早稲田大学大学院法学研究科で法社会学の研究をしたい方を歓迎します。
まだ着任したばかりなので、わからないことも多いのですが、研究指導の方針や大学院での教育につき、簡単に記しておきます。
研究指導の方針
法社会学とは、法が社会の中でどのような機能や意味を有しているか、を社会学的調査から明らかにする学問分野です。それゆえ修士課程や博士後期課程の院生への研究指導においても、各自が選んだ研究トピックにつき、オリジナルな調査を自ら進められるようになることを目標にアドバイスをしていきます。
研究トピックは、「法と社会」に関連するものであれば、何でも歓迎です。院生が新たに取り組む研究から私も勉強していきたいと考えています。もちろん私がこれまで取り組んできた研究内容に関心ある方も歓迎です。
研究指導の内容は、調査の進め方、先行研究の調べ方や読み解き方、論文の書き方など、方法に関するものを中心に行う方針です。
社会学的調査としては、インタビューや観察調査などの質的調査法と、アンケートやデータ分析などの量的調査法の二つがあります。私自身は、質的調査法と量的調査法の二つを結びつけながら、調査を実施することを得意としてきたので、どちらの調査法でもアドバイスできます。前任校である立命館大学政策科学部では、学生が社会調査士資格を得るための調査実習や調査法の授業を担当していました。
また外国法を法社会学的に研究したり、歴史研究を法社会学的に行うといったアプローチも歓迎です。
大学院での教育につき
大学院での授業は、法社会学研究Ⅰ,Ⅱでは「質的調査法への招待(春学期)」、「量的調査法への招待(秋学期)」 とし、調査法を中心に行っています。法社会学特殊研究Ⅰ(春学期)、Ⅱ(秋学期)では、社会科学の論文の型や構造を分析し、各自の研究トピックに関する先行研究のレビュー論文を書けるようになることを目標に進めています。
現在、いずれも4名の受講生です。関心のある方は、授業見学も歓迎です。
事前のコンタクトや入試につき
入試や進学に関わることは、研究科のHPにまとめられている通りです。
事前の相談や研究室への訪問も歓迎です。takamura☆waseda.jpまで連絡ください(☆を@に)
ただし、事前の相談・訪問は、ミスマッチを避けることが目的ですので、必須という訳ではありません。ただ、進学前にミスマッチを避けることは重要だと思っていますので、事前のコンタクトはどうぞ遠慮なく。
法社会学は学際的な分野なので、法学部以外の学部からの進学も歓迎です。ぜひ学部時代に身につけたことを活かしてもらえればと思います。ただ、法学研究科での学位取得となるので、入学前に法学の入門書を幅広く読んだり、入学後も自らの研究トピックに近い実定法学の授業を受講したり、英語で法学文献を読み解く力をつけたりといったことが必要になります。これらについても段階に応じてアドバイスをしたいと考えています。