第4回ナイトセミナー開催報告
第4回ナイトセミナー開催報告
【開催報告】第4回ナイトセミナー
テーマ 連携標準規格を考える〜HL7からFHIRまで〜
日時 令和元年10月25日(金)19時00分~21時15分
場所 岩手県情報交流センターアイーナ 803会議室
参加人数 53名
研修内容 講演2題
共催 FHIR研究会[日本医療情報学会課題研究会]
後援 日本医療情報学会東北支部会 日本医用画像情報専門技師会
元号も令和に変わり、医療の標準化をさらに推進する大きな進化が起きようとしています。それが今回、本研究会相談役の田中医師よりご提案いただいた「FHIR」(ファイアー)です。
これまで医療情報の標準化は、HL7、CDA、DICOM、SS-MIXおよびSS-MIX2等のデータ形式で進められてきました。しかし、AIの登場やIoTの発展に伴い急速に増大するニーズに対応することが求められてきています。そこで今、FHIRが従来の規格を活かしながらもさらに拡張性を持つ後継規格として着目されています。
今回のナイトセミナーでは、日本医療情報学会課題研究会のFHIR研究会(代表 中山雅晴先生<東北大学大学院医学系研究科>)と共催で、国内で第一人者の講師陣をお招きし最新の動向を基本から学ぶ貴重な機会が得られました。
最後に、度重なる台風の襲来や大雨で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げるとともに、現地で救護活動や復興にご尽力されている皆様に敬意を表します。被災された皆様が一日も早く平常の生活に戻ることができますよう、世話人一同お祈り申し上げます。
講演1[ダイジェスト]
「HL7 FHIRのご紹介〜Resource/Profileから実装例まで〜
インターシステムズジャパン株式会社セールスエンジニア 上中進太郎 先生
FHIRとは、Web通信の一般的技術であるRESTを使用して、可読性が高く取り扱いがし易いJSON/XML形式のデータの集合(=リソース)をやり取りする短期間で実装可能な医療情報交換標準規格(上中先生のご講演より)。これまでA社、B社間でデータの中身が違っていてもFHIRを用いることによって相互乗り入れが可能となる新しい規格とのことです。しかも、現在の情報通信環境(モバイル・Web・クラウド…etc)にも対応しているとのこと。上中先生には、FHIRの定義、利点、4つのパラダイムをはじめ、丁寧にご紹介いただきました。
講演2[ダイジェスト]
「連携標準規格を考える〜HL7 2.xからFHIRまで〜
国立保健医療科学院 統括研究官(保健医療情報管理研究分野) 木村映善 先生
初めに学術的な立場から「医療情報学」の定義の説明と先生の学問的追求のモチベーションとなっている原点についてお話されました。そして、今日に至る医療機器が医療安全や臨床判断支援へどのように貢献してきたか、これまでの思考や技術の限界と発想の転換およびFHIRの可能性について、インパクトを与えた政治的イベントやIT企業等の動向の歴史と関連させて詳細にご説明いただきました。
最後に、「FHIRは新しいチャレンジです。東北の地で一緒にFHIRに取り組んでみましょう」と中山先生からメッセージをいただきました。今後、本研究会でも関係機関と連携しながら継続して情報提供に取り組んでいきたいと考えています。