第25回 志向(4)

あなたの回りに「志向系」が作られたとき、環境は、

あなたの望むままになります。

それは、あなたの望みが、正しい望みだからです。

秩序を整え、守ろうとする志向神の望みと同じだからです。

志向神は志向気流によって、環境を変えます。

なぜ、秩序を整えることが、正しい望みなのでしょうか?

整った秩序の中では、あなたの幸福がより達成しやすいからと述べてきました。

あなたの回りの環境も、幸福を生み出しやすくなります。

ものごとはすべて、円滑に運ぼうとします。

しかし、それら目的のためにだけ、秩序を整えるのではありません。

五つの奇跡によって、生命は、意識を持つ人にまで進化したと述べました。

その奇跡は同時に、生命神を志向神にまで進化させたのです。

それによって、人は多くの、優れた秩序を生み出せるようになりました。

人は、その奇跡に感謝しなければなりません。

生命や人が過去に生み出してきた、優れた秩序に感謝するからこそ、

人は、新たな秩序、またはより整備された秩序を目指すのです。

生命は秩序そのものです。

奇跡が生みだした秩序です。

人として生まれ、生きていく以上、その秩序に感謝するのは当然です。

自分の、人としての存在に感謝するのです。

感謝をするとは、今の現状のすべてに「愛しみ(いつくしみ)」を

持って接するということです。

志向神は「愛(いと)しみ」に満ちています。

志向系は、その「感謝」と「愛しみ」に満たされた、

「慈愛のシステム」と呼ぶことが出来ます。

志向系の中で、環境はあなたの望むままになると述べました。

それは、すなわちあなたが「慈愛のシステム」の中にいるからです。

その中では、「自分のために、他のことを思いやらず犠牲にしてしまう」ような

望みは発生しません。

「他を思いやる」望みだから、その望みは必ず叶(かな)うのです。

「志向系」もまた、四界からの気流(生体気流、対人気流、欲望気流、

自然気流)に影響を受けます。

とくに、志向系は対外環境に作られるため、対人気流に

翻弄(ほんろう)されやすくなります。

人には、「協調型(防御型)」の者と 「対抗型(攻撃型)」の者が

あると述べました。

「協調型」の者は、その対人気流が、温和で順調、堅実、弱気、

沈静(ちんせい)気味となります。

「対抗型」の者は、その気流が、冷酷で不安定、破壊的、強気、

活発気味となります。

協調されれば、「志向系」は、より安定化します。

「協調型」は秩序を重んじ、志向系の「慈愛のシステム」になじみやすいのは、

当然です。

「対向型」は、「自己中心であり、他の犠牲を問わない」面があります。

「慈愛のシステム」と相反するものです。

人は多く、「協調型」と「対向型」の両面を持ちます。

その傾向が、どちらかに強いということです。

「協調」面がある程度あれば、やがて「慈愛のシステム」に

包み込むことは出来ます。

しかし「協調」面が少ないと、その人は、「対抗型」を越えて、まわりの環境に

「対抗系」を作ってしまい、「志向系」との完全な対立状態になってしまいます。

「他を思わない対抗系」と、「他を思いやる志向系」では、後者が不利です。

対抗されれば、「志向系」は、その構造が揺(ゆ)らぐ可能性があります。

後先(あとさき)を考えない「破壊」には、一時、手の施(ほどこ)しようが

ないかもしれません。

ある意味で、「志向系」は「対抗系」の恰好の餌食(えじき)に

なるかもしれません。

しかし対抗により、志向系が揺らいでも、自信を失くすことはありません。

なぜなら「対抗系」は孤独であり、大きく成長することはないからです。

「対抗系」は自ら壊した秩序のために、やがて混乱します。

「対抗系」は自然の理に従わず、無理の中で、いつか自滅していきます。

あなたは志向系の中にいます。

「志向系」は、まわりの協調で成長していきます。

「志向系」は安定し、さらに強くなっていきます。

「志向系」は、理に叶(かな)い、成熟していきます。

志向系であるからには、「対抗系」をもまた愛しみ、

その破滅から救ってやらなければなりません。

しかし難しいことはありません。

あなたは、志向神に祈ればよいだけです。

志向系は、志向神に守られています。

志向神は強く、あなたとあなたの環境を守ります。

「志向系」について、まとめましょう。

人が秩序を目指し、内なる自己神と共鳴したとき、

志向気流が引き起こります。

志向気流は、回りの環境に「志向系」を作り出します。

そしてまた、自己神を「志向神」に成長させます。

ふたたび、秩序を求める考え方を、ここであげましょう。

論理思考・・・・・・・因果に従う

システム思考・・・・全体、経過を考える

バランス思考・・・・調和を考える

シンプル思考・・・・わかりやすさを目指す

そしてそのためには、

毅然性:自分を律すること・・・・・・・・恐れず【脱念】

泰然性:堂々としていること・・・・・・・穏やかに【愚念】

裕然性:ストレスを溜めないこと・・・・気にせず【諦念】

整然性:円滑化を心がけること ・・・・誠意で動く【悟念】

そして、それらの根底には、まわりの環境への「感謝」と「慈しみ」が

必要でした。

これらが秩序思考に結びついて、「慈愛のシステム」、すなわち「志向系」として

成熟するのです。

第25回 志向(4)