ファジィ理論
ファジィ理論は人の行うあいまいな情報処理を手本として、複雑なシステムを簡潔かつ正確に扱うことを目指した、システム科学パラダイムの一つである。とくに複雑なシステムとして人のモデル化、社会システムのモデル化に成果をあげている。
ファジィ理論は、ファジィ 集合と、ファジィ論理、ファジィ測度を基礎としている。ファジィ 集合にもとづいて、ファジィ述語論理、ファジィ推論が構築され、これによってシステム記述を行う。またファジィ測度に基づきファジィ 積分によりあいまいな評価システムのモデル化が行われる。
ファジィ集合は、通常の集合を拡張し、あいまいさを含む日常的な概念を表現する。ファジィ集合 A は、全体集合 U の要素 x 各々について、それがAに属する度合いをメンバーシップ値 \mu_A(x) \in [0, 1]で与えるメンバーシップ関数によって特徴づけられ、この関数をもってファジィ集合Aの定義とみなす。従来の集合を、そのメンバーシップ値が、属する、属しないの二値 {0, 1} しか取らないファジィ集合とみなせば、ファジィ集合は従来の集合の自然な拡張となっている。