JSBiの理事として2年間つとめてきましたので、その間の考えた基本的な考えを下記にまとめました。
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私は、これまで動物の進化過程の詳細を明らかにするために、とくに新口動物群のゲノム解析と比較解析に取り組んできました。ゲノム配列比較解析手法の開発に取り組むための情報交換の場を求めて、2010年からJSBiに参加しております。JSBi 沖縄地域部会の発起人の一人にもなっております。
JSBiでは、2012-2013年度の2年間、理事を任を担ってきました。
この間、理事会での私の発言や主張は、主に下記に記した2つ(1と2)に要約できます。さらに今後(3)の機能を理事会に持たせる必要があると考えています。
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(1) 会員の研究発表活動の活発化と国際化をすすめる
日本国内におけるJSBi年会の主な使用言語を明確に日本語とすることで、日本語話者どうしの密度の濃い議論が今よりももっと活発におこなわれるようになると考えています。現在、航空機チケットの低価格化によって国際学会への参加障壁は相当さがっています。国内学会での無理な英語化をすすめることよりも、国内学会の議論によって練りあげられた各会員の研究成果が積極的に国外の学会で発表されることが、JSBiの国際的存在感を高めることにつながると考えています。
(2) 理事会の簡素化
JSBiは平成23年度から法人化し公的な性格を強めています。その中で、どの会員が理事に選ばれても、会の基本的な運営がスムーズに進むように、定款と細目を見直すようにしてきました。
例として、バイオインフォマティクス技術者認定試験(以下、認定試験)については、私自身は存続に反対の立場をとっています。認定試験の廃止は実現できませんでしたが、すくなくとも「廃止と継続を含めた見直し」を、数年毎に定期的に実施することをワーキンググループの提言として認めてもらいました。
新しい活動を提案することは大変ではありますがやりがいのある作業と言えます。一方で、継続のための努力を課せられる後継の会員にとっては、自由な発想で会の運営をおこなうあたっての負担となることが予想されます。認定試験に関わらず一般論として、学会の理事会や役員は、研究会や支部会の活動のためにサポートを必要とされれば積極的に行うべきであるが、継続性をもつ類いのイベント活動は、学会本体の主要活動として認定するのに慎重であるべきだと考えています。
(3) 国や他学会の動向の調査
理事会の機能として、国の学術予算の動向を調査する他、国からのパブリックコメントが募集された場合に、学会が積極的にコメントを発するべきであると考えています。これらは会員が個人で行うには負担が大きいですが、理事会ならば資料等を継続的に管理することが可能で、求められた時に適切な意見を国や国民に、発信する準備が整えられると考えています。このような調査機能を理事会にもたせたいと考えています。長期的にみればこのような活動は、この分野の科学研究費の細目やキーワード、項目などが拡充されることにもつながり、会員の研究活動の充実にもつながると考えています。
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以上の3つを基本的な考えとし、年会を含む学会活動の活発化にむけた取り組みのため、2011-2012年の理事会においていくつかの提言をしてきました。