非シナプス的相互作用によるメタ可塑性・恒常性維持メカニズムの解明
2017/9/19 更新

 私は、神経回路ネットワークの非シナプス的相互作用 (Non-synaptic interaction)に着目した研究を行なっています。
具体的には
細胞外電場、イオン組成、グリア細胞、CSF循環、拡散伝達などによる
細胞外空間を介したメタ可塑性・恒常性維持のメカニズムについて研究しています。

 メタ可塑性・
恒常性維持
ということを考える上で、特に、脳内では脇役と考えられてきたグリア細胞の1種である「アストロサイト」の働きに関心があり、脳の機能やこころの問題、病態の理解や創薬の可能性を考える上で、アストロサイトの関与は無視してもよいかどうかを見極めたいと考えています。

 アストロサイトは電気的応答が微弱なため、従来の電気生理学的な測定法ではその活動が見逃されてきた可能性があります。
一方、生体脳でアストロサイトが細胞内カルシウム(Ca2+)濃度をダイナミックに変動させて、脳の情報処理に積極的に関与しているという傍証がいくつも見つかってきています。
またアストロサイトは脳内の恒常性維持を担っており、血管とニューロンのインターフェースとして働いているため、創薬のターゲットとしての可能性を秘めています。 

尾刺激で活性化するアストロサイト (生体脳・二光子励起顕微鏡による観測)

ウレタン麻酔下、G7NG817遺伝子改変マウス (Monai et al., 2016, 後述)に尾刺激を与えた結果、Gタンパク質共役受容体 (GPCR)が刺激され、アストロサイトの細胞内Ca2+が上昇する。体性感覚野、深さ400 ミクロン。(左):刺激前、アストロサイトをSR101を用いて赤で染色した。(中):刺激中の様子。黄色く明るい複雑な形態の細胞がアストロサイト。(右) 刺激後の様子。活性状態は100秒ほど続き、その後元に戻る。

目次

  1. 1 NEW2017年9月17日 第26回日本バイオイメージング学会においてベストイメージング賞を受賞しました。
  2. 2 2017年9月16-17日 第26回日本バイオイメージング学会 学術集会@東京薬科大学でポスター発表しました。
  3. 3 2017年8月28日 新しい総説論文がNeuroscience Researchに採択されました。
  4. 4 2017年8月28日 理研広報誌 RIKEN 2017年度 (p. 41)に理研BSIを代表して我々の研究成果が掲載されています。
  5. 5 2017年8月1日 理研バイオリソースセンター(BRC)の「今月のマウス (Mouse of the month)」にGLT1-G-CaMP7 817系統遺伝子改変マウス (G7NG817)が掲載されています。
  6. 6 2017年7月24日 東京工業大学 情報理工学院 知能情報コース 「生命システムデザイン」 で講義を行いました。
  7. 7 2017年7月20-21日 日本神経科学大会@幕張メッセでポスター発表しました。
  8. 8 2017年6月22日共同研究論文が理研のプレスリリースに掲載されました。
  9. 9 2017年6月21日共同研究論文がScience Advancesに掲載されました。
  10. 10 2017年4月25日 新学術領域「グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態」Young GliaのウェブサイトにてUniv. of Rochester (Maiken Nedergaard研)訪問の様子が紹介されています。
  11. 11 2017年4月19日 理研研究奨励賞の受賞報告が理研BSIのウェブサイトに掲載されました。
  12. 12 2017年3月25日 日本薬学会第137年会 (仙台)でシンポジウムに登壇しました。
  13. 13 2017年3月22日 Monai et al., 2016, Nat Comm. の一年間での被引用数は19件、閲覧数は12,623件、社会的影響度 Altmetric scoreは201でした。
  14. 14 2017年3月15日 理研研究奨励賞を受賞しました。
  15. 15 2017年3月14日 ニューロコンピューティング研究会(NC)@機械振興会館で口頭発表しました。
  16. 16 2017年1月13日 私たちの研究がNYC Neuromodulation 2017 in ニューヨークで発表されました。
  17. 17 2016年12月20日 新学術領域「グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態」 Young Glia トラベルアワードに採択されました。
  18. 18 2016年12月10日 私たちの研究が理研BSI 創立20周年特設サイトで特集されています。
  19. 19 2016年11月13日 北米神経科学学会 (SfN) in サンディエゴでポスター発表しました。
  20. 20 2016年9月30日 新しいcommentary論文がNeurogenesisに掲載されました (Open access)。
  21. 21 2016年9月16日 RIKEN BSI リトリート内でYoung investigators’ talksに選出され、発表しました。
  22. 22 2016年9月10日 6th International Conference on Transcranial Brain Stimulation 2016 in Göttingenでポスター発表しました。
  23. 23 2016年9月5日 私たちの研究が理研ニュース 9月号で特集されました。
  24. 24 2016年7月25日 東京工業大学 情報理工学院 知能情報コース 「生命システムデザイン」 で講義を行いました。
  25. 25 2016年7月20日 第39回 日本神経科学大会 (パシフィコ横浜)でポスター発表しました。
  26. 26 2016年7月10日 日本評論社 こころの科学増刊 「ここまでわかった! 脳とこころ」に寄稿した文書が掲載されました。
  27. 27 2016年6月30日 私たちの研究がRIKEN Research Summer issueで紹介されました (英語)。
  28. 28 2016年6月2日 私たちの論文がNature Communicationsおすすめのコンテンツで紹介されました。
  29. 29 2016年4月13日 日本神経科学学会HP 神経科学トッピクスに掲載されました。
  30. 30 2016年3月29日 私たちの研究が英国の科学雑誌「New Scientist」で紹介されました。
  31. 31 2016年3月22日 新しい論文がNature Communicationsに掲載されました。
  32. 32 2016年3月12日 宮川教授退職記念シンポジウム「脳神経機能学のフロンティア」に登壇しました。
  33. 33 2016年3月7日 新学術領域「グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態」のニュースレターvol.4に学会参加記が掲載されました。


 News

NEW2017年9月17日 第26回日本バイオイメージング学会においてベストイメージング賞を受賞しました。

  • 浜ホト賞 (浜松ホトニクス)
    毛内 拡, 岩井 陽一, 平瀬 肇
    BAC-GLT-1-G-CaMP7 #817 系統 (G7NG817)遺伝子改変マウスによる経頭蓋マクロイメージングとその応用 

  • ニコン賞 (Nikon)
    北村瞭次, 毛内 拡, 山口和志, 川上良介, 上 喜裕, 岡咲賢哉, 濱 裕, 平瀬 肇, 根本知己, 宮脇敦史
    In vivo イメージングの改善のための最適な観察条件の探索

2017年9月16-17日 第26回日本バイオイメージング学会 学術集会@東京薬科大学でポスター発表しました。

  • P29
    毛内  拡岩井  陽一, 平瀬  肇
    BAC-GLT-1-G-CaMP7 #817 系統  (G7NG817)遺伝子改変マウスによる経頭蓋マクロイメージングとその応用 

  • P31
    北村瞭次, 毛内 拡, 山口和志, 川上良介, 上 喜裕, 岡咲賢哉, 濱 裕, 平瀬 肇, 根本知己, 宮脇敦史
    In vivo イメージングの改善のための最適な観察条件の探索 

2017年8月28日 新しい総説論文がNeuroscience Researchに採択されました。

  • Monai H, Hirase H
    Astrocytes as a target of transcranial direct current stimulation (tDCS) to treat depression
    Neuroscience Research (2018, in press) DOI: in press

2017年8月28日 理研広報誌 RIKEN 2017年度 (p. 41)に理研BSIを代表して我々の研究成果が掲載されています。

  • 神経細胞やグリア細胞の相互作用を解析

2017年8月1日 理研バイオリソースセンター(BRC)の「今月のマウス (Mouse of the month)」にGLT1-G-CaMP7 817系統遺伝子改変マウス (G7NG817)が掲載されています。

  • Mouse of the Month」は、理研BRCに寄託されたマウスの中から、特に優れたマウス系統・話題のマウス系統をとりあげて紹介する企画です。

2017年7月24日 東京工業大学 情報理工学院 知能情報コース 「生命システムデザイン」 で講義を行いました。

  • Brain stimulation can make you smarter? (英語による講義、90分)

2017年7月20-21日 日本神経科学大会@幕張メッセでポスター発表しました。

2017年6月22日共同研究論文が理研のプレスリリースに掲載されました。

  • 発達期のセロトニンが自閉症に重要-脳内セロトニンを回復させることで症状が改善-

2017年6月21日共同研究論文がScience Advancesに掲載されました。

  • N. Nakai, M. Nagano, F. Saitow, Y. Watanabe, Y. Kawamura, A. Kawamoto, K. Tamada, H. Mizuma, H. Onoe, Y. Watanabe, H. Monai, H. Hirase, J. Nakatani, H. Inagaki, T. Kawada, T. Miyazaki, M. Watanabe, Y. Sato, S. Okabe, K. Kitamura, M. Kano, K. Hashimoto, H. Suzuki and T. Takumi, Serotonin rebalances cortical tuning and behavior linked to autism symptoms in 15q11-13 CNV mice, 2017 Jun 21, Science Advances, Vol. 3, no. 6, e1603001,

2017年4月25日 新学術領域「グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態」Young GliaのウェブサイトにてUniv. of Rochester (Maiken Nedergaard研)訪問の様子が紹介されています。

2017年4月19日 理研研究奨励賞の受賞報告が理研BSIのウェブサイトに掲載されました。


2017年3月25日 日本薬学会第137年会 (仙台)でシンポジウムに登壇しました。

2017年3月22日 Monai et al., 2016, Nat Comm. の一年間での被引用数は19件、閲覧数は12,623件、社会的影響度 Altmetric scoreは201でした。

2017年3月15日 理研研究奨励賞を受賞しました。

全理研共通の理念のもと、活発な研究活動もしくは研究支援活動を行い、優れた研究成果及び顕著な貢献のあった40歳未満の若手の研究者及び技術者に対する 功績をたたえることを目的に研究奨励賞・技術奨励賞の授与を行っています。

"Gliogenic mechanism of transcranial DC stimulation (tDCS)"


2017年3月14日 ニューロコンピューティング研究会(NC)@機械振興会館で口頭発表しました。

  • 生体脳イメージングのための球面収差補正システムの開発 ○上 喜裕(オリンパス/理研)・毛内 拡(理研)・樋口香織・西脇大介・田島鉄也・岡咲賢哉(オリンパス/理研)・濱 裕・平瀬 肇・宮脇敦史(理研)
  • 球面収差補正システムを用いた生体脳の屈折率推定 ○毛内 拡(理研)・上 喜裕・樋口香織・西脇大介・田島鉄也・岡咲賢哉(オリンパス/理研)・濱 裕・平瀬 肇・宮脇敦史(理研)

2017年1月13日 私たちの研究がNYC Neuromodulation 2017 in ニューヨークで発表されました。

  • Abstract #7: Hajime Hirase, Hiromu MonaitDCS metaplasticity and astrocytic calcium in mice
  • Abstract #15: Tsuneko Mishima, Yuki Oe, Hiromu Monai, Hajime Hirase, Transcranial Direct Current Stimulation Alters Microglial Morphology in Mice

2016年12月20日 新学術領域「グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態」 Young Glia トラベルアワードに採択されました。

2016年12月10日 私たちの研究が理研BSI 創立20周年特設サイトで特集されています。

2016年11月13日 北米神経科学学会 (SfN) in サンディエゴでポスター発表しました。

  • 128.24 / G48 - Recovery from cortical spreading depression by systemic administration of noradrenaline (norepinepherine) blockers

2016年9月30日 新しいcommentary論文がNeurogenesisに掲載されました (Open access)。









2016年9月16日 RIKEN BSI リトリート内でYoung investigators’ talksに選出され、発表しました。


2016年9月10日 6th International Conference on Transcranial Brain Stimulation 2016 in Göttingenでポスター発表しました。

  • P306 Calcium imaging reveals glial involvement in transcranial direct current stimulation-induced plasticity in mouse brain 

2016年9月5日 私たちの研究が理研ニュース 9月号で特集されました。

2016年7月25日 東京工業大学 情報理工学院 知能情報コース 「生命システムデザイン」 で講義を行いました。

  • Brain stimulation can make you smarter? (英語による講義、90分) 

2016年7月20日 第39回 日本神経科学大会 (パシフィコ横浜)でポスター発表しました。

  • P1-092 16:00~16:50 Calcium imaging reveals glial involvement in transcranial direct current stimulation (tDCS)-induced plasticity

2016年7月10日 日本評論社 こころの科学増刊 「ここまでわかった! 脳とこころ」に寄稿した文書が掲載されました。

  • 脳に電気を流すと頭がよくなる?――グリア細胞の意外な働き……毛内 拡、平瀬 肇

2016年6月30日 私たちの研究がRIKEN Research Summer issueで紹介されました (英語)。

2016年6月2日 私たちの論文がNature Communicationsおすすめのコンテンツで紹介されました。

2016年4月13日 日本神経科学学会HP 神経科学トッピクスに掲載されました。

2016年3月29日 私たちの研究が英国の科学雑誌「New Scientist」で紹介されました。

2016年3月22日 新しい論文がNature Communicationsに掲載されました。


Calcium imaging reveals glial involvement in transcranial direct current stimulation-induced plasticity in mouse brain

プレスリリース
「微弱な電気刺激が脳を活性化する仕組みを解明-ノルアドレナリンを介したアストロサイトの活動が鍵-」
http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160322_1/

Calcium waves in the brain alleviate depressive behavior in mice
http://www.riken.jp/en/pr/press/2016/20160322_1/



2016年3月12日 宮川教授退職記念シンポジウム「脳神経機能学のフロンティア」に登壇しました。


2016年3月7日 新学術領域「グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態」のニュースレターvol.4に学会参加記が掲載されました。