文字's 「スクープ」
「スクープ」
ひらく花たちに耳をかたむけると
わたしたちは言葉にできないくらいのスゴイことを
あんまりにもたくさんかかえているので
このような形に生まれました
という風に聞こえた
あまりにもアイの表現がカゲキすぎて
花にでもならなければ
この世にでてこられなくて
と、花たちは
汗みたいな雫をたたえつつ教えてくれた
ふうん
いままでお花に水をやっているつもりで
ほんとうはカゲキなアイの表現に水をかけていたのか
春の日を浴びて
ぽっかり開いている口のような花たちはたしかに、
神と交わる恍惚の有様
それから 風やなにかは
カゲキなアイを運んでいるのだそうだ
星たちもわかっていて
夜になるとしばたいて
アイをまんべんなくまきちらしてくれるのだそうだ
山下月子の禁断日記 妄想的現実の記述2007.4.4 より