開催予定

☆次回研究会のお知らせ

     研究会にお越しの際、会員の皆様の論文等抜刷りをお持ちいただければ幸いです 。


☆2024年度の研究会予定日は以下の通りです。


第118回   2024年8月2日(金)14:00~ 対面開催   (中世英文学テクスト研究所協力)

     @明治大学和泉キャンパス      ラーニングスクエア  LS403教室

研究発表    

 「回帰するギフト — Sir Clegesにおける贈与行為の循環」

         福岡里桜(慶應義塾大学大学院)

     本発表では、15世紀後半のMS Advocates 19.1.11 (エディンバラ写本)とMS Ashmole 61(オックスフォード写本)に収録されたロマンス作品Sir Clegesを対象としながら、文化人類学者Marcel Maussが提唱した贈与論を援用することで作中に描かれる贈与交換を分析し、階級ごとに行われる交換行為の性質の違いを明らかにする。本発表においては作中に描かれる交換行為を慈善的交換、封建関係に基づく交換、暴力的交換の3つに分類する。このロマンスは連続する交換行為によって進行しており、それぞれの交換行為の例を作品のプロットに沿って挙げるならば、クレジェス卿の慈善行為や敬虔な信仰の態度とそれに呼応するかのように与えられる奇跡的な神の恵み(慈善的交換)、それを領主への献上品として利用して見返りを求める互恵関係を前提とした贈与行為(封建関係に基づく交換)、そして利己的な金銭の要求と暴力行為による報復(暴力的交換)、の3つとなる。このように作中で逐次的に発生する贈与行為に注目することで、従来のようにSir Clegesを宗教説話とファブリオの融合作品としてみなすような形式的な解釈では説明しきれなかった、神による救済が物語にもたらす宗教的教訓と封建的主従関係に基づいて行われる実際的な救済方法との間の隔たりについて、より系統立てた理解が可能となる。

 

第119回   2024年10月


第120回   2025年1月


第121回   2025年3月

      



☆2023年度の研究会予定日は以下の通りです。

第114回 2023年7月29日(土)オンライン開催

    『アストロラーベ』読書会(1)

読書会 2023年9月30日(土)オンライン開催

    『アストロラーベ』読書会(2)

第115回 2023年10月28日(土) @日本大学

    「中世イギリスの歌曲」

      歌 大森彩加氏 / 歌・ハープ 小坂理江氏

読書会 2023年11月

     『アストロラーベ』読書会(

第116回 2024年1月20日(土)14:00~ @日本大学 7号館 7041教室

    1 「The Awntyrs off Arthure における狩猟の場面」

       発表 貝塚泰幸

【発表要旨】 The Awntyrs off Arthureの狩猟の場面は中世の伝統に基づく文学モチーフとは異なる特徴を備えている。この狩猟の場面は、狩りの獲物に読者の視点を向ける描写や禁猟期間を表す専門的表現が用いられている点で Gawain and the Green Knight との類似性を見出すことができるうえに、他の作品に見られる狩猟の場面と同様に伝統的に "memento mori" の主題を象徴しているとも考えられている。しかしこれは校訂されたテキストと編集者の意図が介在することで下された評価であり、校訂本が狩猟の場面の正当な評価を妨げているとも言える。これまで出版された校訂本だけではなく活字化されていない原典を再検証することでこの狩猟の場面が表している死の主題とは別の、苦悶するグウェネヴィア王妃の母親がガウェインに警告する帝国主義的アーサー王政権の姿を象徴していることを論証したい。


 2 「チョーサーの時代の音楽:演奏と解説」(仮題)

歌/ハープ 小坂理江

  歌      大森彩加

解説   チョーサー研究会会員



第117回 2024年3月



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