著者 矢部 良明
4.4 5つ星のうち 1 カスタマーレビュー
ダウンロード茶の湯の祖、珠光無料PDF矢部 良明 - 内容紹介「冷・凍・寂・枯」の茶の湯の美学はここから生まれた! 茶の湯を支える超俗の美学はいつ、どのようにして開花したか。室町中期の能楽・連歌など、同時代の芸術に通底する美学と、茶祖、珠光の事跡を追究し、茶の湯の創始を明らかにした初めての書。 内容(「BOOK」データベースより)室町中期の能楽・連歌など、同時代の芸術に通底する「冷・凍・寂・枯」の超俗の美学と、茶祖・珠光の事跡を追究し、茶の湯文化の創始を明らかにする。商品の説明をすべて表示する
以下は、茶の湯の祖、珠光で最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 とても良い本です。時代背景も丁寧に描写されていて、いかなる意味で「祖」なのか、わかりやすい。珠光が意図した茶の湯のソーシャルデザイン的なパラダイムシフトは孤高でありながら、大衆と権力の間をバランスよく体系化していく感覚は瞠目。珠光は資料に乏しいらしく、後半は著者矢部氏の緻密な研究に基づいた想像の人物像ということですが、矢部氏の深い知識に裏打ちされた記述は本当に珠光が語っているかのよう。祖として担がれている人物だけに枝葉がついていることも多いようで、断定的な記述をしないところも読みやすいです。パラダイムシフトと言いましたように、珠光は茶を再発明しました。(これも矢部氏は推測という言葉を使っています。)現代アーティストの杉本博司氏が引き合いに出していますが(たぶん)、俯瞰的に見れば、珠光、利休がした再発明は、現代アートの文脈においてデュシャンがしたことと同じです。無意味なものに意味が与えられる過程を顕現させ、もとあった価値体系そのものをひっくり返して、価値とは何かをメタ的に問う行為でした。珠光が生きた時代は、今と同じでみんな唐物大好きでした。現代の日本人が欧米の文化を真似するのと一緒で、唐物でなければ茶器じゃないといわんばかりだったそうです。もちろんそうした唐物の茶器を手にできるのは裕福な一部の人たちだけだったので、そうした状況を鑑み、茶というものを富める者と手許不如意な者を分け隔てなく参加させ、超俗の境地を開拓することが珠光の狙いだったようです。超俗の境地というからには、茶が単なる喫茶から、茶道=茶の道というように、道を究めるための実存的な活動として再発見されます。そこにあてがわれたのが侘茶に通ずる「冷・凍・寂・枯」という美学です。(ただし、矢部氏がおっしゃるには、珠光は侘茶を理想として掲げるというより、茶の湯の元の平等という思潮を見出したところに先進性があるようです。)実際には、唐物と言えば、先日お宝鑑定団で贋作疑惑の曜変などがありますが、あのような誰の目にも明らかな神秘的造形の物ではなく、地味な灰被天目を不動の一位に君臨していた曜変などの建盞(けんさん、建窯という中国の窯で焼いたもの、大人気)の上に位置づけるという衝撃の提案をします。アンデパンダンに小便器を出すデュシャンに近いです。他にも、押板を床に変え、社会的身分を表す押板というスペースを茶人が自身の表現をする場所に転換させたり、台子を作り変えたりします。それまで茶の湯は面と向かって茶を点てるのではなく、別室で行っていました。それをやめ、囲炉裏を囲んで喫茶するように、目の前で行う方式に変えようとしたのですが、なれ合いになってしまうことが問題で、自己の精神を高める茶の湯には障害でした。そこでそれまで唐物趣味だった台子のデザインを極めて単純な造形に抽象化し、機能性に変更を加えることで精神的な緊迫感を損なわないようにしたようです。個人的には、こうした人の精神面に大きく影響を及ぼすシステム設計をできることは本当に尊敬すべきことだと思いました。ルールの書き換えは愚直な自己顕示欲と社会問題意識に基づいていて、人が盲従していた枠組みをあぶりだして意識をその外側に連れ出してくれます。こんなことができる人はそうそういませんが、そうした意味でも知っておくべき人物だと思いました。少し重複しますが、もう一つ珠光の茶の湯の画期的なところは、既存の権威づけされた価値体系に縛られることなく、自身の目で茶道具を選択したところでした。ルールの書き換えとまでは言わなくとも、自身で選択する主体性に基づいた選択をすること、それが珠光が求めた茶の道=茶道であり日々の稽古でした。ただ、当然ですが実際には色々困難な面もあったようです。珠光が古市澄胤にあてた「心の文」と言われる手紙で、「素朴な技術で焼かれた信楽や備前などを持ち出して茶道具だと言って憚らない」といった内容の批判が暗に伺われていて、自己研鑽の茶道を努めた者ばかりではなかったようです。今も昔も全く変わらないなとしみじみ思いました。おすすめの本です。 Tags:茶の湯の祖、珠光PDFダウンロード茶の湯の祖、珠光PDF茶の湯の祖、珠光のePub茶の湯の祖、珠光ダウンロード茶の湯の祖、珠光オーディオブック茶の湯の祖、珠光ダウンロードブック茶の湯の祖、珠光発売日茶の湯の祖、珠光試し読み茶の湯の祖、珠光ネタバレ茶の湯の祖、珠光amazon茶の湯の祖、珠光download茶の湯の祖、珠光kindle