第23回 志向(2)
前回において、人は、ハ虫類の脳は、ホ乳類の脳、サルの脳、ヒトの脳を持つ
という例えを延べました。
これらの脳はそれぞれに特徴を持っていますが、単独で働いているのではなく、
当然、それらは関連しあって、総体的に機能しています。
ハ虫類の脳は、生存本能から、貪欲に、生きるエネルギーを獲得し、
そのエネルギーの消耗をできるだけ少なくしようとします。
これが、食欲、睡眠欲、休息欲、防御欲や、倦怠感、面倒感、臆病感を
生み出します。
これらの欲望に振り回される者は、ハ虫類型人間です。
ホ乳類の脳は、種存本能で、貪欲に、異性を求め、子孫を作り守ろうとします。
これが、性欲、愛欲、独占欲や、保護感、種族感を生み出します。
これらの欲望に振り回される者は、ホ乳類型人間です。
サルの脳は、存在本能で、貪欲に、自己主張をし、自己を正当化します。
これが、自己顕示欲、支配欲や、自尊心、従属心、弁解や欺瞞を
生み出します。
これらの欲望に振り回される者は、サル型人間です。
ヒトの脳は、達成欲求で、貪欲に、ものごとの達成を望みます。
これが、完全主義、満足感、達成感を生み出します。
これらの欲望に振り回される者は、達成型人間です。
これらの欲求を無視することは出来ません。
これらの欲求は、生きるために生み出された欲求であり、
抑えすぎれば、ストレスが大となってしまいます。
しかし、欲求に振り回されて、よしとする者は、自己中心な人間です。
自己中心では、自己環境秩序を作り出すことは出来ません。
自己の欲求に振り回されず、解放し制御できる者は、秩序型人間となります。
それを目指したとき、志向気流が生まれます。
「生きる指針」において、四つの態度を示しました。
泰然性:堂々としていること。 【愚念】
毅然性:自分を律すること。 【脱念】
整然性:円滑化を心がけること。 【悟念】
裕然性:ストレスを溜めないこと。 【諦念】
このような態度をとるのは、幸福に生きるためです。
幸福に生きるための、自己環境秩序を作るためです。
これらの態度をとり続けるには、強い気力と体力が必要です。
そして、強い動機も必要となります。
それは、そんな自分が好きかどうかです。
他人がどう思おうと、そんな自分が好きかどうかです。
そんな自分に価値が見い出せないなら、これらの態度をとり続けることは
不可能です。
自分が、そんな自分に出会いたいと思っているかです。
一生をかけて、そんな自分に出会いたいと思っているかです。
あなたの会いたい自分が、将来、どこで何をしているか。
何を思い、何に夢中になっているか。
それが将来への夢となり、志向気流の目指すところです。
自己神はずっと、そんなあなたを見守っています。
「幸福」における、爽快についてをふたたびあげましょう。
爽快は積み重なり、「幸福」となります。
爽快は、潔さです。
爽快に、後悔はありません。 【毅然性】
爽快は、静かさです。
爽快に、興奮はありません。 【裕然性】
爽快は、優しさです。
爽快に、こだわりはありません。 【泰然性】
爽快は、正しさです。
爽快に、後ろめたさはありません。 【整然性】
そして爽快は、総合的に、強さとなります。
第23回 志向(2)