四段審査論文Ⅰ

「合気道の稽古で得たもの」

 宮崎合気道会生目台道場 鬼塚直行

 入会してから15年になろうとしています。合気道の稽古を通じてよく感じることは生活に張りがあることと、何事にも前向きに考えるようになったことです。

 丁度、14年前の今頃、職場の階段を4階まで上りきるころには息が上がってしまうことがしばしばあり、何か運動をしないとこのまま年を取ってなにもできなくなるのではないかと、体力に不安を感じ始めていました。始めるなら武道がいい、強くなれるし、健康も維持できる。その頃、よく通う食堂のレジの下に貼ってあった、合気道会員募集という広告を目にしました。もともと武道に興味があったこともあり、これならできそうという気がして、さっそく電話したところ、その道場は不在でした。電話帳で他の道場に片っ端から電話したところで現在の道場につながり、さっそく見学をして、入会することとなりました。

 稽古は、準備運動を入れて1時間30分。慣れない動きで背筋が痛くなり、続けていくことができるのかなと思いました。始めて2か月たったころ、先生から7級の審査を勧められ、その時、級と段位があることを知りました。

  「取り」と「受け」の形、聞いたことのない技の名称にとまどいながら稽古をしました。7級をいただいたときの感激は忘れません。やればできるのだと思いました。それからは、合気道の稽古が中心に生活が回り始めたような気がしています。大きなけがもなく、本当に楽しく一所懸命、稽古に励みました。特に家での柔軟体操は毎日欠かしません。

職場でいやなことがあったり、気持ちが沈んでいる時でも、稽古をしている間は忘れることができます。稽古の後は爽快感と充実感で、くよくよせず頑張ろう、とやる気が出てくる繰り返しです。

 平成15年7月初段をいただいたときは家族でもお祝いをしてくれました。

 このように合気道で培った生活習慣や前向きな気の持ち方が、フルマラソンの完走や電気関係の国家試験(職業関連)の合格につながったと思っています。

 こんな素晴らしい武道にめぐりあえたことを幸運に思い、指導いただいた先生、諸先輩、会員の方々に心から感謝したいと思います。今後とも微力ながら合気道の発展に貢献していきたいと思います。