精神保健福祉士

 「精神保健福祉士」になるためには、受験資格を取得して、毎年1回行われる国家試験に合格しなければなりません。
 この資格の課程を履修できるのは、健康福祉学群精神保健福祉学専攻の学生に限られます。

 (注)社会福祉学専攻の学生は、一定の要件を満たし、選考された場合に限り、履修が可能


精神保健福祉士の資格制度の目的

 我が国の精神保健福祉の現状については、精神障害者の長期入院やいわゆる社会的入院の問題等が指摘されており、精神障害者の社会復帰を促進し、地域生活を支援することが緊急の課題となっています。
 このため、精神障害者が社会復帰を果たす上で障害となっている諸問題の解決を図る必要があり、相談援助にたずさわる人材の養成・確保を図るため精神保健福祉士の資格制度が創設されました。

精神保健福祉士の業務内容

 「精神保健福祉士」は、精神障害者の保健及び福祉に関する専門知識や技能をもって、精神科病院その他の医療機関、障害福祉サービス事業所、福祉行政機関等において、精神障害者の社会復帰・社会参加のための支援を行う専門職です。その主な業務には、精神障害者の①療養中の相談援助、②福祉サービスの活用等により地域生活を支援するための相談、助言、指導、③日常生活への適応のために必要な訓練などがあります。また、近年、司法・教育・産業などの幅広い分野において、精神保健福祉の課題に取り組む役割も期待されています。

精神保健福祉士の国家試験の受験資格を取得するための要件

 本学の健康福祉学群では、国家試験の受験資格を得るために、「精神保健福祉士法」第7条第1号の規定に基づいて、下記の別表の通り指定科目33科目を国家試験は演習・実習以外の全科目から出題されます。すべてを修得しておくことが必要です。

履修上の注意  

 履修にあたっては、履修年次や先修条件に特に注意してください。精神保健福祉士の国家資格を取得する場合、1年次には「精神保健福祉の原理Ⅰ」、「精神保健福祉の原理Ⅱ」「精神医学Ⅰ」の履修が必要です。

また、「精神保健福祉の原理Ⅰ」、「精神保健福祉の原理Ⅱ」、「精神医学Ⅰ」、「精神医学Ⅱ」、「ソーシャルワークの理論と方法Ⅰ」の5科目すべてを2年次春学期までに修得しておかなければ、2年次秋学期の「ソーシャルワーク演習(精神保健)」および「精神保健福祉実習指導Ⅰ」の履修ができません。これらの演習と実習指導の科目は、履修者の上限を20名とし、2年次春学期までの履修状況、成績等を総合的に判断し、選考を行うことがあります。 

2年次秋学期に「精神保健福祉実習指導Ⅰ」を終えた後、3年次で「精神保健福祉実習指導Ⅱ」に進み、1回目の施設での配属実習を行います。この科目は、「精神保健福祉現場実習 I」として登録します。2度目の配属実習は「精神保健福祉現場実習Ⅱ」として、4年次の「精神保健福祉実習指導Ⅲ」と同時に履修登録を行うことになります。このように精神科医療機関や障害福祉サービス事業所などでの実習が資格取得には必須なので、「精神保健福祉士」になるという目的意識を明確に持ち、学修を計画的に進めていくことが望まれます。こうした履修上の重要事項については、入学時や各学期始めのオリエンテーションで説明するので、情報収集に留意し、不明な点は教員に確認してください。なお、社会福祉学を専攻し、社会福祉士に加えて精神保健福祉士も併せて取得を目指す場合には、履修科目や成績の基準を満たす必要があります。1年次から精神保健福祉学専攻の教員にも相談し、履修計画を綿密に立ててください。

精神保健福祉士_科目表_2021年10月13日変更.pdf