蛋白質溶液学(卵白の凝集)
添加剤の使い方入門
添加剤の使い方入門
卵白の凝集
ここでは、タンパク質凝集を制御するための添加剤の使い方を紹介したい。タンパク質溶液のモデルとして卵白を取り上げ、加熱による凝集の過程が、低分子の添加剤によってどのように変わるかを観察する。さらに、添加剤の効果の違いがどのように説明できるのかを説明する。低分子の添加剤としては、塩(塩化ナトリウム)と、砂糖(スクロース)、アミノ酸(アルギニン)の3種類を比較する。
◆タンパク質凝集
タンパク質は加熱によって立体構造(天然構造)が壊れ、疎水性の領域が露出する。これらの疎水性領域は本来、分子内部で水から遮蔽されているが、変性により外部に現れることで、他の分子の疎水性領域と相互作用し、分子間で会合が起こる。その結果、モノマーから可溶性オリゴマーへ、さらには白濁して見えるほどの大きなアモルファス凝集体へと成長していく。加熱中、アモルファス凝集体は徐々に大きくなるが、しばしばある粒径(数百ナノメートル〜数マイクロメートル程度)で成長が飽和する。これは、凝集体表面における疎水性パッチが減少し、さらに表面電荷や吸着した水分子による静電的・立体的な反発が働くためである。また、大きな凝集体は沈降や沈殿によって溶液中の有効衝突頻度が低下することも、凝集の成長停止の一因となる。目に見えないサイズの凝集体はサブビジブルパーティクルと呼ばれることもあり、バイオ医薬品では特に毒性などの問題があるとされる溶液状態である。
タンパク質溶液の加熱を止めると、熱変性によってアンフォールドしていた分子の一部は、熱力学的に安定な天然構造に自発的に巻き戻るものもある。しかし、多くの場合、すでに凝集核や会合体に組み込まれた分子は、エネルギー障壁のために元の構造に戻ることができず、そのまま凝集体として残る。その結果、タンパク質の加熱凝集は、可逆的な凝集と不可逆的な凝集が存在する。
◆卵白の凝集
卵白は水分が約90%、残りの約10%がタンパク質で構成されている。脂質や糖質などの分子はほとんど含まれておらず、高濃度のタンパク質水溶液といってよい。そのため、卵白は食品科学や生化学の分野で、タンパク質の性質を理解するためのモデルとしても利用されてきた。卵白の性質を知ることは、調理だけでなく、タンパク質研究全般においても重要な意味をもつ(1)。
卵白に含まれる主要なタンパク質には、成分として多い順に、オボアルブミン(卵白タンパク質全体の約54–60%)、オボトランスフェリン(約11–13%)、オボムコイド(約10–11%)、リゾチーム(約3–4%)などがある。オボアルブミンは分子量約45 kDa、等電点は約4.5の酸性タンパク質であり、卵白タンパク質の半分以上を占め、加熱による凝集体形成やゲル化の主役となる。オボトランスフェリンは分子量約77 kDa、等電点は約6.1で、鉄結合能をもつ比較的大きな糖タンパク質である。オボムコイドは分子量約28 kDa、等電点は約4.1と強く酸性に偏ったプロテアーゼ阻害タンパク質であり、リゾチームは分子量約14.3 kDa、等電点は約11と強い塩基性を示す小型酵素である。
卵白タンパク質はそれぞれ異なる温度域で熱変性し、凝集を始める。たとえば、オボムコイドは約60℃から変性が始まるが、オボアルブミンは約85℃で本格的に凝集が進む。リゾチームはおよそ75℃、オボトランスフェリンは60~65℃で凝集が進行することが知られている。そのため、卵白を加熱すると互いにタンパク質を巻き込みながら凝集していく共凝集と呼ばれる現象が起こる(2)。
◆卵白の凝集への添加剤の効果
卵白タンパク質の加熱凝集に及ぼす添加剤の影響を調べるため、以下の条件でモデル実験を行った。濃度5 mg/mLの卵白タンパク質溶液を調製し、0.5 Mの添加剤(塩化ナトリウム、スクロース、アルギニン)をそれぞれ含むリン酸緩衝液(pH 7.4)に溶解した。対照群として添加剤を含まない卵白タンパク質溶液も同時に準備した。各試料を約3 mLずつ試験管に分注し、90 ℃の恒温水槽中に浸漬して加熱した。
添加剤を入れない試料では、加熱開始からおよそ10秒で白濁が生じ始め、30秒程度で溶液全体が不透明な白色へと変化した。これは卵白タンパク質が熱変性により疎水性領域を露出し、分子間で凝集・会合して光を散乱する1μm以上の大きさに達したことを意味する。添加剤を加えた試料では、凝集開始時期や進行速度がそれぞれ異なった。以下に観察された挙動と、その推定されるメカニズムを概説する。
1. 塩化ナトリウム
塩化ナトリウムを添加した卵白溶液では、凝集の開始時期は添加剤を加えていない卵白溶液とほぼ同等であったが、白濁はより速く進んだ。これは、溶液中のNa⁺およびCl⁻イオンが卵白タンパク質表面の静電反発を遮蔽し、分子間の接近を促進したためだと考えられる。この働きを静電遮蔽効果という。卵白タンパク質の主成分であるオボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリンはいずれも等電点がpH 4から6付近にあり、今回実験を行ったpH 7.4の溶液条件では負電荷を帯びている。そこにイオンが存在すると、この負電荷間のクーロン反発が緩和され、疎水性相互作用が優位となり凝集が促進されたのだと考えられる。
2. スクロース
スクロースを添加した試料では、加熱後の凝集の開始はやや遅れたものの、その後の凝集進行は速く、数分で試験管底部に大きな沈殿の塊が形成された。スクロースは高分子やタンパク質に対して排除体積効果をもたらし、タンパク質を沈殿させる作用が強い。また、スクロースは水和水を強固に保持するため、タンパク質の立体構造を安定化する一方、熱変性が始まると凝集体形成を加速する二面的作用を示す。本実験でも観察されたとおり、変性後の分子間の会合はむしろ促進され、大きな凝集体へと成長したと考えられる。
3. アルギニン
アルギニンを添加した試料では、加熱してもほとんど白濁が認められず、凝集が顕著に抑制された。この結果は、他の試料が1分以内で完全に白濁したのとは対照的であった。アルギニンはタンパク質の汎用的な凝集抑制剤として知られ、側鎖のグアニジニウム基がカチオン–π相互作用や疎水性相互作用を介して芳香族アミノ酸残基や疎水パッチに結合し、分子間会合を阻害する。また、アルギニンは水和殻の構造を変化させ、タンパク質間の非特異的相互作用を弱める作用も持つ。これらの効果により、熱変性が生じても可溶性状態が長く維持されたと考えられる。
◆添加剤のメカニズム
卵白の加熱実験で観察された添加剤の効果は、卵白特有の現象にとどまらず、他の多くのタンパク質系や、加熱以外のさまざまな凝集現象にも応用可能である。タンパク質の凝集に影響を与える分子機構は多岐にわたるが、大きく分類すると、(i)静電的相互作用を調節する添加剤、(ii)水和や排除体積効果を介して構造安定性・凝集傾向を変化させる添加剤、(iii)直接的に分子間相互作用を阻害する添加剤の3タイプに分けられる。以下、それぞれのメカニズムについて概要を述べる。それぞれに属する分子は個別に特徴を持っていることが多く、ここでは概説だけにとどめ、詳細は別ページで解説したい(4-6)。
1. イオン
本実験で用いた塩化ナトリウムのような電解質は、タンパク質分子表面の電荷に作用し、分子間の静電的反発を低減する。これは静電遮蔽効果と呼ばれ、数十 mM程度の低濃度でも顕著に現れる。今回の実験では500 mMという高濃度条件で実施したが、50 mM程度のイオン強度でも同様の効果が得られることが多い。日常的な実験操作でも、緩衝液組成や塩濃度を無意識に設定してしまうことがあるが、生理的イオン強度(約150 mM)と純水条件とでは、凝集のしやすさが大きく異なるため、再現性や安定性の観点からも慎重な設計が必要である。また、イオンは1 M程度の高濃度になるとタンパク質に結合しやすいカオトロープと、結合しにくいコスモトロープの性質が現れ、それぞれ「凝集抑制剤」や「凝集剤」と似た特徴を示す。
2. 凝集剤
スクロースのような糖質は、一般に「凝集促進剤」として知られる。これらはタンパク質に直接結合するのではなく、水分子との強い水和相互作用を介して作用する。具体的には、溶液中の水の自由度を低下させることで、タンパク質分子同士の接触確率を高める排除体積効果を発揮する。糖質以外にも、中性高分子(ポリエチレングリコール、デキストランなど)、コスモトロープに分類される無機イオン(硫酸アンモニウムなど)、さらにオスモライト(トレハロース、グリセロールなど)も類似の作用を示す場合がある。これらは、低温や常温下ではタンパク質の天然構造を安定化させる一方、熱変性が始まると凝集成長を促進するという二面的な効果を示すことがあり、タンパク質溶液の設計ではそのバランスが重要となる。
3.凝集抑制剤
アルギニンは代表的な凝集抑制剤であり、側鎖のグアニジニウム基がタンパク質表面の芳香族残基や疎水性パッチと相互作用し、分子間会合を阻害する。また、水和殻構造の変化や弱いカチオン–π相互作用によって、非特異的凝集の初期段階(核形成)を遅延させる働きがある。この性質はバイオ医薬品製剤の開発において広く利用されており、可溶性を維持したまま高濃度製剤を調製する際に有効である。このように水に馴染みやすい領域と馴染みにくい領域を持つ低分子は、ハイドロトロープ(hydrotrope)と呼ばれることがある。その特徴が極端になったものが、界面活性剤となる。
参考文献
1. Iwashita, K.; Inoue, N.; Handa, A.; Shiraki, K. Thermal Aggregation of Hen Egg White Proteins in the Presence of Salts. Protein J. 2015, 34 (3), 212–219.
2. Iwashita, K.; Handa, A.; Shiraki, K. Co-aggregation of Ovalbumin and Lysozyme. Food Hydrocolloids 2017, 67, 206–215.
3. Iwashita, K.; Handa, A.; Shiraki, K. Co-aggregation of Ovotransferrin and Lysozyme. Food Hydrocolloids 2019, 89, 416–424.
4. Hamada, H.; Arakawa, T.; Shiraki, K. Effect of Additives on Protein Aggregation. Curr. Pharm. Biotechnol. 2009, 10 (4), 400–407.
5. Shiraki, K.; Mimura, M.; Nishinami, S.; Ura, T. Effect of Additives on Liquid Droplets and Aggregates of Proteins. Biophys. Rev. 2020, 12 (2), 587–592.
6. Arakawa, T.; Tomioka, Y.; Akuta, T.; Shiraki, K. The Contrasting Roles of Co-solvents in Protein Formulations and Food Products. Biophys. Chem. 2024, 312, 107282.
◆卵白の加熱凝集へのホフマイスター効果
卵白は数十種類のタンパク質を含む複合系であり、その代表的な構成成分にはオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチーム、オボムコイドなどが挙げられる。卵白を透析して低分子成分を除去した後、そこにイオンやアミノ酸などを添加し、加熱時の凝集抑制効果を比較した(1)。
実験では、1 mg mL⁻¹になるように卵白を20 mM HEPES緩衝液(pH 7.4)と10 mMの塩化マグネシウムを含む溶液に溶解し、30 分間、さまざまな温度で加熱した。50 °Cでは試料のすべてが可溶性を維持したが、60 °Cでは約80 %が可溶性で、残り20 %が不溶性画分となった。これは、変性しやすい成分が部分的に共凝集した結果と考えられる。温度をさらに上げると凝集量は増加し、80 °C以上では約90 %が不溶化した。加熱後も可溶性として残る約10 %の成分は、耐熱性の高いオボムコイドであると推測される。
同様の条件で、0.5 Mの各種無機塩を添加した試料についても加熱試験を行った。硫酸ナトリウム(Na₂SO₄)を加えた場合、凝集開始温度がわずかに上昇し、凝集量が半分になる温度は無添加試料より約5 °C高かった。塩化ナトリウム(NaCl)ではさらに強い効果が見られ、凝集温度は約10 °C上昇した。興味深いことに、チオシアン酸ナトリウム(NaSCN)を添加すると、90 °Cで30 分加熱しても凝集はほとんど観察されなかった。
これらの結果は、低濃度のタンパク質溶液におけるホフマイスター効果を反映している。すなわち、ホフマイスター系列に基づけば、アニオンの種類がタンパク質の安定化または変性傾向を左右する。硫酸イオン(SO₄²⁻)のようなコスモトロープは水の構造を強化し、タンパク質分子の脱水を促進するため一般には凝集を助長するが、ここでは静電遮蔽や構造水の安定化により、初期変性をわずかに抑えた可能性がある。
一方、塩化物イオン(Cl⁻)は中程度の水和性をもち、静電的反発の調整と部分的な疎水性の抑制を通して凝集温度をさらに押し上げたと考えられる。最も顕著な効果を示したチオシアン酸イオン(SCN⁻)は典型的なカオトロープであり、疎水面への吸着性が高い分子である。この作用により、タンパク質間の非特異的な疎水性会合が阻害され、結果として凝集が強く抑制されたと推定される。
◆卵白の加熱凝集の濃度依存性
では、卵白の濃度を増加させると凝集挙動はどのように変化するだろうか。10 mg mL⁻¹の卵白溶液に対して、同様に0.5 Mの無機塩を添加し、加熱後の凝集量を比較した。その結果、無添加、塩化ナトリウム、および硫酸ナトリウムのいずれを添加した場合も、凝集曲線は1 mg mL⁻¹のときとほとんど変化がなかった。
ところが興味深いことに、0.5 Mのチオシアン酸ナトリウムを加えた場合には全く異なる挙動を示した。凝集の開始温度が著しく低下し、70 °Cで30分加熱した時点で約90 %のタンパク質が不溶化した。すなわち、チオシアン酸ナトリウムは他の塩と対照的に、凝集を強く促進する作用を示した。
さらに、卵白濃度を100 mg mL⁻¹(生卵白中の濃度に近い条件)まで高めると、その傾向はより顕著になった。塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムを添加した場合、凝集開始温度はほとんど変わらず、低温側でわずかに凝集量が増加する程度であった。しかしチオシアン酸ナトリウムを添加すると、50 °C以下でも凝集が進行し、極めて低温でも顕著な白濁が観察された。つまり、低濃度条件では凝集抑制的に作用したSCN⁻が、高濃度のタンパク質系では逆に凝集を著しく促進したことになる。
これらの結果は、チオシアン酸イオンの効果が単なるカオトロープとしてタンパク質分子間の疎水性相互作用を抑制するだけではなく、タンパク質濃度に依存してその作用機構が反転することを示唆している。低濃度では、チオシアン酸タンパク質表面に弱く吸着し、疎水面への水の秩序構造を緩和して可溶化を促進する。しかし高濃度条件下では、タンパク質間の距離が短くなり、チオシアン酸が分子間水の橋渡し構造を乱すことで水和層が崩壊し、結果として疎水面同士が直接接触しやすくなる。このため、凝集が加速されると考えられる。
また、卵白のような多成分系では、タンパク質ごとに電荷・親水性・疎水性が異なるため、カオトロープの吸着分布も不均一となる。その結果、分子間の電荷バランスが崩れ、静電的な反発が弱まり、局所的に凝集核が形成されやすくなる。したがって、チオシアン酸の濃度依存的な効果は、カオトロープによる「立体構造の変性」と「疎水性相互作用の抑制」の競合に起因すると考えられる。その結果、低濃度では可溶化剤として、しかし高濃度・高タンパク質密度条件では凝集促進剤として働くという二面性を示したのである。この知見は、ホフマイスター効果が単純な順列として現れるのではなく、溶液条件によりダイナミックに変化することを示す好例である。
◆卵白へのアルギニンの効果
卵白タンパク質の熱凝集に対して、種々のアミノ酸および関連化合物を添加した際の効果を検討した(2)。試料は 1 mg mL⁻¹ となるように卵白を 20 mM HEPES 緩衝液(pH 7.4)および10 mM塩化マグネシウムに溶解し、各添加剤を最終濃度 0.5 M となるように加えた。得られた溶液をさまざまな温度で 30 分間加熱し、可溶性画分の割合を測定した。
その結果、アルギニン塩酸塩(ArgHCl)を添加した試料では、90 °C 30 分の加熱後でも可溶性がほぼ 100 % 保持され、凝集は完全に抑制された。一方、塩酸グアニジン(GdnHCl)の添加では凝集開始温度が約 5 °C 低下し、凝集がわずかに促進された。グリシンおよび塩化ナトリウムはいずれも同程度の効果を示し、凝集量が半分になる温度は無添加試料よりおよそ 5 °C 上昇した。リシン塩酸塩(LysHCl)ではさらに強い抑制効果がみられ、約 10 °C 高温側にシフトした。
これらの結果は、各添加剤がもつ分子間相互作用様式および水構造への影響に基づいて説明できる。アルギニンは代表的なハイドロトロープとして知られ、グアニジニウム基とアミノ基による双性相互作用により、疎水性表面への可溶化効果を発揮する。さらに、π–πおよびカチオン–π相互作用を介して疎水面の再会合を阻害するため、加熱変性後もタンパク質間の非特異的会合を防ぎ、結果として完全な凝集抑制が得られたと考えられる。リシンはアルギニンと同様に多価の正電荷をもつが、ハイドロトロープ性は弱い。そのため、疎水面への吸着による可溶化は限定的である一方、アミノ基の電荷が酸性タンパク質表面との静電反発を強め、タンパク質間距離を拡げる効果が働く。その結果、Arg よりもやや弱いが顕著な凝集抑制が得られたと考えられる。
対照的に、塩酸グアニジンは強力なカオトロープ/変性剤であり、水素結合ネットワークを破壊してタンパク質骨格の安定性を低下させる。そのため、疎水面の露出が早まり、凝集がわずかに促進された。一方、グリシンと塩化ナトリウムはいずれもコスモトロープ的挙動を示し、選択的排除(preferential exclusion)によってタンパク質の天然構造を安定化させる。これにより、熱変性の立ち上がりが遅れ、凝集が約 5 °C 抑制されたと考えられる。
参考文献
1. Iwashita, K.; Inoue, N.; Handa, A.; Shiraki, K. Thermal aggregation of hen egg white proteins in the presence of salts. Protein J. 2015, 34(3), 212–219.
2. Hong, T.; Iwashita, K.; Handa, A.; Shiraki, K. Arginine prevents thermal aggregation of hen egg white proteins. Food Res. Int. 2017, 97, 272–279.