蛋白質溶液学(加熱凝集)
立体構造を壊すと、もちろん凝集しやすくなるが
立体構造を壊すと、もちろん凝集しやすくなるが
凝集と凝集抑制剤
タンパク質溶液中で起こる凝集は、目に見える沈殿として現れるだけでなく、製剤の安定性や酵素活性の低下など、実用上も大きな影響を及ぼします。本ページでは、卵白リゾチームの加熱凝集をモデル系として取り上げ、凝集抑制剤の効果を比較する方法を紹介します。基本的には無機イオンやアミノ酸などの添加剤は、タンパク質凝集の経路そのものを変えるのではなく、凝集の律速段階に作用します。分光光度計と遠心機があればできるほど簡単な実験系ですが、このような系の作り方がわかれば、タンパク質や条件ごとにふさわしい凝集抑制剤を探索できます。
◆リゾチームの加熱凝集
卵白リゾチームをモデルに加熱凝集と凝集抑制剤の探索について整理したい(1)。具体的な実験として、1 mg/mlのリゾチーム溶液を100 mMのリン酸緩衝液 pH 7.1の条件で多数のチューブに分注し、98 ℃の恒温槽に同時に加熱した。およそ30秒程度ごとに1本ずつ取り出して4˚Cに冷却した。その後に遠心分離を行い、上清に残ったタンパク質濃度を求めた。上清に残った濃度を、もとのタンパク質濃度から引くことで、凝集したタンパク質量を算出した。
その結果、加熱開始から約200秒まではほぼ凝集が生じなかったが、200秒を境に急速に凝集が進み、single exponential式で極めてよく表された。このことは、可溶性のタンパク質から沈殿画分へ移行する過程が、見かけ上は一次反応速度論に従っていることを示唆する。
一次反応速度式に従うということは、可溶性の状態(N)が一定の速度で不可溶な凝集体(A)へ移行する単一の律速ステップがあるということを意味する。この現象は、古典的な Lumry–Eyring モデルと整合する。
N ←→ U → A
ここで、Nはネイティブ状態などの可溶な状態、Uは変性した不安定な状態、Aは遠心分離で沈殿する不可逆凝集体を意味する。高温では N→U の平衡がU側に傾いており、U がある閾値を超えて蓄積すると、凝集が不可逆に進行する。このとき、U の生成が全体の律速段階であれば、上清に残る可溶性タンパク質量は見かけ上、一次反応速度式にあう形で減少することになる。凝集は多分子の会合による高次過程であるが、加熱凝集はU の形成が律速になっているために、単純な指数関数にしたがうと解釈できる。
もうひとつの特徴として、加熱開始から200秒程度のあいだ可溶性量が変化しない理由としては、二つの説明が考えられる。まず、チューブ内の溶液が実際に98 ℃へ到達するまでの物理的な温度立ち上がりの影響である。リゾチームの熱変性温度は75˚C程度であるので、それ以下の温度では凝集は実質的には生じない。さらに、ネイティブ構造が破綻し、凝集活性状態の U が一定量以上蓄積するまでに一定時間が必要であるという、分子レベルの過程を反映している可能性である。いずれにせよ、このラグタイムを経たのちに、不可逆的な凝集反応が一次反応速度式にしたがって進行し、上清中のタンパク質量が単調に減少するという描像が得られる。
ここで、Nはネイティブ状態などの可溶な状態、Uは変性した不安定な状態、Aは遠心分離で沈殿する不可逆凝集体を意味する。高温では N→U の平衡がU側に傾いており、U がある閾値を超えて蓄積すると、凝集が不可逆に進行する。このとき、U の生成が全体の律速段階であれば、上清に残る可溶性タンパク質量は見かけ上、一次反応速度式にあう形で減少することになる。凝集は多分子の会合による高次過程であるが、加熱凝集はU の形成が律速になっているために、単純な指数関数にしたがうと解釈できる。
もうひとつの特徴として、加熱開始から200秒程度のあいだ可溶性量が変化しない理由としては、二つの説明が考えられる。まず、チューブ内の溶液が実際に98 ℃へ到達するまでの物理的な温度立ち上がりの影響である。リゾチームの熱変性温度は75˚C程度であるので、それ以下の温度では凝集は実質的には生じない。さらに、ネイティブ構造が破綻し、凝集活性状態の U が一定量以上蓄積するまでに一定時間が必要であるという、分子レベルの過程を反映している可能性である。いずれにせよ、このラグタイムを経たのちに、不可逆的な凝集反応が一次反応速度式にしたがって進行し、上清中のタンパク質量が単調に減少するという描像が得られる。
◆残存活性と可溶性凝集体
この実験で上清に残ったリゾチームの残存活性を求めることで、ネイティブ構造の残存する割合を算出できる。その結果、残存活性も時間とともに単純な一次反応式に従って減少した。すなわち、ネイティブ構造を保った分子は、一定の速度定数で指数関数的に失活したのである。
ここで、ある時点 t において、凝集した割合と活性が残る割合を足すと、合計が100%にならないという現象が現れる。典型的には、両者を足しても全体の80%程度にしかならず、残りの20%前後は、遠心しても上清に残っているにもかかわらず、すでに酵素活性を失っている分子として存在していることを意味する。これらは遠心分離では沈殿しない失活した分子であると理解できる。
この挙動を理解するには、単純な N → A の二状態モデルではなく、その間に変性しているが沈殿はしていない I を仮定する必要がある。加熱条件下では、N はまず部分変性や局所的な構造崩壊を経て I に移行し、この段階で活性部位の立体配置が崩れるため酵素活性は失われる。しかし I の段階では、全体としてはまだ溶液中に分散して存在できるため、遠心しても沈殿しない。その後、I がさらに会合を進めて巨大な凝集体 A を形成すると、初めて遠心により沈殿画分として検出されるようになる。
◆添加剤効果の分析:アルギニン
同じ条件に 100 mM アルギニンを添加して加熱をした。その結果、加熱開始後のラグタイム(立ち上がり時間)はほとんど変化しないが、指数関数的減少の速度定数が約半分に低下し、凝集成長が遅くなるという結果が得られた。この特徴的な挙動は、アルギニンが凝集そのものに強い抑制効果を及ぼすにもかかわらず、部分変性の開始温度や初期の構造破綻にはほとんど影響を与えないという性質を反映していると考えられる。この点を結果をもとに考察してみたい。
リゾチームのような小型の球状タンパク質が98 ℃まで加熱されると、ネイティブ構造は速やかに崩れるが、その後に生じる疎水面の会合は、部分変性状態 U の形成速度と、U 同士の会合確率の双方に依存する。ここで、アルギニンを添加すると、U 状態が他の分子と接触して凝集核を形成する確率を有意に減少させる。アルギニンははタンパク質表面の芳香族側鎖や疎水領域と弱く相互作用し、分子同士の直接接触を妨げることができるので、アルギニンは凝集抑制剤として働くことができる(2)。
アルギニンの添加により加熱による凝集の速度定数が約半分にまで低下するという現象は、凝集の律速段階がU 状態の会合確率に強く依存していることを示すものである。実際に還元変性したリゾチームを、希釈することでネイティブ状態にリフォールディングさせる実験においても、アルギニンは凝集の形成だけを遅め、ネイティブ状態へのリフォールディングには影響しないという結果もある(3)。
さらに、全体のタンパク質濃度から、凝集体とネイティブ構造の濃度を引くと、40%程度が残存することがわかった。すなわち、アルギニンを添加すると、遠心では沈殿しないような可溶性凝集体が蓄積することを意味する。このリゾチームでの結果は、IgGにアルギニンを添加して加熱すると可溶性凝集体が増えるという別のタンパク質でも実証されている(4)。つまり、アルギニンはタンパク質の不溶性凝集体になるまでの成長は有意に抑制できるが、可溶性凝集体の形成は抑制しないということを意味する。これらの実験データは、多数のタンパク質系で報告されている「Arg は変性温度を大きく変えないが、不可逆的凝集だけを選択的に抑制する」という一般的特徴とも一致している。
◆添加剤効果の分析:アルギニンエチルエステル
同じ加熱条件下で、100 mM の塩化ナトリウムやアルギニン、アルギニンエチルエステル、ポリアミン、塩酸グアニジン、塩化ナトリウムなど各種添加剤を加えたときの加熱凝集および加熱失活の時間変化を一次速度式にフィッティングし、その見かけの速度定数を比較した結果が報告されている(1)。興味深いことに、どの添加剤条件においても時間変化は一次反応式に一致し、single exponential で記述できることが示されている。これは、添加剤の有無によらず、リゾチームの熱変性や凝集が基本的には同じ経路にしたがって進行しており、添加剤はその経路を変えるのではなく、主として律速過程の速度定数だけを変化させていることを意味する。
添加剤がない場合の凝集の速度定数に対し、アルギニンを 100 mM 添加すると、その値はおよそ半分に低下し、凝集速度が抑制されることは前項で述べた。さらに、アルギニンのカルボキシル基をエチルエステル化したアルギニンエチルエステルを添加すると、凝集の速度定数は添加剤なしの場合より約 1 桁小さくなり、格段に強い凝集抑制効果を示した。
アルギニンは、グアニジニウム基によるカチオン–π相互作用や弱い疎水性相互作用を通じて芳香族残基や疎水面に吸着しつつ、正電荷を持つことでタンパク質間の相互作用を緩和すると考えられている(2)。アルギニンエチルエステルは、カルボキシル基をエステル化して電荷を中和した分だけ全体としてより強いカチオン性を持つため、変性リゾチーム表面の疎水領域への親和性が高まる。その結果、タンパク質同士がぶつかったとしても直接の疎水面の接触に至るまでに越えなければならない障壁が高くなり、凝集の速度定数が 1 桁程度まで大きく低下したと解釈できる。
◆添加剤効果の分析:アミン・変性剤・イオン
同様に、多価カチオンであるスペルミンを加えた場合も、アルギニンエチルエステルと同程度の強い凝集抑制が観測された。スペルミンやスペルミジンなどのポリアミンが、リゾチームを含む多くのタンパク質の加熱凝集を顕著に抑制することはすでに報告されており(5)、今回の結果もそれとよく整合している。スペルミンのような多価ポリアミンは、高い正電荷密度と柔軟な鎖構造によって、水になじみやすい負電荷の領域と疎水性の高い芳香族アミノ酸側鎖とも相互作用することができ、変性タンパク質の周囲にいわば動的な保護殻のようなものを形成することで、凝集核形成を強く抑制していると考えられる(6)。
一方、塩酸グアニジンは典型的なタンパク質変性剤として知られているが、本実験のような 100 mM 程度の低濃度では、リゾチームを完全変性させるための数十分の1の濃度しかない。この低濃度条件下では、塩酸グアニジンの凝集および失活への影響はアルギニンと同程度であり、変性剤としての強い構造破壊作用というよりは、むしろ弱いカオトロープとして水構造やタンパク質表面との相互作用をわずかに変化させ、部分変性状態どうしの凝集を抑制していると解釈する方が妥当である。このように変性剤は、タンパク質を変性させない濃度では、タンパク質分子間相互作用の抑制剤として働くことができる(7)。
塩化ナトリウムを 100 mM 添加した場合の凝集と失活の速度定数は、添加剤なしの場合とほとんど変化しなかった。もともとの系が 100 mM リン酸緩衝液中であり、イオン強度としては既にそれなりに高い条件であるため、さらに 100 mM 程度の NaCl を追加しても、静電相互作用の遮蔽やデバイ長の短縮といった効果が、凝集の律速段階には顕著に現れなかったと考えられる。言い換えれば、立体構造が壊される高温、高濃度のコスモトロープ緩衝液であるリン酸が含まれた中性溶液条件では、リゾチームの熱凝集は主として疎水性相互作用に支配されており、静電的な反発や遮蔽効果は添加剤によってほとんど影響しないことを意味する。
参考文献
1. Shiraki, K.; Kudou, M.; Nishikori, S.; Kitagawa, H.; Imanaka, T.; Takagi, M. Arginine ethylester prevents thermal inactivation and aggregation of lysozyme. Eur. J. Biochem. 2004, 271, 3242–3247.
2. Miyatake, T.; Yoshizawa, S.; Arakawa, T.; Shiraki, K. Charge state of arginine as an additive on heat-induced protein aggregation. Int. J. Biol. Macromol. 2016, 87, 563–569.
3. Hamada, H.; Takahashi, R.; Noguchi, T.; Shiraki, K. Differences in the effects of solution additives on heat- and refolding-induced aggregation. Biotechnol. Prog. 2008, 24, 436–443.
4. Yoshizawa, S.; Arakawa, T.; Shiraki, K. Thermal aggregation of human immunoglobulin G in arginine solutions: Contrasting effects of stabilizers and destabilizers. Int. J. Biol. Macromol. 2017, 104, 650–655.
5. Kudou, M.; Shiraki, K.; Fujiwara, S.; Imanaka, T.; Takagi, M. Prevention of Thermal Inactivation and Aggregation of Lysozyme by Polyamines. Eur. J. Biochem. 2003, 270 (22), 4547–4554.
6. Shiraki, K.; Tomita, S.; Inoue, N. Small Amine Molecules: Solvent Design toward Facile Improvement of Protein Stability against Aggregation and Inactivation. Curr. Pharm. Biotechnol. 2016, 17 (2), 116–125.
7. Hamada, H.; Arakawa, T.; Shiraki, K. Effect of Additives on Protein Aggregation. Curr. Pharm. Biotechnol. 2009, 10 (4), 400–407.
◆共凝集
2種類のタンパク質を混合して加熱したときに生じる共凝集は、1種類のタンパク質溶液での凝集よりも著しく進みやすくなる場合がある(1)。β-ラクトグロブリン(BLG)と卵白リゾチーム(LYZ)の系を例に考えてみたい。中性付近の pH では、LYZ は等電点がpH 10.7 の塩基性タンパク質であり、正電荷を帯びている。一方、BLG は等電点がpH 5.1 の酸性タンパク質であり、同じ条件では負電荷を帯びる。したがって、それぞれを単独溶液としてみた場合には、LYZ 溶液中では正電荷同士、BLG 溶液中では負電荷同士の静電反発が働き、加熱して構造が部分的に崩れても分子間会合が起こりにくく、凝集は進みにくい。実際、BLG は中性付近で 65–70 ℃ 程度に熱変性の中点温度を持つとされるが、BLG や LYZ の単独溶液を 70 ℃に保持し、分光光度計で 400 nm 付近の濁度を追跡しても、少なくとも 2000 秒程度の時間スケールでは白濁はほとんど観察されない(1)。
これに対し、中性 pH 条件で BLG と LYZ を混合して加熱すると、数秒オーダーで急速に白濁が立ち上がり、共凝集が進行する様子が観察される(1)。単独系では 2000 秒以上たってもほとんど白濁しないのに対し、混合系では数秒で白濁が始まるので、凝集の進行速度は 3 桁程度速いことになる。これは、BLG が負に、LYZ が正に帯電しているため、異種分子間では長距離の静電引力が働き、まだ完全には変性していない部分的に展開した状態でも、分子同士が接近しやすくなるからである。いったん近接した状態が実現すると、疎水性相互作用などの短距離の引力に強まり、異種分子からなる共凝集体が急速に成長する(2)。
このような「正電荷と負電荷をもつタンパク質の共凝集系」において添加剤効果を調べると、単一タンパク質溶液に比べて、添加剤による凝集抑制効果が際立って大きく観察される(1)。1種類のタンパク質の加熱凝集では、十分な凝集を起こすために高温・長時間の条件が必要であり、そのような強いストレス条件では添加剤の効果が相対的に見えにくい。これに対して、BLG–LYZ 混合系ではもともと凝集が起こりやすい条件にあるため、同じ添加剤でも比較的弱い作用が大きな差として現れる。
具体的には、0.5 M の NaCl を加えると、共凝集のラグタイム(t₀)がおよそ 2 桁程度延び、見かけの凝集速度は約 100 分の 1 まで低下する(1)。これは、イオン強度の上昇による静電遮蔽効果によって、BLG と LYZ 間の静電引力が弱まり、会合の初期過程が大きく抑制されるためである。また同時に、この系での凝集は静電引力が律速になっていることも示唆している
同じ濃度の NaSCN を加えるとラグタイムの延長は約 1 桁程度にとどまるのに対し、Na₂SO₄ では 3 桁近い延長が観察される(1)。一般に NaSCN はタンパク質構造を不安定化するカオトロープ、Na₂SO₄ は構造を安定化するコスモトロープに分類されることから、部分的変性/非変性の境界付近の温度をトリガーとする共凝集では、構造を安定化するコスモトロープの方が、むしろ強い凝集抑制効果を示すことが分かる。
さらに、同じ 0.5 M 条件でアルギニン塩酸塩を加えると、NaCl や Na₂SO₄、NaSCN のいずれよりも顕著にラグタイムが延長し、共凝集の成長段階(初期速度)も強く抑制される(1)。無機塩や糖は主として核生成段階(ラグタイム)に類似した効果をもたらすのに対し、アルギニンは核生成と成長の両方の過程を特異的に抑制することが示されている。すなわち、このような共凝集が起こりやすい環境における弱い熱ストレスに対しては、アルギニンは無機イオン、コスモトロープ/カオトロープ、糖、変性剤などと比較して、最も強力な共凝集抑制添加剤として働く。
◆共凝集による見かけの凝集温度の低下
一方のタンパク質がより低温で凝集する場合、他方のタンパク質を巻き込むように共凝集が進行する。その分かりやすい例として、オボトランスフェリン(OVT)とリゾチーム(LYZ)の混合系における温度依存的挙動が報告されている(3)。OVTは等電点(pI 6.0–6.5)より高いpH 9.0の50 mMグリシン緩衝液中で負のゼータ電位(約−16 mV)を示す。一方、LYZはpI 11前後であり、同条件下で正のゼータ電位(約+7 mV)を示す。これらを個別に加熱すると、OVTは50 ℃付近から可溶性が低下し、60 ℃でほぼ完全に沈殿した。OVTに等モル量のLYZを加えた場合でも、OVTの凝集曲線は単独系とほぼ一致し、OVTの熱変性・凝集挙動はLYZの存在にほとんど影響されなかった。
興味深いのはLYZ側の挙動である。LYZは単独では65 ℃以上にならないと顕著な凝集を示さないが、OVT共存下では50 ℃付近から可溶性が急激に低下し、OVTと同様の温度範囲で沈殿した。すなわち、部分変性したOVTが先に可溶性凝集体を形成し、その表面に構造を保ったままのLYZが取り込まれることで、LYZが見かけ上の低い凝集温度を示す。
メカニズムは、bLG–LYZ系やOVA–LYZ系と同様に、静電的引力を基盤とした共凝集で説明できる。pH 9.0においてOVTは負電荷、LYZは正電荷を帯びるため、LYZは負に帯電したOVT凝集体の表面に結合しうる。その結果、OVT凝集体同士の静電反発が弱まり、コロイド安定性が低下して疎水性相互作用が優位となり、大きな不溶性共凝集体へと成長すると考えられる。
参考文献
1. Oki, S.; Iwashita, K.; Kimura, M.; Kano, H.; Shiraki, K. Mechanism of Co-Aggregation in a Protein Mixture with Small Additives. Int. J. Biol. Macromol. 2018, 107 (Pt B), 1428–1437.
2. Iwashita, K.; Handa, A.; Shiraki, K. Coacervates and Coaggregates: Liquid–Liquid and Liquid–Solid Phase Transitions by Native and Unfolded Protein Complexes. Int. J. Biol. Macromol. 2018, 120 (Pt A), 10–18.
3. Iwashita, K.; Handa, A.; Shiraki, K. Co-aggregation of Ovotransferrin and Lysozyme. Food Hydrocoll. 2019, 89, 416–424.