこの所で些か損をしているといった所。やはりモノを言うのは「別れたばかりの元カップルが一つ屋根の下で暮らし始める」という設定。おそらくほとんどの読者がこのタイトルにも打ち出された特異な状況に惹かれて読むのだろうし、実際に序盤から中盤にかけてはこのどうしてもギクシャクせざるを得ない二人が「きょうだい」として暮らし始める事で起きるドタバタ劇を中心に描いている。特に「きょうだい」とひらがな表記にしてある事から分かる様に主役である水斗と結女が互いに自分が「兄(or姉)であると主張して譲らず、家庭内で互いをどう呼び合うかというちっぽけな所に意地を張って譲らない二人の関係を水斗と結女の視点を入れ替えながらじっくり描いている所は読む前の期待に十分すぎるほど応えている。そのギクシャクした状況を描写しながら中学時代にヒロインである結女が水斗ぐらいにしか相手にされない冴えない文学少女であった事を明かし、そこからどの様にして高校入学時点での文学少年の水斗など相手にしないという完璧女子の仮面を被るに至ったかを描きそのキャラクターの重層性を活かして深みのあるキャラとして描いてあるのは好感が持てる。水斗に「高校デビュー」とからかわれながらも取り澄ました顔を取り繕おうとする部分と、今でも水斗との関係を込みで引っ張っている冴えない過去の部分の落差で魅せるキャラとなっているのである。キャラクター造形という点ではサブヒロインの南暁月が結女にも増して素晴らしい。最初は結女に絡んでくる「賑やかし的なサブヒロイン」なのか、と思わせておいて中盤からその本性を現して物語を引っ掻き回す本作のキーキャラクターとでも言うべき存在。水斗との過去を切り捨てようとして切り捨てきれない結女の未練を刺激するキャラが現れたと思ったら実は……とそれまでのギクシャクしたラブコメの雰囲気を一気にサスペンス調へとひっくり返した時は「ギョッ」とさせられた。特に「ダイニングテーブルに五つの椅子」という描写に至っては鳥肌がゾワッと立つほどにパンチの効いた描写となっている。この暁月が本領を発揮したあたりから、それまで一つ屋根の下でギクシャクした関係が続くカップルの話から一気に話が動くのかと思ったのだけど……問題はここから。暁月の本性を知った水斗が高校で唯一できた友人である川波小暮に相談を持ち掛け、その対策に乗り出すというのが終盤の展開になるのだけど、ここでキーキャラと思われた暁月がフェイドアウトしてしまうのは正直「あれ?」と肩透かしを食らった様な気がした。中盤であれだけ強烈な存在感を発揮し、水斗や結女にとってどんな脅威となるのかと思われたキャラがそのまま舞台袖に引っ込んでしまうのでは何とも竜頭蛇尾というか……仮にこの一巻での展開が暁月の存在に頼らず、水斗と結女の関係の変化を掘り下げるというのであれば、それはそれで「あり」だったのだけど、その点に関しても些か中途半端と言わざるを得ない。特に中学時代の二人の関係がどの様にして深まっていったかは描かれていても、どの様にして離れ、最終的に破局を迎えたかという部分を序盤にさらっと流して書いただけで済ませてあるので「この様にして破局したカップルが、この様に元の鞘に戻った」という部分の納得感が今一つ弱いのである。結局、この話を暁月という脅威を軸に描きたかったのか、元鞘に収まったカップルを軸に描きたかったのか、その部分がどうにも虻蜂取らずであったと言わざるを得ない。ラブコメとしての雰囲気もキャラクターの造形も良いのにストーリーの「まとまりの無さ」が全体の出来を若干落とした所が感じられる。二巻以降で持ち味を生かしつつこのストーリーのまとまりの無さを改善できるかどうかといった所がポイントであるように感じられた新シリーズの第一巻であった。追記これ京都を舞台にしてあるけど、この舞台設定自体にはあまり意味が無かったのでは?水斗も結女も完全に標準語だし、京都という土地柄を活かした展開がある訳でもないし……なんで実在の土地を使ったの? Tags:継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)PDFダウンロード継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)PDF継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)のePub継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)ダウンロード継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)オーディオブック継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)ダウンロードブック継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)発売日継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)試し読み継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)ネタバレ継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)amazon継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)download継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)kindle