第1回岩手医療情報研究会開催報告

第1回岩手医療情報研究会


開催日時 :平成27年12月5日(土) 13:30~17:30

会場 :岩手県立中央病院 4階大ホール

参加者数 :101名(医師4、看護2、事務9、検査9、放射線45、ベンダ32)

研修内容: 一般演題3題、技術講演1、シンポジウム1、特別講演1


記念すべき第1回岩手医療情報研究会を開催しましたので下記のとおり報告します。

前日から激しい吹雪に見舞われ、参加者の減少が危惧されましたが、心配も杞憂に終わり、予想をはるかに上回る101名の方にご参加いただきました。開催に先立ち、代表世話人乳井健より、開会挨拶として本研究会発足の経緯と多職種参加型の活動を目指したいとする抱負を述べました。第1回目の研究会は、日常業務に活かせる内容から最新の技術や話題まで幅広く学ぶことができ、いずれの発表・講演も各部門の業務と医療情報が密接に関わっていることを再認識した内容で、大変有意義な会として無事終えることができました。

ご講演くださった先生方、参加された皆様にこの場をお借りしましてお礼申し上げます。

今後も継続して活動していきたいと思いますので、皆様今後ともご協力をお願いいたします。

                              世話人一同

【研修内容ダイジェスト】氏名は敬称略 ※氏名の*付は共同研究者

1.一般演題

演題1「医療情報技師と事務との関わり」(岩手県立中央病院 西野謙次:事務)

医療情報技師の定義と事務職との関わりについて。

演題2「ペーパーレス運用に伴う心電図検査の現状」(盛岡赤十字病院:菅原佑美・厚谷祥一*:検査・放射線)

心電図結果参照における専用ビューアとキャプチャによる汎用DICOMビューアの併用参照の有用性について。

演題3「IHE-PDI と当院の現状について」(岩手県立中央病院 武田大樹:放射線)

IHEが定めるPDIに準拠した医用画像をCD-Rなどの媒体に記録し運用することの重要性と、その認知度に関する調査報告、並びに自施設でのトラブルとその原因について。


2.技術講演

「PACS のクラウド化 ~クラウド化の課題と解決策及びその先に目指すこと」

(テクマトリックス株式会社 仙台営業所所長 南 鶴寿)

クラウド技術の紹介や既存の院内サーバ型PACSとのコスト比較、クラウドを実現するためにVPNを用いずにセキュリティを担保した通信方法や、検査予約・結果レポートシステムといった地域連携を円滑に行えるような技術について紹介。


3.シンポジウム(テーマ:「高精細モニタ精度管理」)

ベンダからガイドラインの紹介と精度管理方法について、ユーザから実際の運用方法について報告。

・メーカー報告 「医用画像表示用モニタの品質管理について」(EIZO株式会社 井上 航)

「JESRAガイドライン 」の紹介と精度管理方法の詳細について。

・ユーザ報告1 「高精細モニタ精度管理運用報告」(岩手県立中央病院 滝村昂大:放射線)

使用時間と輝度劣化の関係や、実施した際の苦労点、交換が必要な場合でもモニタがすぐに購入できない現状などについて。

・ユーザ報告2 「高精細モニタ精度管理運用報告」(盛岡赤十字病院 米澤好未・厚谷祥一*:放射線)

精度管理を行う意義として、モニタの平均点灯時間の病棟外来比較や、最終出力先である参照モニタだけでなく、検像を意識したモダリティのモニタにも配慮が必要であることなど。

※時間の都合上、ディスカッションを制限しましたが、参加施設の多くが精度管理を実施していることや、技術的な内容だけでなく管理を始めたきっかけや管理側の苦労と本音にも触れることができました。


4.特別講演

「液晶モニタのガイドラインについてなど」(岩手県立中央病院 副院長 佐々木康夫)

「デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン3.0版(案)」 の解説。各部位や症例ごとのデータベースを用いた読影診断補助の正診率などについての紹介。今後の課題として医療ビッグデータの二次利用しやすい形で保存し、取り扱うことの必要性について説明。


以上

【代表世話人 乳井健 挨拶】

【世話人挨拶】