【日時】5月27日(土)16:30~17:30
【タイトル】時間的および社会的自己制御における社会・文化環境の影響
【発表者】石井敬子 先生(神戸大学大学院人文学研究科)
【要旨】
人は日常さまざまな意思決定に直面する。例えば自分が遠い将来に大きな利益を得ることができるとき、それをがまんすることができるのか。それとも即時的な小さな利益を選んでしまうのか。また、他者に利益を分け与えるとき、どの程度の関係の他者であれば、自分の利益を犠牲にするのをがまんすることができるのか。このような意思決定において衝動性が高いほど即時的な利益を選択しがちであるが、前者の例であれば時間的な自己制御が、後者の例であれば社会的な自己制御がそれぞれできるほど未来志向的なもしくは他者志向的な判断が可能になる。本発表では、このような時間割引および社会割引の傾向に文化や社会経済的地位による影響があることを示した近年の研究成果について述べ、今後の展望について議論する。