ドライブファイルストリームを利用する場合、ユーザーは以下4つのメリットを享受することができます。
① デバイスのディスク容量を圧迫しない
前述した通り、ドライブファイルストリームから参照されるファイルは実体ファイルではないため、ユーザーが利用するデバイスのディスク容量を圧迫する心配はありません。 Google Workspace Enterprise を契約している場合、ユーザーは容量無制限で Google ドライブのストレージを利用することができますが(※1)、ドライブファイルストリームは、 アクセスが要求された場合のみファイルがダウンロードされる仕組みであるため、例えば Google ドライブに累計1ペタバイトのファイルがあったとしても、問題なく運用することが可能です。
② 共有ドライブにも対応
Google ドライブファイルストリームは、 Google ドライブのマイドライブに加えて共有ドライブも手元のパソコンにマウントすることができます。ブラウザにアクセスすることなくドラッグ&ドロップの簡単な操作でデータを共有することができます。ただし、 共有ドライブは Google Workspace Business Starter では利用することができない機能であるため、利用する場合は Business または Enterprise エディションでの契約が必要です。
③ リアルタイムに共同編集が可能
ファイルサーバーでファイルを管理する場合、WordファイルやExcelファイルを複数のメンバーが同時に編集することで競合が発生し、自分が変更したものが他のメンバーによって上書きされたり誤って消されてしまうことがあります。 Google ドライブファイルストリームでは、WordやExcelを編集しているメンバーをリアルタイムで検出し、競合が発生するのを避けることできます。もちろん、ブラウザ上でも同様の共同編集機能は利用可能です。
④ 強固なセキュリティ
Google ドライブファイルストリームは、Google Workspace の管理コンソールからいつでも連携を解除することができます。パソコンを紛失したとしても、Google ドライブとの連携を解除することでセキュリティを担保することができます。また、データ本体はクラウド側に保管されているので、故障などでパソコンが利用不可能になってもデータは他の端末でアクセスすることができます。また、 Google ドライブファイルストリームでは全てのトラフィックが暗号化され、ホストの証明書によって不正なアクセスを検出することができるため、中間者攻撃などのセキュリティ上のリスクを防ぐことができます。
アプリケーションをインストールする
「ドライブ ファイル ストリームのスタートガイド」にアクセスし、「ドライブファイルストリームをダウンロードしてインストールする」をクリックします。クリックすると、Windows版もしくはMac版アプリケーションをダウンロードするためのボタンが表示されるので、環境に合わせてインストーラをダウンロードしてください。あとは、手順に従ってアプリケーションのインストールを行います。
ファイルストリームにログインする
アプリを起動し Google Workspace アカウントでログインします。ただし、前述した通り Google Workspace 以外のアカウントでは接続することができません。
ファイルストリームを開始する
ファイルストリームにログインすると、アプリケーションの説明ページが表示されます。一通りの説明を確認したら「 Google ドライブフォルダを開く」をクリックします。
クリックすると、Finderが表示され、左ペインで「 Google Drive 」がマウントされていることがわかります。また、私がログインに利用したアカウントが Google Workspace Enterprise であるため、「マイドライブ」と「共有ドライブ」の2つのフォルダが表示されています。これで、 ローカル環境から直接ファイルを追加したり編集したりすることができるようになりました。
インストールする際にもともとGドライブに割り当てているシステムがある場合は別のドライブが設定されます。
また、オフラインの場合には、Gドライブに[ドライブファイルストリーム]が上書きで割り当てられます。
最後にGoogleドライブにログインして[ドライブファイルストリーム]が有効になっているかを確認します。
Googleドライブでも[ドライブファイルストリーム]でも画面の左側は全く同じです。そのため右上のアイコンに注目してどのIDでログインしてるのかを確かめて使いましょう。
G SuiteのIDでログインした[ドライブファイルストリーム]の場合には、右側のアイコンに「G Suite」と表示されます。
[ドライブファイルストリーム]でよく使われる設定について紹介します。
通常のGoogle IDでも使える[バックアップと同期]の機能は、パソコン上のデータとGoogleドライブ上のデータを同期させているため、それぞれのストレージ容量を消費します。
G SuiteのIDがあれば、Gドライブにマウントされている[ドライブファイルストリーム]と[バックアップと同期]の両方の機能が使えます。
例えばオフライン時の使用頻度が高くそれほどデータ容量を必要としていない場合には[、ドライブファイルストリーム]と[バックアップと同期]を併用する方法もあります。
データの保存領域を[ドライブファイルストリーム]に切り替えることが、運用している中で出てくるでしょう。
その際、GoogleドライブをはじめDropbox、OneDriveなどのクラウドストレージからデータを移行する場合があるかもしれません。
ファイルを移行する際は、通常のローカルPC上での操作と同じくファイルやフォルダを選択してドラック&ドロップで移動が可能です。
[ドライブファイルストリーム]はパソコンのローカルディスクにデータを持っていません。
もしネットワークが使えない状態で作業をしたい場合には、オフラインで使うための設定が必要となります。
エクスプローラ上でフォルダやファイルを右クリックして「オフラインで使用可能にする」にチェックを入れればOKです。
[ドライブファイルストリーム]は特殊な動作はほとんど必要なく、直感的に使えます。
[ドライブファイルストリーム]にデータをアップロードしている場合、ファイルを右クリックすることで、簡単にGoogleドライブと共有できます。
写真などをGoogleフォトにアップロードしたい場合など、[ドライブファイルストリーム]では対応できない操作をしたい場合に有効です。
[ドライブファイルストリーム]でファイルやフォルダを削除した場合、PCのローカルにあるゴミ箱フォルダにデータが移動されます。
そのため、もし誤って何かを削除しても、Ctrl+Z キー(Windows)、CMD+Z キー(macOS)で簡単に元に戻せます。
モバイル端末で[ドライブファイルストリーム]を使うには、通常のGoogleドライブのアプリに新しいアカウントを追加します。
一度ログインしていれば、アイコンをタップするだけで簡単にGoogleIDとG SuiteIDが切り替え可能です。
Googleドライブ[ドライブファイルストリーム]を使うには、まずG SuiteのIDを取得する必要があります。
その際ドメインなど通常のGoogleドライブでは使わない情報を登録しなければなりません。
しかし一度設定をしてしまえば、どこにデータが保存してあるかなどを気にせず快適に使えます。
場合によってオフラインでの設定が必要になることがあるため確認しておくと良いでしょう。