このページには、論文のリジェクトの記録をします。論文がリジェクトされるのはつらいですが、リジェクトから得られる教訓もあると思います。
1. Earthquake size distribution in subduction zones controlled by slab buoyancy (2014)
雑誌 Nature
判定 Editor reject (1 week)
反省 エディターのコメントによるとNatureでは「科学的進歩」、「幅広い関心」、「タイムリーさ」が最も重視されるようだ。このどの点も本論文は不足していた。とくに「タイムリーさ」は全くない。沈み込み帯物理プロセスや地震災害への理解を大きく進歩させるような論文が求められている。今後はこれらの点に留意しながら論文やカバーレターを執筆しよう。
2. Slow earthquake segmentation as a barrier to the Tohoku-Oki earthquake rupture (2019)
雑誌 Nature
判定 Reject (3 months)
反省 「Nature本誌に値する概念的進歩が足りない」というのがエディターのコメント。本研究は日本海溝のスロー地震研究の総まとめ的な研究であったが、総まとめであるがゆえに概念的進歩は足りなかった。既成概念を根底から覆すようなアイディアが求められている。査読者のコメントは概ね好意的だっただけに残念。姉妹誌のNature GeoscienceではなくNature本誌でなければならぬ理由、そこを詰めないといけない。一方、Natureと双璧をなすScienceでは、総まとめ的な研究は好意的に受け止められたというのも興味深い。Scienceには大きな概念的進歩は必須ではないようだ。