日時:2014年6月7日(土) 16:00~17:30
場所:東洋大学白山キャンパス 6号館3階 6311教室
発表者:桐生正幸 先生(東洋大学)
タイトル:日本における犯罪心理学の現在と今後(仮)
概要:
日本における犯罪心理学は、それまで、矯正・予防を検討する「臨床心理学」、逸脱理論などを展開する「犯罪学」、精神鑑定を主とする「司法精神医学」の各研究成果により形成されていた。このことから、司法関連業務に携わる者以外は犯罪心理学の研究が困難であるような状況を生み出すこととなった。2000年前後、生理心理学の実験検証を経たポリグラフ検査が、犯罪捜査場面にて効果的であることが学会にて報告され、加えて英米の目撃証言研究の紹介が行われ、犯罪心理学の新たな展開が始まる。特に、社会心理学や環境心理学の影響を強く受けた「犯罪者プロファイリング」や「地域防犯」については、関連学会にて大学院生の研究報告も多数見られるといった状況となっている。
犯罪もまた、生物学的要因と社会学的要因の影響を受けた社会行動の一つである。よって、犯罪事象を、より実証的に探究するため、社会心理学の役割は大きいと考える。今回は、希望や妄想も交えながら、今後の犯罪心理学を模索してみたい。