留学したい

絶対必ず大丈夫

宇野浩司(瀋陽工業大学)

私は現在、瀋陽工業大学という、理科系が中心の大学の外国語学院日本語専攻の外教として勤務をしています。今年の9月から正式にこの学校の外教となりました。

日本語専攻ができたのは去年の9月からです。まだできて1年ちょっとの若いところです。しかし、以前より日本の学校との交流も盛んなところで、工業科目の先生たちの中でも、日本の大学院を出て教鞭をとっている人もいるそうです。日常会話程度ならばできる先生も日本語教師以外でいるそうです。

そんな瀋陽工大(このように省略します)の日本語専攻で、私が担当するのは「会話」です。外教が持つ科目の最もオーソドックスなものです。1年生と2年性を担当しています。2年生はすでに、昨年度、私がときどき来て指導していましたので、ある程度会話が理解できる学生たちです。1年生は今年10月からはじめたばかりで、ゼロ起点の学生のみです。クラスは各学年1クラスずつで合計で50人程度です。

1年生の授業では、2年生の学生を「通訳」として使って授業をすすめています。これには2つの狙いがあります。一つは「通訳経験」をさせること、もう一つは学年間の「縦の繋がり」を作らせることです。この

二つの狙いは今のところうまく行っています。この形式が工大日本語専攻のスタイルとして定着してもらえればいいと思っています。

2年生の授業では、毎回ユニークなテーマを与えて、それについて、個人もしくはグループで発表してもらっています。結構学生たちは楽しみながらやっています。見ている私も楽しい気分になってきます。それに、最近いい傾向も現れてきました。学生自らが、日本語および日本文化に関係するものに興味をもって、調べていくようになってきました。その過程で、いろいろと質問されることがあります。これは教師冥利に尽きます。私が、学生たちに言ってあげたい言葉は、「絶対必ず大丈夫」というものです。これは、有名な清華大の外教の人がよく言っている言葉を少しアレンジしたものです。「先生、圧力が大きいです」といったら、この言葉を返してあげます。「本当ですか」といわれても、「本当だよ。あとはあなたの気持ちしだい」と返します。

まだまだこれから、いろいろと構築していかなければならないところです。学生たちを奮い立たせると同時に、私自身をも奮い立たせなければなりません。「絶対必ず大丈夫!!!」これをモットーに頑張って行きたいです。

留学を目指すみなさんへ=日本留学Q&A

山下義彦

Q: 日本に留学したいのですがが・・・日本人は外国人留学生のことをどう思っていますか?

A: 日本に関心を持ってくれてありがとう。私は中国で日本語の先生をしています。私の教えるクラスには日本へ留学したい学生がたくさんいます。ぜひ日本に留学して日本語や日本文化を学び、日本人の友達をたくさんつくって下さい。最近は日本の大学でも、外国からの留学生が増えてきました。もちろん学生は大半が日本人なのですが、留学生だからといって何か差別を受けるというようなことはないでしょう。もしかしたらマスコミやネットで日本における外国人差別が話題になっていることもあるかもしれませんが、実際にはほとんどの外国人はそれほど苦労なく暮らしていると思います。しかし外国で暮らす時には、思わぬ困難に遭うこともあるでしょう。留学生のサポート体制がしっかりした学校を選んで下さい。

Q: 日本で部屋を借りる場合、「敷金」「礼金」が必要だと聞きました。「敷金」「礼金」とは何ですか。

A: 日本で暮らす場合、まず心配なのが住宅の問題でしょう。日本の大学は敷地も狭く、学生寮を完備していないところがほとんどです。日本人の学生は自宅から通うか、大学の近くでアパートを借りています。留学生に関しては最初の一年間は大学敷地内の宿舎などがある場合もありますが、二年目からは自分でアパートを借りなければならないと聞きました。そんな時、「敷金」「礼金」の知識を知っておくと役に立つでしょう。

まず「敷金」とは、賃料の滞

納や、部屋の破損等の万一の備えとして、家主に対して預けておくお金のことです。厳密にいうと家賃の支払いの保証のために不動産屋さんに預けておくお金のことで、修繕目的で徴収されているわけではありません。ですから、本来ならば退去の際に敷金を返還してもらい、それとは別に修繕費を支払うのですが、面倒なので相殺しているのです。家賃未納分があれば当然敷金から差し引かれます。借主に賃料の滞納や部屋の破損などの債務不履行がなければ敷金は全額返金されます。敷金は賃料の2~3ヶ月分が相場です。

次に「礼金」ですが、大家さんに支払うお礼のお金なので、戻ってくるお金ではありません。礼金は賃料の1~2ヶ月分が相場で、退去時に返金されません。その他に「仲介手数料」という不動産屋さんに支払うお金もあります。家賃の半月分~1か月分くらいです。これが不動産屋さんの儲けです。つまり、家賃1か月分だけあればすぐ部屋が借りられるわけではありません。また学校の学生課でもアパートの紹介をしています。学生課を通して部屋を借りると、「敷金」「礼金」「仲介手数料」が安くなる場合もありますので、まずは学生課に相談してみてください。

このコーナーではみなさんからのお便りをお待ちしています。日本留学、日本での生活などに関する疑問、質問をお寄せください。日本人教師や留学経験者がお答えします。

宛て先:山下義彦

yamasita31@hotmail.com