中里社会保険労務士事務所
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ディベートを通して考える 平成27年4月14日(火)
先日、とある研修会で、「ディベート」について学びました。
ディベートというのは、設定されたテーマについて、肯定派と否定派に分かれ、決められた時間内で互いに論を展開しジャッジします。持論が肯定か否定かに関わらず分けられます。
肯定派立論:こうだから ○ なのです。
否定派尋問:ここはこういうことですか?(なければないで良い)
否定派立論:こうだから × なのです。
肯定派尋問:ここはこういうことですか?(なければないで良い)
否定派反駁:相手はこう言っているけど、ここはこうではないか。
肯定派反駁:相手はこう言っているけど、ここはこうではないか。
否定派最終弁論:これこれこうなので、やはり × なのです。
肯定派最終弁論:これこれこうなので、やはり ○ なのです。
ジャッジ
この結果、最終的に何をジャッジするか。説得力の有無です。つまり、ディベートは、正しさではなく、いかに審判を説得できるかを競う、“ゲーム”ということになります。
この日のテーマの一つは、「社員の親睦のために毎年開催しているソフトボール大会が必要か」ということで、私は肯定派になりました。そして、これがいかに親睦のために必要かという点をしきりに説きました。が、負けてしまいました。敗因は、論点を見誤っていた点です。そもそも親睦が必要な点は両者とも一致していました。論点は「なぜそれがソフトボールなのか」ということでした。つまり、ソフトボールの良い点を挙げていくべきだったのです。
・多くの人に馴染みのあるスポーツで、ルールも分かりやすい。ボールを投げて、打って、1周したら1点。3つアウトを取ったら攻守交替。
・スローピッチやベースランニングを遅くするなど、加減がしやすく、高齢の方や女性も参加しやすい。しかも、適度の運動ができる。
・最低限1チーム9名の参加が必要なので、1チームが出場しただけでも相当程度の参加者数となる。他のスポーツやハイキングなどではこれほどの人数を集めることはできないのではないか。
改めて考えるとこんなことが浮かびます。
ここでは何が論点なのか、何が求められているのか、そこを的確に捉える大切さを改めて感じました。日常の場においてこういう場面は意外と多いと思います。異なる意見を言い合うのではなく、そもそも論じている点がずれている。物事を決めるときも、お互いに一致している点、異なる点を整理して議論していく。いわゆる建設的な議論。有意義な会議などを考える際に有効だと思います。
また、ディベートは、一度相手の立場になった上で論を展開し、それに対して自分の考えを構築していく作業になります。相手のことを考える訓練になるし、こういう考え方もあるかと新しい気づきにも繋がります。この点でもやはり会社(社会でも良いですが)という異なる考え方の持ち主の集まりが、いかに協力してやっていくかを考えるとき、有効なことだと思いました。
ディベートはいかに審判を納得させるかというゲームですが、それを一歩進めて、その考え方を利用してできることがあるような気がします。