オーディオオカルト
2015-07-04聴覚の個人差で顔の形が面長(おもなが)か丸顔かで6KHz以上の音の聞こえ方が違うのではないかと書きましたが、これが原因でオーディオオカルトの平行線が発生するのではないかとおもいます。聞こえている音が違っているから当然です。
しかし、商売として違いが無いものをだまして売っている場合もあります。
そこで設計者の立ち場で電機部品で実際にどのように音が変わるのか説明したいと思います。
電線
電線は1980年台に製造方法が研究されて1990年台になると安定して低価格でも高音質がえられるようになりました。2000年、2010年台になるともはや音の違いはないと考えたほうがよいとおもいます。アーサーCクラークの言葉に「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。」というものがありますが電線はまさにこの状態です。現在はなにをどうやっても高音質な電線が手に入るわけなので今まで積み上げてきた科学技術の存在を知ることは出来ません。
実際に細かいことを言えば心線の形状で微妙に変わりますが、その善し悪しを判断することは難しいレベルで好みの問題になります。
また、微少な容量やL成分の変化で発振したりする設計が悪いアンプでは電線を変えると発振状態が変化して実際に音が変化します。これを電線の違いだと勘違いすることもあるのではないかと思います。発振は安定状態ではなく、特定電圧や特定周波数成分で発振するので、音楽の一部のようになって、もはやエフェクターのように好ましい存在になってしまうこともあります。この発信音は割と高周波数であるので上の個人差で違いがわかったりわからなかったりするはずです。
電解コンデンサー
これは現在の製品でも可聴帯域まで周波数特性の乱れがかかってくるものがあります。しかし、極端に悪いものはありません。微妙に可聴帯域に影響しているわけですが、このあたりが上の個人差で認識できたり出来なかったりする部分なのではないかとおもいます。
フィルムコンデンサー
これも1980年台は巻きが弱く独特の響きを付け加えるものがありました。しかしその周波数は1KHz前後で万人に認識できるものだとおもいます。現在は種類を選べば音を付け加えるものはありません。
抵抗
抵抗はエージング時間1時間ぐらいで安定するのですが原因はよくわかりません。
ハードディスク
デジタルオーディオが一般化してきてハードディスクで音が変わるとか、そんなはずないとか言われていますが、現実的には音が変わるとおいます。原因は不要輻射です。不要輻射で具体的にどのように音が変化するのかは解りませんが、ほとんど多数のオペアンプの位相余裕は小さく基板を机の上に置いて動かす場合は問題ないけど外来ノイズが多い場合は動作が不安定になる可能性があります。その動作は電線のところで書いたような状態になります。
また、メカ的な振動で音が変わっていることもありそうです。イヤフォンでは電線がこすれると聴診器のごとく大きな音として聞こえますが、接続状態によってはハードディスクのメカ的な振動音が直接イヤフォンから聞こえてくることもあります。ハードディスクを変えると別の音になることは明かです。
結局オーディオオカルトは不安定なアンプのせいで音が変化しているものを、その原因を勘違いして突き進んでしまった結果なのだとおもいます。一方で耳の形状的理由で変化を認識できない人もいて議論の出発点が定まらないので結論も出せない状態になっているのだと思います。