私は、2018年4月に東京理科大学薬学部生命創薬科学科に 赴任しました。講義の経験が少なく、講義スタイルに関して、現 在模索中でしたので、今回のFDセミナーは、大変貴重な機会と なりました。
今回のテーマは、「授業をどのように設計するか?」というイン ストラクショナル・デザインでした。今回のセミナーの特徴とし ては、教員が顔を突き合わせて、お互いの授業方式について議 論する時間があったことです。同じ学部学科に所属していても、 互いに、授業方式について議論をする機会はほとんどないの で、大変貴重な機会でした。特に、自分の授業の評価方法を再考 する機会になりました。私は、主に数学系の科目を担当されてい る若手の先生と一緒になったのですが、ある先生は、出席を取 る方法として小テストや中間試験を行っていました。そして、そ れを最終評価に組み込む。私の場合は、定期試験の一発評価で した。自分の授業では、「薬の種類が多く、覚えるのが大変だ」と いう声が学生からよく聞こえてくるので、中間試験という評価 方法もありかなと思いました。しかしながら、学部に持ち帰って FDセミナー報告をしたところ、中間試験を行うと、中間試験を 行わない授業への学生の集中度が低くなるという弊害もあると いう現実的なご意見も伺いました。
アクティブ・ラーニングの手法についても、ご紹介いただきま した。私は、授業プリントの最後に、「確認問題」をつけていて、次 の授業のときに、ランダムに学生を当てて、一対一の質疑応答 をしています。このように「対話」することによって、学生の理解 度の確認や考え方の指導をしています。ただ、この「答え合わ せ」が授業の理解度を深めるのに役立つという学生もいれば、 答え合わせは必要なく、もっと講義の時間を多くしてほしいとい う学生もいました。教員と学生全員がコンセンサスをもてる究 極の授業方式とは何なのかを、模索する必要がありそうです。 「良い授業をすると、良い学生が研究室に入ってきてくれる」と いうことを信じて、今後も、FDセミナーに参加したり、学生や教 員の声に耳を傾けたりしながら、授業方式について模索してい ければと思います。