2019-06-07

日本人が英語が苦手な理由

英単語の品詞について(2015-06-21)で書きましたが日本語では動詞は助詞をつけ、英語では名詞は冠詞をつけます。

このことをもっと明確にいうと、日本語では動詞は必ず助詞がついている状態であり、たとえば「書かない」「書きます」「書く」「書けば」「書け」と活用しますが全て動詞であり少しの意味あいが加わっています。「書」は文字で書けば動詞ではありません。発音で「書(か)」と言っても動詞ではありません。日本語の動詞は助詞がついて初めて動詞となります。「書く」以外の動詞でも同様です。

一方英語では、たとえば「a book」「the book」「this book」「his book」が名詞であり、実のところ「book」は名詞ではなく「予約する」と言う感じで書き込むという動作を表す動詞です。他の名詞でも同様ですがuncountableな名詞では「a」をつけません。この関係は日本語における動詞のあり方に似ているので理解できるのではないかと思います。

強調したいところは名詞だと思われている単語であっても「a,the,this,his」などの冠詞類をつけなければ名詞にはなりません。たとえば「apple」は名詞の意味しかありませんが単語ひとつで「apple」と言えば「リンゴせよ」と言う命令形になってしまいます。

しかしながら少しややこしいことに1980年代になってから「theぬき言葉」という物が流行りだしていたようで単語単体であれば「the」がついている名詞と同じに扱うようになってしまったようです。この変遷は1970年代から続いている電気工作関係の英語の雑誌で発見しました。このあたりの関係はuncountableな名詞と同様な扱いと考えればいいのではないかと思います。つまり、uncountableであれば「a」が省略され、countableであれば「the」が省略されるというわけです。

日本人はこの特別な条件で冠詞類が省略されている名詞が普通のことで、それを修飾するために冠詞類をつけると思い込んでいるようです。じつのところは単語を名詞化するために冠詞類をつける必要があり、特別な条件で冠詞を省略できるというのが本当の文法です。

すこし英文法の教科書を見てみたのですが単語の名詞化の説明が載っている物はありませんでした。これは大変重要な問題点であります。たとえば車の運転を説明するのに日本では左側通行であることを説明しなければ運転できませんがこのレベルのミスを犯していると言えます。書いていなければ間違いではないとは言えません。重要点を書かないことは間違いです。

日本人が英語が苦手な理由は全ての教科書が間違っているからです。