オープンキャンパス2025/6/15
ブロック図(ブロック線図 block diagram)は、システムを表現、分析するうえで最も基本的かつ重要な技法である。
ある対象を箱として描き、入力、出力それぞれを矢印をつけた有向線で表す。入出力の線は分配と、加算、減算、乗算などの演算で統合が可能である。この演算は丸で書かれ多入力1出力のブロックの簡略表現でもある。こうして描かれた様々な部品の関係図は、複数のブロックがネットワークとして繋がった形で、システムの内部構造を表す。
入出力は信号であったり物理的な物体であったり情報であったり転移可能な事物の流れを表す。また、必ずしも図の全体で同じものではない。ブロックは入力から出力を生み出す機能であり、機器であったり、物体であったり、記述の難しい概念的なシステムであったりする。
全体を表すシステムブロックは、その内部構造をいくつかのシステムブロックの繋がりとして表現できるとき、内部のブロックをサブシステムと呼ぶ。全体システムはサブシステムからなり、サブシステムはその内部にまた複数のサブサブシステムを持つという再帰的な階層構造でできている。
電子回路の回路図、作業工程図、財務フロー図など、それぞれの目標に特化した簡略表現を加えることで、様々なシステムの記述に用いられる。
ブロック図による基本的なシステム分析
直列システム ブロックAの出力がブロックBの入力となり、ブロックAの入力からブロックBの出力が決まる順次構成のシステム
並列システム 入力が分配されブロックAとブロックBの入力となり、ブロックA、B、二つの出力が一つに統合された並列構成のシステム
フィードバックシステム ブロックAの出力が帰還して再びブロックAの入力に加わるシステム。帰還の係数の正負により、ネガティヴフィードバックとポジティブフィードバックがある。リカレントシステムとも呼ばれる。
基本的には内容や接続が変化しないことを前提としている。これを時不変システム (time-invariant system)という。
学習などによりブロック内部が変化することがある。こうしたシステムを時変システムという。折れ矢印を用いて時変であることを表すことが多い。
ブロック線図はとくに制御理論と、線形システム理論(現代制御理論)でよく用いられ、そこで一定の安定した記法もある。いっぽうその他の分野でも頻繁に用いられておりブロック図全体としては定まった規則があるわけではない。