落ちる、黒く染まった黒白の王国に、
妖精(ピュリフィカント)と邂逅した少女は剣を手にする。
そこは形のレルム。
形の影響を受け、魔物(コンタミナント)は簡単な形をした姿となる。
四角の部屋で、
少女は丸の魔物と相対する。
ここでは形のスキルを使用可能だ。
三角のスキルを発動し、
丸の魔物を消滅させる。
扉を抜けるとそこは色のレルムだった。
ここでは存在は色の影響を受ける。
赤の部屋で、少女は青の魔物と相対する。
ここでは色のスキルを発動可能だ。
緑のスキルを発動し、
青の魔物を消滅させる。
二つ目の扉の先は、
数のレルムだった。
偶の数は奇の数を弱点とする。
逆に奇の数は、偶の数を弱点とする。
少女はコンタミナントの弱点因子を突き、
次に進む。
扉の先は、集のレルムだった。
ここでは似た存在が集まるレルムだ。
このレルムでは集合演算を発動可能だ。
集合演算を駆使して少女は先に進む。
「数はスキルを持つ」
「和のスキルによって零となる数を反数と呼ぶ」
「積のスキルによって一となる数を逆数と呼ぶ」
「では一の反数は?」
そこは負の世界だった。
負の世界は正の世界が反転した世界。
通常の数に負の数を足すと、
その数が負の数の方へ大きくなる。
では1と同じ量を持つが向きが異なる、
-1を加えたら?
向きと量が相殺され、起点の零へと帰る。
少女は黒白の王国を探索する。
代数のレルムでは、
数と数のスキルがセットになって代数として、
世界を支配する。
単なる加減乗除の世界とは異なり、
多様な演算が存在する。
そのため代数ごとに名をつけられ、
通常の加減乗除の世界での概念にも特別な名をつけられている。
単位元はスキルの影響を受けても、もう一つの数は影響を受けず、
逆元はスキルの影響を受けると、単位元となる。
零元はスキルの影響を受けると、零となり、
零でない数との積によって零となる因子を零因子と呼ぶ。
レルムに存在する概念の最小単位を因子と呼び、
形のレルムでは形が因子を成し、
数に関するレルムでは数が因子を成す。
集のレルムでは個が因子を成し、
色のレルムでは色が因子を成す。
竜の祖を龍と呼び、
龍(ドラゴン)は竜のドメインで誕生した。
ドメインは文字の次元を持つレルムだ。
レルムもドメインも宇宙も空間であり、
時を持つ空間を時空と呼ぶ。
そして全ての空間の集まりをオムニバースと呼ぶ。
レルムは公理によって創世された時空であり、
ドメインはレルムの中でも文字の次元を持つ時空である。
黒白の王国に、
ドラゴンが出現し、
剣を手にドラゴンと交戦する。
星海は何らかの理由で創世される。
星海とともに、公理と呼ばれる法則も時空についてくる。
空間の法則を理と呼び、
星海自身の理とは異なる、理を持つ時空を虚構と呼ぶ。
一方星海自身の理で動く時空を現実と呼ぶ。
虚構の時空をレヴァリエ空間と呼び、
レヴァリエ空間では、現実の世界では物体として振る舞わない、
理自身の因子、つまり抽象的な概念が実体として空間や物として振る舞う。
この現象を術式と呼び、術式にエネルギーを与える事によって、
抽象概念を制する事ができる。
一方、このような世界では、
抽象概念、つまり公理自身が厄災として人の身と魂に災いをもたらすこともある。
それは次元の呪いやコンタミネーションなどと呼ばれる。
コンタミネーションはコンタミナントと呼ばれる魔物をスポーンさせ、
公理の力を以って人々に襲う。
ある虚構の世界、結び目の大陸の冒険者として、
黒白の世界でチュートリアルを終えた少女は、
時のドメインにスポーンする。
少女の名はリナリア、
姉のリアトリスとともに、結び目の城廓の冒険者となった。
結び目大陸には勇者 ティエラや、姫 センテレオと王子 ソンブラ、
など強力な冒険者が存在する。
彼らは歴史に名を残し、強大な始祖コンタミナントと呼ばれる、
コンタミネーションによってスポーンするコンタミナントを倒してきた。
始祖コンタミナントは他のコンタミナントを追加スポーンさせる非常に強大な敵である。
リナリアは結び目のギルドで、
通常コンタミナント討伐クエストを受注した。
通常コンタミナント スライムは、
HPを減らす攻撃をしてくる。
リナリアは攻撃を回避し、
スライムを消滅させる。
HPは生命力とも呼ばれ、
零になるとリスポーンする必要がある。
冒険者 ティエラは順序環のレルムで、
無限次元の部分時空の時に演算するスキルを発動し、
テトレーションを成す代数の部分レルムで、
星海コンタミナントが発動する星属性の強力な攻撃を回避し、
超複素ダメージをコンタミナントに与えた。
リナリアは結び目ギルドで、
冒険者プレート-小-を注文し、
コンタミナントの逆因子であるピュリフィカントの頭を撫でた。
魔法陣は術者によって多様な形状が存在する。
正方形の魔法陣、円の魔法陣、星型の魔法陣、フラクタルの魔法陣、
不可能図形の魔法陣など、
魔法陣の色と形によって術式の性質が変化する。
弾幕は律動とも呼ばれ、
律動は術式の一種である。
魔法陣には術式を記述する記号である、
幽字が刻まれる。
術者によって、手書き入力、
音声入力、キーボードによる入力など、
幽字と記号の入力は多様である。
リナリアの目的は、
なぜパルマコンが第Ⅰのコンタミネーションを引き起こしたか知ること、
リアトリスとリナリアは、コンタミナントに故郷を滅ぼされた。