第24回 志向(3)

生命神は、生命に、生きる力を与えます。

その生命神の命じるまま、人は、ハ虫類の脳で生きようとし、

ホ乳類の脳で快楽を求め、サルの脳で不快を避(さ)けようとします。

そしてその快楽への衝動(しょうどう)と、

不快への臆病(おくびょう)のはざ間で、

人は、右往左往(うおうさおう)して苦しみます。

生命神は、機械的に命を実行し、

人は、その調整で、四苦八苦しているのです。

人は、そのはざ間の苦しみの中から、

「心」と言う調整のバランスの仕組みを作り出しました。

人の「心」と言う、それぞれのバランスの仕組みは、多少の違いがあり、

それが、個性となります。

生命神も、人の心、それぞれのバランスの仕組みの中に組み入れられ、

その個性に基づいて、自己神と変わります。

生命神は、自分に、達成へのムチとアメを与え、

そして、秩序を作るように求めます。

しかし望みどおりには叶わない、戸惑いと怒り、

悲しみと喜びに満たされながら、

人は、それぞれの人生を送っていきます。

生命神の指し示すところと、自分の自己環境に秩序を築(きず)こうとする

意志が、重なり合い、共鳴(きょうめい)したとき、

そこに志向気流が吹きます。

生命神は、大いなる知能です。

生命神は、巨大な演算(えんざん)装置です。

生命神は、スーパーコンピューターです。

生命神が、そのハードウエアなら、自己神は、ソフトウエアです。

そして、人の意識が、そのコンピューターのオペレーターです。

人が成熟すると同時に、その装置も進化していきます。

やがて、その装置が真の機能を発揮したとき、

新たな知性の世界が広がります。

そして、それが志向気流が吹くということです。

志向気流は、やがて、あなたの回りの環境に、循環系(円滑系)を形成します。

同時に、生命神は、あなたを包み込む、さらに大きな存在となります。

生命神はあなたの中にありながら、あなたのかかわる環境を、

「志向系」として導きます。

環境を、あなたに適した秩序系に変えるのです。

あなたが、すべきことを出来る限り行っているのなら、

あとは、生命神に委(ゆだ)ねるしかありません。

すべては、生命神の采配(さいはい)に任(まか)せます。

すべては、運命です。

しかしそれは、企てられた運命です。

これ以上、必要以上に思い煩(わずら)ったり、苦しんだり、

恐れたりすることはありません。

今はもう、すべてがそうなるように仕組まれているのです。

あなたの失敗は、あなたのいつかの成功です。

あなたの損失は、あなたのいつかの利益です。

あなたの苦労は、あなたのいつかの成長です。

あなたの苦しみは、あなたのいつかの成熟です。

生命神は、あなたの環境を守り、癒し、そしてさらなる成長に導きます。

自己環境の成長、成熟こそ、人の本当の幸せです。

そしてそれは、約束されているのです。