ここには、地震に関する私の日頃の疑問をリストアップします。学問的重要度は未解決問題と比べれば高くないですが、まだ解明されていない謎です。
1. 微動は大地震の破壊に対するバリアとして機能するか?
2. 海山とスロースリップ、微動の関係。
3. プレート境界地震のアフタースリップが東北地震の巨大固着域に侵入したことはあるが、スロースリップが南海地震の巨大固着域に侵入したという話は聞かない。なぜか?
4. スロースリップの核形成プロセス、とくにモーメントの時間発展の解明。大きなスロースリップと小さなスロースリップはモーメントの立ち上がりで区別できるか?
5. スロースリップ活動あるいはスロー地震活動の統計モデルは作れるか?
6. アフタースリップとスロースリップは物理的に違う現象か?
7. 南海地震、東南海地震、東海地震は深部スロー地震領域と浅部スロー地震領域をコサイスミックに破壊するか?
8. フィリピン海プレート上の房総沖スロースリップと関東地震の関係。関東地震前、時、後にスロースリップ領域はどう振る舞うのか?
9. 群発地震とスロースリップ、微動とスロースリップ、群発地震と微動とスロースリップ、スロースリップのみを起こすプレート境界があるが、この四者の違いを生む原因は何か?
10. スロー地震発生域の詳細な地震学的・地質学的構造
11. 三陸沖で発生するウルトラスロー地震の正体は何か?スロースリップか?アフタースリップか?それ以外か?
12. 超低周波地震と微動の関係。これらは同じ現象を異なる周波数帯で見たに過ぎないのか?その物理的、地質学的実体。
13. スラブ内地震、流体、プレート境界スロースリップの関係
14. 伊豆小笠原・マリアナ海溝のスロー地震活動の全容解明
15. なぜ琉球海溝のスロー地震活動は規則性やセグメントが明瞭でないのか?それとも単なる観測限界か?南海と違うのはなぜか?
16. 地質境界と地震活動、スロー地震活動の関係
17. どんな岩質(lithology)の沈み込み帯がスロー地震を起こしやすいか?起こしにくいか?
18. 微動と地震は連続的な物理現象なのか?言い換えれば、微動と地震の中間的性質をもつ断層滑りは存在するのか?
19. 津波地震を起こす地域、起こさない地域の違いは何か?津波地震分布の解明。
20. 津波地震と微動の関係
21. 機械学習は地震予測にどこまで迫れるか?人間の作った地震予測モデル(ETAS)を超えることはできるか?
22. なぜ東北沖地震は日本海溝を全て破壊し尽くさなかったのか?日本海溝の最大地震サイズを決めるものは何か?あるいは最大地震サイズ自体が存在するのか、しないのか?
23. 微動はどのような断層滑りなのか?微動の断層滑りと流体とはどうのような関係なのか。
24. スロースリップ、流体、地震活動の相互作用の解明
25. 延宝津波地震の震源域とスロー地震活動の相対的位置関係
26. 短期的スロースリップと長期的スロースリップの違い。モーメントレート関数の始まりだけを見て、両者を区別できるか?区別できるなら短期と長期は根本的に異なる物理現象であると言えるか?それとも短期的スロースリップの寄せ集めが長期的スロースリップなのか?長期スロースリップイベントが小さな短期的スロースリップイベントに分割可能であるならスロースリップイベントはどこまで分割できるのか、最小単位は何か?
27. 巨大地震の繰り返し周期や滑り量から概算すると日本海溝のプレート境界の破壊エネルギーは南海の破壊エネルギーよりも大きくなる。大きな破壊エネルギーの原因は何か?そもそも本当に大きいのか?
28. 内陸断層はクリープするか?
29. スロー地震・地震MTスケーリングのギャップを埋める地震現象は存在しないのか?存在するなら、なぜその現象はまれなのか?具体的にいえば、1時間かけてM8の断層滑りが自発的に起こるような現象はなぜ観測されたことがないのか?スロー地震と地震の中間的滑りが見つからないのはなぜか?
30. スロースリップの特徴的物理量、滑り速度1cm/day、破壊伝播速度10km/dayは何によって規定されているのか?
31. 地震(3 MPa)とスロースリップイベント (10 kPa)の典型的応力降下量を決めるものはなにか?
32. 津波地震の破壊伝播速度と、その原因。
33. 固着域内でおこるアフタースリップと、固着域の外で起こるアフタースリップは同じ現象か?
34. 東北地震前の日本海溝の微動活動(東北大学の研究グループにより解決)
35. 微動と前震の関係
36. 微動とプレート境界大地震の破壊開始点の関係
37. 大地震の固着のはがれの多様性とその原因
38. 内陸断層はスロースリップイベントを起こすか?
39. ある程度の予言能力をもつ地震サイクルシミュレーションを実現するためにはどこまで微視的物理に踏み込めば十分なのか?破壊エネルギーという巨視的物理量だけで十分なのか、それとも破壊プロセスの詳細を把握しないといけないのか?