当研究室では、アシストスーツを始め様々な身体負担軽減デバイスを開発しています。
近年では、ロボット等の導入により、様々な工程の自動化進んでいます。しかし、ロボット等の導入が難しく、いまだに人力で負担の大きな作業を行う場面があります。そういった場面で人間をアシストしたり、身体負担を軽減できるデバイスの開発に取り組んでいます。アクチュエータとして当研究室で開発された軸方向繊維強化型人工筋肉を利用したものやMR流体を使用したもの、動力源を使用しないパッシブなアシスト装置など、目的に応じた様々な種類の装置を開発しています。
特に、人工筋肉を使用したアシストスーツは、従来のアシスト装置よりも軽量で柔軟性が高いという特徴を持ちながら、大きなアシスト力が得られるような人間親和性の高いという特徴があります。
新機構の開発といった関連技術の基礎的な研究だけでなく、企業と共同研究を行い現場での検証にも力を入れています。
以下にその一部を紹介します。
家庭用LP ガスは,配送員が各設置場所へ高重量の容器(満充填時で約40kg)を運搬することで供給されています。LPガスの設置場所は多岐に渡ります。狭所や階段なども多く、設置場所の多くが人力でしか運搬ができません。また、重量物を取り扱うため、配送員への負担が大きく、また配送員の高齢化により、怪我のリスクが高まっています。そこで,LP ガス容器運搬作業の負担軽減が求められています。
当研究室では、LPガスメーカと共同でLPガス容器運搬時の負担を軽減する装置を開発しています。
キーワード:LPガス、運搬作業、サポート
従来のウェアラブルアシストシステムは、モータと減速機による高トルクなアクチュエータによって駆動されています。一方、人間の関節は拮抗配置された筋肉により、関節のトルクや角度だけでなく弾性や粘性も巧みに変化させながら駆動されています。そこで、人間の関節と同じ様に弾性や粘性を変化させながら、より人体親和性の高いアシストを行うことができるアシストデバイスの開発を目的に、研究を行っています。
可変粘弾性を実現するためのアクチュエータとして、空気圧人工筋肉とMR流体ブレーキを採用しています。これらのデバイスは軽量・高出力であり、バックドライブ性に優れています。また瞬発力や振動制御等の多様な出力形態が可能な、これまでに無い新規なアクチュエータシステムです。
本プロジェクトでは、合わせて、本システムのモバイル化のための携帯可能な小型軽量空圧源の開発と、脱着が容易かつ確実に力を伝達可能な装着方法の開発も行っています。
空気圧源の携帯化のチャレンジの歴史は以下の文献をご参照ください.