今回は、関東と関西合同でStudent Chapterを開催する運びとなりました。
日程は9/25-9/26の二日間で、開催場所は産総研(茨城県つくば市梅園1-1-1)にて開催させていただきます。
4年ぶりの合同開催ですので、皆様奮ってご応募ください!
産総研 つくば中央事業所 共用講堂 (茨城県つくば市梅園1-1-1)
荒井駿 氏 (東京大学)
タイトル:「仮説検定性能による数理モデルの接続 ~一般確率論による量子論の導出と量子論による一般確率論の実現~」
アブストラクト:一般確率論(General Probabilistic Theories)は、量子論の基礎づけに対する現代的なアプローチであり、状態や測定を操作的に定義する数理モデルを包括する枠組みである。この枠組みには、古典論や量子論に加えて無数の仮想モデルが含まれる。
本講演では、一般確率論の簡単な導入から始めて、「数理モデルの接続」という観点から、二つの結果を紹介する。第一に、仮説検定の限界性能に基づく解析により、一般確率論から量子論を特徴づける。第二に、事前事後選択などの情報理論的コストを許容することで、量子論を用いてより広い一般確率論モデルを実現する。
これらを通じて、量子論の基礎づけにとどまらず、異なる数理モデルを結びつける新たな視点として、一般確率論の可能性を示すことを目的とする。
藤田高史 氏 (大阪大学 産業科学研究所 准教授)
タイトル:「半導体量子ドットと量子情報ネットワーク」
アブストラクト:現代の情報処理やネットワークは、微細加工技術の進展や情報形態の変換により今も進歩しています。半導体を用いたスピン量子ビットデバイスに関しても、産業レベルの装置を使ったデバイス作製や、光スピンインターフェースなどの応用研究が始まり、グローバルな量子通信やオンチップの大規模集積化に向けた研究が加速しています。本講演ではスピン量子ビットの基礎を中心に説明しながら、半導体固有の利点や難しさを紹介し、近代技術との融合に近づけるマルチスケールな量子結合について紹介します。
朝永顕成 氏 (国立研究開発法人産業技術総合研究所 量子AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター 研究員)
タイトル:「量子コンピュータをめぐるG-QuATと私の挑戦」
アブストラクト:量子コンピュータは、量子ビットを実現するハードウェア層から制御・誤り訂正、アルゴリズムに至るまで、多層的な構造を持っています。
産総研G-QuATではその各階層にブレイクスルーをもたらすために、日々研究に励んでいます。本講演では、私の研究分野である超伝導量子回路のハードウェアを中心に、基礎技術から応用までデバイス製造プロセスや、基礎量子光学実験にも触れつつ幅広く紹介します。また、産総研G‑QuATにおける量子コンピュータの産業化に向けた取り組みを紹介します。
遠藤克浩 氏 (国立研究開発法人産業技術総合研究所 マテリアルDX研究センター/量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
タイトル:「量子コンピュータを用いたCAE加速のための計算手法開発」
アブストラクト:CAE(Computer Aided Engineering)は,近年発達が著しい量子コンピューティングの恩恵を最も強く受ける分野のうちのひとつである.しかしながら,非線形系などの実用的な系を計算するための量子計算アルゴリズム・量子回路の構成方法については,現時点において十分に開拓されていない部分も多い.そこで本発表では,CAE計算を加速するために提案されている様々な先行研究を簡単に紹介しつつ,発表者の直近の研究成果である非線形時間発展シミュレーション手法および非線形静的構造計算手法について紹介する.
松浦孝弥 氏 (理化学研究所 量子コンピュータ研究センター)
タイトル:「量子誤り訂正の概観と光量子コンピュータ」
アブストラクト:量子誤り訂正は、誤り耐性量子計算の実現に不可欠であることは言うまでもなく、量子情報分野の至る所に現れる。
本講演では、量子誤り訂正の概観を説明したのち、いくつかの重要な符号の例を紹介する。
その後、私が専門とする光の系を用いた量子計算機の実現について、光量子コンピュータのスタートアップであるPsiQuantumやXanaduのアーキテクチャの青写真を例として紹介する。
中村一平 氏 (東京大学 総合文化研究科)
タイトル:「イオントラップ型量子コンピュータのスケーラビリティを問う」
アブストラクト:電気力により真空中に捕捉されたイオンを量子ビットとするイオントラップ型量子コンピュータは、商用システムの稼働にこぎつけている数少ない量子コンピュータ方式である。環境による擾乱が小さく高フィデリティの量子ゲートが行えること、特性のばらつきがないアイデンティカルな量子ビットあること、レーザーを用いたイオンの運動や内部状態の制御が行えること、と言った長所が研究の進展を支えてきた。しかし同時に、100物理量子ビットを超えるような大規模化に向けて克服すべき課題も多い。本講演では、イオントラップ型量子コンピュータの概要を述べるとともに、そのスケーリングのアイデアである量子CCD (Charge Coupled Device)について率直な検討を行う。
ポスター発表者を募集しております。レビューなどの発表も歓迎です。
発表される方は、参加登録フォームにおいてタイトルのご記入をお願いします。
お気軽にご参加ください!
(登録順・敬称略)
TBA
産総研食堂にて開催いたします
日時: 9/25 18:00から
懇親会費: 2000円(予定)
1日目 9/25(木)
12:00 受付
12:30 開始
12:35 講演1(荒井 先生)
13:35 講演2(朝永 先生)
14:35 講演3(遠藤 先生)
15:35 企業講演
終わり次第写真撮影
16:00 ポスター
17:50 ポスター撤収開始(懇親会の時間と場所依存)
18:00 懇親会
2日目 9/26(金)
10:00 講演4(中村 先生)
11:00 講演5(松浦 先生)
11:50 お昼休憩
13:40 講演6(藤田 先生)
14:45 研究室見学
研究室見学について
量子コンピュータのモックと、富士通の量子コンピュータの見学(予定)。
旅費補助について
本研究会から旅費の補助を希望する方は、参加登録フォームにてお申し出ください。
所属大学から会場までの交通費の補助を予定しています。
金額は「交通費×定率」で計算します。定率は旅費補助を必要とされる人数と財源により変動しますので、現時点で正確な旅費補助額の算定はできません。
また、予算の都合により、全員を補助できない場合があることをご了承ください。
希望者には参加登録締め切り後、別途ご連絡します。
参加費:無料
登録締め切り(旅費補助を希望する方):9月5日(金) 23:59
登録締め切り(懇親会・ポスター発表・研究室見学の内少なくとも一つを希望する方):9月11日(木) 17:00 (ただし定員に達し次第終了)
登録締め切り(その他):9月19日(金) 23:59
※応募者多数の場合は、早めに締め切ることがあるのでご了承ください。
※一部締め切り延長しました。
※旅費補助・懇親会・ポスター発表・研究室見学の内少なくとも一つを希望する方の募集は終了しました。
ご応募はこちらの応募フォームからお願いします!
アクセス
鉄道:
(JR上野東京ライン)東京駅 ー 北千住駅・(つくばエクスプレス)北千住駅 ー つくば駅
(つくばエクスプレス)守谷駅 ー つくば駅
(つくばエクスプレス)南流山駅 ー つくば駅
バス:
(関東鉄道)つくばセンター(TXつくば駅) ー 並木二丁目(荒川沖駅行 / 学園南循環(右回り))
(AIST連絡バス)つくばセンター(TXつくば駅) ー 中央事業所前
(関東鉄道)土浦駅西口 ー 竹園二丁目 (つくばセンター行)・竹園二丁目 ー 並木二丁目(荒川沖駅行)
(関東鉄道)荒川沖駅西口 ー 並木二丁目(つくばセンター行 / 筑波大学病院行 / 建築研究所行)
つくばセンター(TXつくば駅) → 並木二丁目(中央事業所前) 時刻表(産総研HPより)
荒川沖駅西口 → 並木二丁目 時刻表(産総研HPより)
宿泊施設
つくば駅付近の宿泊施設の情報です。宿泊施設の予約は、各自でお願いいたします。
ホテルルート つくば
ホテルJALシティ つくば
Tabist つくばスカイホテル
ホテルグランド東雲
ホテルつくばヒルズ 学園大通り
つくばデイリーイン
ホテルつくばヒルズ
ビジネスホテル 山久
協賛
株式会社Yaqumo
株式会社QunaSys
運営委員
坂本一樹(大阪大学),渡辺幹成(横浜国立大学),安藤元太(東京大学),伊藤大輔(横浜国立大学),伊藤優輝(大阪大学),井ノ上慎一(東京大学),上原実芳子(東京理科大学),内海武尊(東京大学),江原光紀(東京大学),白川雄貴(京都大学),末永晃理(元早稲田大学),杉山大地(東京理科大学),竹中真一(大阪大学),田耕健也(京都大学),陳遥知(東京大学),鳥井健成(名古屋大学),松山勇喜(東京大学),山田匠悟(京都大学),百合巧(大阪大学)
問い合わせ先: allquantumstudent@gmail.com