第173回

日時:10月24日(土) 16:00ー17:30

発表者:大久保暢俊(東洋大学人間科学総合研究所)

場所:東洋大学白山キャンパス 6号館2階6202教室

発表者:大久保暢俊(東洋大学人間科学総合研究所)

概要:

比較の結果としての自己評価に影響する要因として、自己や比較他者以外の第三者の影響を検討した一連の研究を報告します。はじめに、自己評価や自己高揚といった比較の機能や認知プロセスを検討した研究を簡単に概観し、社会的比較の特異性を見出すことが困難であることを指摘します。続いて、Festinger (1954)の社会的比較過程理論に立ち戻り、「自他の相対的位置」を知ること自体が比較の目的で、かつ、そのような相対的位置は特定の社会状況と不可分であることを議論します。そして、そのような状況の典型例として、「社会的比較における第三者」を取り上げます。実証部分では、第三者が比較他者の遂行に注目する状況を想像することで、社会的比較による対比効果が顕著となることを示します。これらの結果から、自己と他者との比較の意味を検討できればと考えています。