第4回岩手医療情報研究会開催報告

【開催報告】第4回医療情報研究会


テーマ :システムリプレイスと標準化を考える

日時 :平成30年12月1日(土) 13:00-18:10

会場 :岩手県立中央病院 4階大ホール

参加人数 :142名

内容 :教育講演、講演5題、特別講演

雪のちらつくお足元の悪い中、県内外から多数参加いただき厚く御礼申し上げます。

今回は、システム更新や新規導入にあたって検討・注意すべきこと、今後の標準化の動向などを

踏まえてどう進めていけばよいかなど、さまざまな施設・ベンダから取組事例などを報告してもらい、

今後の参考・検討材料としていただけるよう企画しました。

今後も様々なテーマに取り組み、より役立つ情報を提供できるよう取り組んで参ります。

世話人一同

講演内容ダイジェスト ※氏名は敬称略

教育講演 「医療情報システムとミドルウェアの可能性」

株式会社インターシステムズジャパン 南部 茂樹

データの資産化・重要性をより重視し、特定のベンダやシステムにとらわれない基盤としての整備

(ミドルウェア)の考え方を提唱。国内外の活用状況・導入事例などを紹介した。

指定演題 システムリプレイスを考える

演題1 NEC 医療ソリューション事業部門 二川 康秀

リプレイスを行う際の重要事項としてデータ移行の作業例を説明。電子カルテの標準化に向けた

取り組みとして、AMED事業であるクリニカルパス標準データモデルの開発について報告。標準化

の先にある姿としてAI技術や精緻なデータがとれる仕組み・二次利用する仕組みなどを説明した。

演題2 株式会社ワイズマン 医療開発1課 熊谷 孝

日本全国の中小規模病院を対象とした豊富なシステム移行事例を例示。自社から他社、他社から自社

など各事例での対応内容やデータ移行にかかる具体的作業、作業期間などを詳細に報告した。

演題3 大学病院電子カルテ 岩手医科大学付属病院 齊藤 匡俊

昨年度実施した電子カルテ更新について、採用するシステムの検討プロセスから導入までの対応内容、

移行作業中の風景、移行後のフォロー事例などを説明した。

演題4 手術支援システム 岩手県立久慈病院 岩﨑 孝思

導入している手術支援システムの機能紹介と実際使用してみてわかった良い点、悪い点を例示し、併せて

課題と対応について説明した。

演題5 病理支援システム 盛岡赤十字病院 浅沼 匡介

病理検査の流れとシステム変更前・変更後の変更ポイント、使用感や変更する際のポイントなどを説明。

県内の病理医の状況なども併せて報告した。

特別講演 「電子カルテ時代における病院情報システムのリプレースを考える」

秋田大学 総括副学長・情報統括センター長 近藤 克幸

秋田大で自身が担当したHIS更新やインシデント対策としてシステムを導入した事例などをもとに、取り組んだ内容

やその結果などを紹介。電子化で得たメリットの反面、電子化に伴うコミュニケーション不足を原因とするインシデ

ントの回避は課題の一つで、解決策の重要な一つとしてワークフローの明確化(とそこに至るまでの関係各所の綿密

な業務の摺り合わせ)などが挙げられた。


以上