My Journal Club

2014年5月10日 記

Welton LJ., Wood Jr. PL., Oaks JR. Siler CD. and Brown RM.

Fossil-calibrated phylogeny and historical biogeography of Southeast Asian water monitors (Varanus salvator Complex)

Molecular Phylogenetics and Evolution. 74. (2014) 29-37

東南アジアのミズオオトカゲ群(Varanus salvator 種複合体)について化石によって較正した系統分類と歴史的生物地理学<的研究>

フィリピンのミズオオトカゲの系統地理学的分類について、化石と分子系統学を組み合わせることで明らかにした論文です。著者らは米国のユタ州、カンザス州、オクラホマ州の大学の研究者らしいです。(タイトルに用いた訳語の解説は別ページに記したものを参照)

分子系統解析を化石や地質データに基づいて較正する方法についてどのように行われているかを詳しく勉強したくてそのような論文をいくつか読んでいますが。この論文も最近でたもので、参考になりそうです。

序の要約「東南アジアは生物地理学的に見て非常に多様で興味深い地域である (Hall R. 1996, 1998, 2002)。<地質学的年代でいう>第三紀の末頃からかなり活発に地質学的な変化があり、<第三紀のうちでも漸新性である>3000万年前くらいから、、この時期の海洋プレートの衝突(sea plate collisions)と横ずれ断層による火山活動(と訳すのかな?stike-slip fault volcanism)によって、東南アジア諸島ができ、また様々に変化してたと考えられている。<略>さらにずっと時間が近づいて更新世(Pleistocene, 258万年前~)の時期に、海面高さの繰り返し変化することの影響を受け、島々の動植物相が様々な影響を受けた。そのためにこの地域は気候変動が生物多様性に与える様々な影響を研究する一つのモデルとなっている。」

「オオトカゲの仲間は、爬虫類研究者達からは特別な地位を与えられてきたが<略>この生物の進化学的および分散に

関する地理学的な研究はあまり行われず、また行われてきた過去の研究も、この群を校正する属がどこからきたのか、というような観点<のみ>から調べられてきた。」

<川島記: 日本進化学会の進化学事典にも、BartonらによるEvolutionにも、ミズオオトカゲをモデルとした生物地理学について記されていません。Kakenデータベースでも、この観点からの研究はほとんど見いだす事ができませんでした。最近になってクローズアップされてきたということなのだと思います。>

「過去10年間で、ミズオオトカゲ種複合体の分類体系はなんども見直されてきた。<略>現在は、12の分類群にわけられている。(7種と5亜種)」<さらにくわしくいろいろ書いてあります>

<川島記:海面が低かった頃はこのあたりはSundalandと呼ばれる地続きの大きな陸があったとされます。海面が上昇して現在の島々に分かれる過程を、ミズオオトカゲの分類と比較するのが研究の目標ですが、そのあたりは細かいのでスルーします。>

2 材料と方法

2.1 標本採集

「88の標本で、記載種73種(亜種等含む)のうち、49種を含んでいると考えられる。」

<川島:記 序で述べられている、12の分類群という話と記載種73種というここでの話の整合性がよくわかりません>

「<利用した配列は次の5領域>:核遺伝子座のL52とL74、二つの核遺伝子(DGL-alphaとPRLR)、ミトコンドリアのND1, ND2および7つのtRNA領域にわたる領域」

「5領域をつなげて2531bpの配列とした。またミズオオトカゲ以外の外群のデータを集めた。」

2.2 配列解析、系統解析

「アライメントはMUSCLE v3.831、GENEIOUS、MESQUITEで行った」

「分岐年代はBEAST v1.7.5で行った」

<略>

「較正には7つの化石を用いた。」

under constraction

「Starttree( http://bodegaphylo.wikispot.org/starttree_program)を用いて化石による較正による最短および最長時間を適用することで得たuser defined starting treeを、解析に用いた。」

2015年10月13日 記

Antezana E, Kuiper M and Mironov V.

Biological knowledge management: the emerging role of the Semantic Web technologies.

Breefings in Bioinformatics. 10 (4) : 392-407, (2009)

生物学的知識の操作について:セマンティックウェブ技術の担いつつある役割

略称

KM: Knowledge Management

ICT: the Informationi and communication technologies

定義

Data: Data is just a collection of facts that require interpretation in order to be converted into knowledge.

Knowledge: Knowledge is data plus an interpretation of its meaning.

Information: this concept is somewhat loosely defined and it finds its place between the concepts of data and knowledge.

The three concepts together form a paradigm of gradual understanding, Data - Information - Knowledge.

KM: knowledge management is the process of systematically captureing, structuring, retaining and reusing information to develop an understanding of how particular system (e.g. an organelle or a pathway) works, and subsequently to convey this information meaningfully to other information systems (knowledge distribution).

Data Integration: One concept often used in connection with KM (and occasionally treated as synonymous to KM) is DataIntegration.

Knowledge Representative: ...