バイオロボティクス>
ダクト内清掃ロボット
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ダクト内清掃ロボット
飲食店の厨房などに設置されている換気ダクトは、長時間の使用により内側に油汚れが堆積します。油汚れが冷えて固まり埃などと一緒に固まってしまったものは、油塵(ゆじん)と呼ばれ、火災の原因とされています。このため、ダクトを定期的に清掃する必要があります。一般的に、ダクトは人力で清掃されています。人の手が入りずらい場所があったり、油塵がダクトに粘着してしまい擦り落とすのに大きな力が必要になるなどの問題がありました。
そこで、当研究室では、ダクト内の油塵が清掃可能なロボットを開発しています。
建物の天井裏などの狭所には大小さまざまな大きさ、また丸型や角型など多様な形状のダクトが設置され、屋内の換気に使用されています。特に厨房に設置されているダクトは長時間使用することで内側に油塵と呼ばれる油汚れが堆積します。この油塵に何らかの原因で引火すると火は油塵によってダクト全体に伝播するため、ダクト火災と呼ばれる大規模な火災につながる可能性があります。そこで、ダクトを定期的に清掃する必要があります。しかし、人力による清掃では、a) 小さいダクトは侵入が難しい、b) 狭所で大きな力を必要とする作業は作業者にとって危険が伴うことから、厨房ダクト内全域を清掃することが難しいです。
そこで私たちは,多様な形状・サイズのダクト内に堆積した油塵を除去することができる清掃装置の開発を通じて、ダクト火災の予防や清掃作業の省力化・自動化を目指しています。
研究背景・目的
現在、換気設備はビルや工場、住宅といった様々な建物に設置されており、外気導入と内気循環の役割を果たしている。換気設備にはダクトと呼ばれる配管が存在しダクトを通して空気が運ばれる。そのためダクト内にホコリなどが溜まると、それが空気と伴に屋内に送られてしまう。これは人間の健康に対して悪影響を及ぼし、アレルギーや喘息等の健康被害を引き起こす。これを防ぐためにダクトの清掃が行われている。
既存のダクト清掃には自走式ロボットや空気圧駆動の清掃器具などが用いられている。これらの清掃ツールをダクトの一端から挿入してホコリなどを落とし、他方に取り付けた集塵機で吸い取って清掃が行われている工場やビル等で用いられているダクトはサイズが大きく、湾曲部が少ないため、清掃は比較的容易である。しかし、住宅等で用いられているダクトはサイズが小さく、湾曲部が多いため完全に清掃できていない。
そこで、住宅換気設備のダクト管を清掃するロボットを開発している。