第5回岩手医療情報研究会開催報告
第5回岩手医療情報研究会開催報告
【開催報告】第5回岩手医療情報研究会
テーマ 医療安全と医療情報システムの関係を考える
日時 令和元年12月7日(土) 13:00~17:45
場所 岩手県立中央病院 4階大ホール
参加人数 120名
内容 教育講演2題 一般演題5題 特別講演1題
寒さも厳しい中、県内外より多くの方に駆けつけていただき厚く御礼申し上げます。
今回は、医療安全と医療情報システムの関係を考えるをテーマとし、看護分野を中心とした実際の臨床の場における医療情報システムの有益な利活用についての講演や、
システムを構築する上での留意点、教育についてなどの内容を企画致しました。
当研究会も発足より丸4年が経過し、この度第5回の研究会を開催することが出来ました。世話人一同より皆様に感謝申し上げます。そしてこれからも皆様の役立つ情報
を提供できるように取り組んで参りますので、今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。
講演内容ダイジェスト ※氏名は敬称略
教育講演1 医療現場における医療情報教育と医療情報技師
盛岡赤十字病院 厚谷 祥一
医療情報システムを臨床の場でより良く利活用する方法を実際の事例を交えお話し頂いた。また、情報システムを利用する上での留意点等を利用者に教育することの
必要性と、教育についての医療情報技師の関わりについてもお話しいただいた。
教育講演2 医療安全とシステムの活用
秋田大学医学部附属病院 看護部 小松 千賀子
PDA端末を使用した患者オーダー認証の取り組みについて、システム内容や実際の導入前後のインシデント件数等を提示していただきお話しいただいた。また、身体拘束
について、スコアシートの電子化により多職種間での共有とカンファレンスが増え、実際に身体拘束の低減につながった取り組みについてお話しいただいた。
一般演題 テーマ 医療安全と情報システム
演題1 岩手県立釜石病院 看護部 坪井 忠和
患者情報を正確・確実に記録するために、スマートフォンを活用したシステムを構築し、また構築する際にはしっかりとユーザー目線で機器選定と仕様決定を行ない運用
に活用しているこれまでの取り組みを発表していただいた。
演題2 岩手県立磐井病院 看護部 佐藤 加代子
第2回研究会で発表していただいた救急トリアージシステムをさらに改良し、個々の暗黙知・経験値に頼らない形式知として生命の安全確保につながるシステムと運用に
ついて発表していただいた。
演題3 岩手県立中央病院 医療安全管理部 浅沼 真奈美
インシデント報告システムを活用した、事例の詳細分析と対策について。また、医療安全面での電子カルテ機能の活用と部門システムとの連携の課題について発表して
いただいた。
演題4 岩手県立大学 看護学部 遠藤 良仁
教育現場より、臨床現場で活かせる知識の習得方法で、eラーニングを活用した教育手法とその成果について発表していただいた。
演題5 岩手医科大学附属病院 医療安全学講座 秋山 直美
インシデント項目に情報関連項目を追加した取り組みについて。また、画像診断報告書の未確認防止に向けたシステムの構築と運用について発表していただいた。
特別講演 深層学習を用いた転倒・転落予測システムの開発
弘前大学医学部附属病院 医療情報部 部長 佐々木 賀広 先生
日本医師会総合政策研究機構の転倒・転落防止マニュアルにおいて作成されたアセスメントスコアシートのチェック項目の定量化を行い、そのデータを元に深層学習により
予測するシステムの開発について、深層学習のデータ解析手法について順を追って説明いただいた。また転倒・転落予測システムプログラムの実演もしていただき、深層学習のデータ解析の一端をわかりやすくご講演いただいた。