オープンキャンパス2025/6/15
ファジィ論理(Fuzzy Logic Calculation)は、論理の真理値にファジィ理論的なあいまいさを導入したものである。古典論理での真理値は真と偽の二値に対して、ファジィ論理はこれをいくつかの方法で拡張したものである。
[0,1] 区間 実数値真理値 (多値論理)
ファジィ真理値 (ファジィ集合によるあいまいな真理値)
実数値真理値は、0に近いほど偽であり、1.0に近いほど真である。たとえば真理値 0.8 の命題は、かなり真と言える。
ファジィ真理値は、[0, 1]区間上のファジィ集合であり、0付近に分布する形ならば「およそ偽」のようにあいまいに言える。
ファジィ推論は、ファジィ論理を基礎として構築されおり、実数値真理値、ファジィ真理値のどちらの上にも定義可能である。実際には、ファジィ制御などの応用において、ほとんどの場合、実数値真理値が用いられる。
ファジィ命題は、あいまいな命題であってその真理値がファジィ論理の真理値をとる。
たとえば、「ラーメンは美味しい」という言明を、あいまいな命題としてみると、その真理値は真偽の二値で決定することは不可能である。日常感覚においては「「ラーメンは美味しい」は、ほぼ真と言える」と割り付けることができ、その真理値はあいまいである。「ほぼ真」を0.9とすれば実数値真理値で表したことになり、0.9を頂点とするファジィ集合「ほぼ真」とすればファジィ真理値で表したこととなる。
ファジィ推論でよく用いられる多値論理的な演算を紹介する。
ファジィ命題 P と Q の真理値を 0 ≦ p, q ≦ 1.0 で表す。p=0.0 は完全に偽、p=1.0は完全に真である。p=0.5については、どちらとも言えない、もしくは、わからない、とする。
「PかつQである」の真理値 = min(p, q)
「PまたはQである」の真理値 = max(p, q)
「Pでない」の真理値 = 1 - p
ここで、min, max の演算はそれぞれ t-norm, t-conorm に属する演算をとる。ファジィ制御では (p x q) と (p + q - p x q) の算術積と算術和を使うことがある。
ファジィ述語論理は、述語論理をファジィ拡張した、あいまいな述語論理である。述語論理は、AI分野の知識表現、推論やエキスパートシステムで用いられた論理の形式で、変量をとる命題である。変量については限量子(∀、∃)を伴うことがある。
たとえば、カニ(x)、という述語命題は「物体 x はカニである」と読みxに応じて真理値が変化する。
熱い(t) 、と書けば、「温度 t は熱い」というあいまいなファジィ述語命題を表す。