講師 信長貴富先生(作曲家)
昨年第1回を開催されたことは、非常に意義深いことだと考えます。そして、それが第2回へと繋がっていく段階において、何かお手伝いできることがあれば、それは大変喜ばしいことだと考え、ぜひ協力したいと思いました。
今回に関しては、大学生同士の交流はもちろん重要ですが、それ以上に、この企画を実施している事実を多くの人々に伝え、広め、認知してもらうことの方が、私の役割ではないかと考えました。その点において、自分にできる限りのことを行ったという自負があります。
合唱団のエントリー数については、もう少し多ければよかったという思いはあります。しかし、今年の試みによって第1回目よりも認知度が向上したのであれば、次回はエントリーが増加する可能性も考えられますから、今年の成果は来年に現れるのかなとも思っています。
提出された演奏についてですが、多くの団体は、定期演奏会などの記録映像から抜粋したものを提出されていました。それ自体は、もちろん良い方法です。そして、各大学がそれぞれの特色ある演奏をアピールしようという意図は、個性が表れていて評価できる点だと思います。
一方で、このイベントは動画プラットフォームを利用しているのですから、その「動画」というメディアの特性をもう少し活用してほしいと感じました。具体的には、視聴者に最後まで見てもらうためにはどうすればよいか、というYouTube的な視点を持つことです。単に演奏の音声を流すだけでなく、動画ならではの工夫がもう少し加われば、より面白くなる可能性があると考えます。
全ての団体がそうする必要はありませんが、多くのコンテンツが存在する中で、視聴者の注意を引きつけ、目立つことは非常に重要です。特に動画という媒体においては、その点が重要になると考えます。実際に、いくつかの団体は映像としても興味深い工夫が見られました。
可能であれば、通常の演奏会形式の映像であっても、演奏者の表情や指揮者の様子などが、音声だけでなく視覚的にも伝わる方が、より面白みが増すと感じます。したがって、そのような映像素材があれば、来年以降の企画で活用を検討していただけると良いかと思います。
ただし、あまりハードルを上げすぎるのも適切ではありません。重要なのは、各大学が個別に動画を公開してもなかなか注目されないような活動でも、この場を通じて発表することで、「このように頑張っているのだ」ということが参加者相互に伝わる点です。さらに、大学を卒業したOB・OGなど、より広い層にも活動を知ってもらう機会になります。そして、それが寄付や、母校を応援しようという気持ちに繋がる可能性も秘めています。
より広い層に活動を知ってもらうために、最初にも触れましたが、今後はいかに参加団体を増やしていくかが課題であると考えます。
以上が、全体的な感想、あるいはこのイベント自体に対する所見となります。個別の団体へのメッセージについては、Twitterの文字数制限(140文字)の中で、できる限り心を込めて記述したつもりです。この講評の形式が最善であったかは分かりませんが、このような点も含めて、ご意見を主催者である実行委員会の方々にお伝えいただければ、来年以降、より良い企画の形を模索できるのではないかと思います。できる限り、様々な意見を発信していただくことが、企画の改善に繋がると考えます。
総合点は、視聴者投票と参加団体相互投票の得票数を1:1で得点換算し算出します
総合点:63.3pt
2位 A3_東北大学混声合唱団 (53.1pt)
3位 A4_東北大学男声合唱団 (38.9pt)
4位 A2_北海道大学合唱団 (31.4pt)
5位 C1_金沢大学合唱団 (29.9pt)
得票数:5票
2位 B2_早稲田大学コール・フリューゲル (3票)
3位 A4_東北大学男声合唱団
A6_福島大学混声合唱団
C1_金沢大学合唱団
B4_上智大学混声合唱団アマデウスコール
B3_早稲田大学女声合唱団 (2票)
チームワークを発揮した演奏映像を出展し、かつキラリと光る個性や将来性を感じさせる合唱団を、カワイ出版・講師・実行委員会により選出
総合5位までの団体・東北大学賞・フェスティバル賞・講師特別賞受賞団体には、楽譜・備品等を贈呈します。
カワイ賞受賞団体には、カワイ出版様よりカワイ出版指定作品から、出演者全員分の楽譜を贈呈します。
東京都合唱連盟助成事業として、東京都合唱連盟から地方の大学合唱団へ講師を派遣して合唱講習会を実施します。
今回は総合2位・3位を受賞した東北大学の2団体に贈られます。
※総合1位の大学が関東圏の団体であったため、総合2位の大学に繰り下げました