文字's 「おひさまをせなかに」
おひさまにせをむけて
おひさまをせなかに浴びて じっとしている
まっているのを忘れるくらい まっているのだ
と、ときどき実感する
「泣きだしたいくらいに まっているんだ」
と、叫びそうになるけれど
なにもまっていないと 気づく
ゆめうつつの老人みたいに そしてまた
せなかにおひさまを 感じる
わたしのせなかは
ひあたりのよい 畑
耕して、耕して、
やわらかくしておこう
わたしの顔のついているおもて側が ほんとうは うら側で
せなかから おなかのほうに根っこが のびていくのだ
わたしのおもてには たくさんの根っこがはえて
養分をきゅうしゅうしている
かぜがよこから吹いてきて
片方のほっぺただけつめたい