研究室紹介

はじめに

「彼を知り己を知れば,百戦して殆からず。

彼を知らず己を知れば,一勝一負す。

彼を知らず己を知らざれば,戦う毎に必ず殆し。」

「孫子」謀攻篇


これは,中国の古代(春秋時代:紀元前500年ごろ)の兵法家である孫武が,著書「孫子」の中で記した言葉です。

敵と戦うとき,「彼(=敵)」を知り「己(=自分)」を知ること,これにより適切に判断を行うことの重要性を説いた言葉です。


日本は世界でも有数の地震国です。将来起こりうる巨大地震に対し、人々の営みを支える建築物の安全性を確保するにはどうすればいいでしょうか?私は上の孫子の言葉を借りれば、


「彼を知り己を知れば,百戦して殆からず。」

すなわち、

将来起こりうる地震により建築物へ入力される破壊力(=「彼」)を知り,

これから新しく建てる建築物,または既に人々に使われている建築物(=「己」)を知って,必要に応じて適切な備えを行えば、

これから生じるであろう巨大地震に対しても、過度に恐れる必要はない(だろう)

と考えています。


藤井研究室では、これを目標として、以下の3つを研究の大きな柱として研究を行っています。

  1. 「地震動の破壊力」を考える(「彼」を知る)
  2. 建築物の地震応答の推定手法を考える(「己」を知る)
  3. 耐震性能の高い建築物の設計方法を考える(適切な備えを行う)