2024年度 第3回研究発表例会(オンライン)
15:00~15:05
開会の辞 開会の辞 原田香織 研究所長代理
15:05~15:35
水谷 香奈 客員研究員
15:45~16:15
岩崎 大 客員研究員
16:25~16:55
佐藤 厚 客員研究員
17:15~17:20
閉会の辞 原田香織 研究所長代理辞
●発表題目・要旨
【発表者】
水谷 香奈 客員研究員
【題目発表】
明治・大正期における霊魂論の諸相について
【発表要旨】
井上円了は1899年に『霊魂不滅論』を世に問い、仏教を中心とした哲学思想に基づいて霊魂の存在を力説した。一方、たとえば同志社大学の第6代社長(総長)を務めた工学博士・下村孝太郎も『霊魂不滅観』(1922年)を著すなど、このテーマが科学的分野に携わる者にとっても関心の対象であったことが伺える。本発表では近代日本の多様な霊魂論を比較、分析することにより、当時の人びとの霊魂に関する問題意識や、そこで提示された回答に見られる傾向性について考察を試みたい。
【発表者】
岩崎 大 客員研究員
【題目発表】
死生観としての不老不死願望とその批判-始皇帝の死と徐福伝説-
【発表要旨】
不老不死願望は古来より世界各地に存在し、不死の霊薬を求めて奔走した秦の始皇帝や、練丹術、錬金術等の研究は、今日のバイオテクノロジー研究につながっている。その一方で、不老不死を獲得した人間を描く物語はほぼ全て悲劇である。本能的欲求の延長として死を避けることに対して、悲劇に象徴される不死を避ける願望はいかにして成立するのか。水銀を飲んで死んだとされる始皇帝や、その命を受け日本を訪れたとされる徐福伝説等の事実や物語から分析する。
【発表者】
佐藤 厚 客員研究員
【題目発表】
『華厳五教章』テキスト論における澄観の問題
【発表要旨】
『華厳五教章』のテキストには和本、宋本、錬本があり、どれがオリジナルなのかいまだ決着を見ていない。この中、澄観が宋本と解釈できるものに言及する記事は重要な意味を持つ。これが正しければ澄観の時代から宋本と同様のテキストが流通していた証拠になるからである。本発表では澄観の証言についての研究史を整理すると同時に、澄観の『五教章』引用について考察する。
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