常に病で苦しむ人々のことを考えて

清水 智哉

薬学研究科薬科学専攻博士後期課程1年

2020年研究室配属

iPS細胞に惹かれて

研究室を選択する学部3年生の時期に早田先生から3年生全体に「iPS細胞を用いた病態モデル研究で理化学研究所と共同研究を行っており,その人員を募集する」という旨のメールをいただきました。実際に研究室見学に応募して理化学研究所へ訪問させていただいたとき,林洋平チームリーダーから研究の概要を聞き,行われている研究テーマに興味を持ったため配属を希望しました。その後私の希望が通り,4年生の卒業研究から受け入れていただくことになりました。

患者様の役に立つものを社会に還元する

現在は,難病患者から作製されたiPS細胞を用いて疾患モデルの作製および発症機序の解明を目的とした病態モデル解析を行っています。私は,染色体欠失症候群に着目して研究を行っています。染色体欠失症候群の研究分野は,希少疾患であるという点と患者ごとの欠失領域の多様性から,研究がなかなか進まなかった分野の一つです。したがって,様々な患者由来のiPS細胞は強力な研究ツールの一つとなります。染色体欠失症候群患者由来iPS細胞のバイオリソースとしての有用性を実証することで,当該研究分野の発展に貢献することができればと考えています。患者様から提供していただいた貴重なサンプルを扱う者として,患者様の役に立つものを社会に還元すること,それが私たちの仕事です。

プロの研究者の仕事を間近にみながら,切磋琢磨する

理化学研究所は研究所ということもあり学生が主体となる大学の研究室とは異なり,開発研究員やテクニカルスタッフの方々が主体の研究室です。プロの研究者の仕事を間近に見ることができるこの環境はとても貴重で,毎日勉強になっています。そのうえ,皆さんとても気さくな方で,研究室で困ったことがあったときなどは親身になって相談に乗ってくださいます。大学院生の先輩や後輩もいるため日々切磋琢磨しながら,充実した日々を過ごしています。

さらなる成長へ

対外的な発表を意識して行い,多くの人に認めてもらえるような研究者となれるように成長していきたいと考えています。

内容は、2023年7月取材当時のものです。