口、顎、舌、唇などに無意識に力が入るジストニアやジスキネジアなどの不随意運動によって、咬めない、口が開かない、筋肉が痛い、口が閉じられない、顎がずれる、飲み込みにくい、しゃべりにくいなどの症状が出ます。この様な症状に対して、内服治療、局所麻酔薬とアルコールによるブロック療法(MAB療法)、ボツリヌス療法(ボトックスの注射)、手術など一貫した治療を行っています。

顎口腔領域の不随意運動

吉田和也

独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター 歯科口腔外科医長、京都大学 医学博士、大阪歯科大学 歯学博士、日本口腔外科学会 専門医・指導医、日本顎関節学会 専門医・指導医、日本補綴歯科学会 専門医・指導医、日本睡眠学会 認定歯科医

〒612-8555 京都市伏見区深草向畑町1-1

独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター 歯科口腔外科

Tel: (075) 641-9161、Fax: (075) 643-4325、E-mail: yoshida.kazuya.ut@mail.hosp.go.jp


I. はじめに

1. 不随意運動の症状と他の疾患

顎と口を動かしている筋肉が何らかの原因で緊張しすぎてしまうと、様々な障害が生じてきます。ものがうまく咬めない(咀嚼障害)、口が開かない(開口障害)、顎、口、舌、唇が無意識に動く(不随意運動)、ふるえる(振戦)、筋肉が痛い、口が閉じられない(閉口障害)、顎がずれる(顎偏位)、飲み込みにくい(嚥下障害)、うまくしゃべれない(構音障害)、などの症状が出ます。このような症状を起こす病態は、顎と口のジストニア(oromandibular dystonia:顎口腔ジストニア、口顎部ジストニア、口顎ジストニア、口・下顎ジストニアなどの訳語がありますが、私は顎口腔ジストニアと訳しています)、顎関節症、ジスキネジア、ブラキシズム、繊維筋痛症、心因性不随意運動、咀嚼筋腱・腱膜過形成症などがあります。これらのうちどれか一つの場合もありますが、二つ以上が同時にみられることもあります。顎口腔領域には様々な不随意運動が生じますが、その大半が正しく診断されず、適切な治療を受けられず、悪化してしまっているのが実情です。たとえば、私が治療した顎口腔ジストニアのうち最も多い閉口ジストニアの患者さんは約80%の方が最初に歯科あるいは口腔外科を受診し、顎関節症、ブラキシズム、顎関節強直症と診断され、顎口腔ジストニアと診断された症例は1例もありませんでした。ブラキシズムやジスキネジア以外の不随意運動が歯科医学の教育で行われることはなかったので、歯科医師にジストニアという症候すら知られていないからと思われます。

2. 誘因と原因

不随意運動(involuntary movement)とは運動障害(movement disorder)の分類の中で、通常抑制することができないか、部分的にしか抑制できない運動のことを言います。不随意運動にはジスキネジア、ジストニア、チック、振戦、アテトーゼ、ミオキミア、ミオクローヌス、舞踏病など様々な種類があります。不随意運動の原因はまだはっきりしませんが、ジストニアの原因は運動や姿勢を制御している大脳基底核の機能異常と考えられています。全く原因不明のこともありますが、精神科の薬を長期内服している患者さんに生じることがあり、歯科治療(義歯作製、抜歯)あるいは外傷後に症状が現れてくることがしばしば認められます。しかし、歯科治療は誘因となっても、直接の原因ではありません。口に症状の出る方、特に話そうとすると舌や顎の筋肉に力が入ってしまう患者さんには電話交換、受付、営業、司会、アナウンス、学校や大学の教員など話すことを職業とされている方が多くおられます。長期間緊張してストレスがかかった状態で話すことがジストニアの発症要因となった可能性があり、一種の職業性ジストニアと考えられます。職業性ジストニアとは音楽家、職人など過剰に繰り返し同一の作業を行うために、筋痙攣を起こしてしまうジストニアの一種です。

3. 研究歴と臨床

私は1992年の留学時よりジストニアのボツリヌス療法を行い、これまで非常に多くの患者さんを治療してきました。日本学術振興会の特別研究員(PD)として京都大学神経内科で木村 淳先生(現京都大学名誉教授)、柴崎 浩先生(現京都大学名誉教授)にご指導いただき、京都大学神経内科の電気生理研究室では、梶 龍兒先生(現宇多野病院院長)にジストニアなどの不随意運動の臨床と研究についてご指導いただきました。同じ研究室出身の先生方には目崎高広先生(榊原白鳳病院診療顧問)、村瀬永子先生(奈良医療センター特命副院長)、鈴木俊明先生(関西医療大学教授)、坂本 崇先生(国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科医長)、松本真一先生(大阪脳神経外科病院脳神経内科部長)、阿部剛典先生(中村記念病院脳神経内科部長)などジストニアや不随意運動の権威が多数おられます。

京都医療センター歯科口腔外科では顎口腔領域の不随意運動を専門に内服治療、局所麻酔薬とアルコールによるブロック療法(MAB療法)、ボツリヌス療法(ボトックスの注射)、口腔外科的手術まで一貫した診察を行っています。このような科は全国的にも例がなく、顎口腔領域の不随意運動の症例を多くの病院より紹介していただいています。脳神経内科的、精神科的、あるいは脳神経外科的な治療が必要な場合は、当院脳神経内科、精神科、脳神経外科にて診察していただき、万全の診療体制で診察しております。日本全国、さらに世界中より問い合わせ、受診希望があり、海外からも患者さんが治療のため来日されています。

II. 顎口腔領域の不随意運動

1. ジストニア

ジストニア[英語dystonia:ジストニア、またはフランス語dystonie:ジストニーと読まれます。日本神経学会の正式用語はジストニーです。緊張(tonia)の異常(dys)を意味します。]とは、持続的な筋肉の緊張のために無意識にねじれたり、あるいは繰り返しのある運動や異常な姿勢を生じる病態であり、首、まぶた、顔面、口などにみられます。ジストニアは、パーキンソン病(大脳基底核の黒質の変性のためにドーパミンが消失することによって生じる疾患で、振戦、固縮、無動、姿勢保持障害などが特徴です)や本態性振戦(原因不明の速くて細かい震えを唯一の症状とする疾患で、ストレスなどによって増悪し、高齢者に多く認められます)に次いで、3番目に多い運動異常症で、発症年齢は幼児期から老年期までの年齢にわたり、若年で発症するほど全身化する傾向があると考えられています(参考文献 26、参考図書1)。

・顎口腔ジストニア

口と顎に症状の見られる顎口腔ジストニア(oromandibular dystonia)には無意識に口を閉じてしまう閉口ジストニア(jaw closing dystonia)(図1)、開口してしまう開口ジストニア(jaw opening dystonia)(図2)、舌が前に出てしまう舌前突ジストニア(tongue protrusion dystonia)(図3)、下顎が横へずれる顎偏位ジストニア(jaw deviation dystonia)(図4)、下顎が前へ出る顎前突ジストニア(jaw protrusion dystonia)(図5)などがあります(参考文献13,17-22,26)。顎口腔ジストニアは顎関節疾患あるいは心因性の疾患と誤診されやすく、確定診断までには長年にわたって多数の病院や診療科を受診する方も少なくありません。特に、閉口ジストニアの患者さんが歯科や口腔外科を受診されると、顎関節症や歯ぎしりと診断されてしまいます。患者さんの写真はご本人に掲載の承諾を得て掲載しております。

図1.閉口ジストニアの1例。この患者さんはしゃべろうとすると、咬むときに働く筋肉(咬筋と言い、両側の頬の部分にあります)が収縮して、口が開けられなくなります。この患者さんは目のジストニア(眼瞼痙攣)も併発しているため、この様な患者さんの場合、病名は特にメージュ (Meige)症候群と呼ばれます。

動画1.閉口ジストニア(メージュ症候群)

図2.開口ジストニアの1例。この患者さんはしゃべろうとすると無意識に口を開ける筋肉(外側翼突筋)が収縮し、しゃべることができません。食事は問題なく、安静時にはまったく症状がありません。

図3.舌前突ジストニアの1例。この患者さんは話を続けているいるうちに、舌の筋肉(オトガイ舌筋)に次第に力が入り、口の外まで出てしまいます。この方も会話以外の食事やその他の運動ではこのような症状は認められません。

動画2.舌前突ジストニア

図4.顎偏位ジストニアの1例。この患者さんは口を閉じたときに、下顎が右へ8mm程ずれています。左側の外側翼突筋が無意識に収縮しているためです。この方は経過が長く、安静時にもこのような異常収縮が認められます。顎関節症でも顎が偏位することがありますが、その場合は開口時に顎関節円板が転位している側へずれます。この患者さんは顎関節のMRIで顎関節に異常はありませんでした。

図5.顎前突ジストニアの1例。この患者さんは両側の外側翼突筋の不随意収縮により、下顎が前突しています。発症後の経過が長く、常時この状態ですが、顎関節には問題なく、力を入れれば上下の顎が咬む位置へ動かすことは可能です。

2. 顎口腔ジストニアの臨床的特徴

ジストニアの臨床的特徴には以下のようなものがあります(参考文献13,26, 参考図書1)。

・定型性

それぞれの患者さんにおいて筋収縮パターンが一定であり、顎口腔ジストニアでは閉口、開口などの運動方向は必ず同一です。

・動作特異性

特定の動作で症候が出現したり、増悪したりすることであり、顎口腔領域では、発語や咀嚼により、開口、舌前突その他の異常運動が生じ、他の顎運動や安静時には症状がみられないことが多いです。ただし、長期化、重症化すると常時症状がみられるようになります。

・感覚トリック

特定の感覚刺激で、症状が軽くなったり、重くなったりする現象です。顎口腔領域では、ガム、ハンカチ、タバコなどを口にくわえること、あるいは下顎または歯に軽く触れることによって、症候が一時的に軽快、消失することがあります。

・オーバーフロー現象

ある動作をするときに、不必要な筋が不随意に収縮してジストニアを生じる現象のことです。咀嚼筋から口輪筋、眼輪筋、頸部筋、肩部筋まで異常収縮が拡大することがあります。

・早朝効果

朝起きたときや早朝に症状が軽快することです。ジストニアは起床時に症候が最も軽減していることが大半で、ブラキシズムや咀嚼筋の過緊張が原因の顎関節症I型では起床時に筋症状を認める場合が多く、鑑別診断のための所見として重要と考えられます。

・共収縮

正常な場合、協働筋と拮抗筋が互いの運動を妨げない、たとえば、口を開けるときは口を閉じる筋肉は収縮せず、口を閉じるときは口を開ける筋肉は収縮しません。ジストニアでは、お互いが抑制しているバランスが崩れて、ある運動の際に、拮抗筋が同時に収縮して、しようとしている運動が妨げられることです。咀嚼筋では開口筋と閉口筋が同時に収縮して発語や咀嚼に支障をきたすことがしばしばあります。

・フリップフロップ現象

ジストニアの症状が何らかのきっかけで、急に症状が軽くなったり、重くなったりする現象のことです。発症後経過が長くない症例で治療途中に突然症候が完治してしまうことがあります。

・振戦

振戦は身体の一部または全身に不随意に起こる、素早く、規則的な反復運動で、安静時振戦は頭頸部では口唇、舌および下顎に認められ、家族性ジストニアの家系内では、振戦だけを示す場合もあります。

以上のジストニアの特徴がみられず、心因性としか考えられない不随意運動の患者さんもおられます。心因性(機能性)不随意運動の特徴として、一貫性のない運動(パターン、分布、速度が変化する)、自然軽快や再発を繰り返すなどの特徴があります(心因性不随意運動)(参考文献43)。


3. ジスキネジア

ジストニアが主に筋緊張の異常を示すのに対し、ジスキネジア(dyskinesia)は運動(kinesia)の異常(dys)を意味します。広義では異常運動全般を指すこともありますが、ここでは口の領域のジスキネジア(口部ジスキネジア、口舌ジスキネジア)について述べます。口部ジスキネジアあるいは口舌ジスキネジアは舌、唇、下顎などにみられるペロペロと、あるいは何かを食べているようなモグモグと繰り返す不随意運動です。ご高齢の方や精神科の薬を長期内服された方にみられます。舌や唇がジスキネジアによって繰り返し、歯にすれて、傷となることがあります(図6)。

図6.繰り返す下唇の運動で、下顎前歯によって唇に穴があいてしまった症例。

動画3.口部ジスキネジア

4. ブラキシズム

就寝時や何か精密作業に熱中しているとき、あるいは緊張しているときに、無意識に起こる歯ぎしりや強い噛みしめなどの無意識の口腔習癖を総称してブラキシズムと呼ばれます。起床時の咬筋、側頭筋部(頬からこめかみ、頭の横にかけての部分)の疼痛、歯がすり減ってしまう咬耗などを生じます。強度のブラキシズムが長期間に及ぶと、咬筋肥大症、筋突起過長症、咀嚼筋の腱が発達し、口が開けられなくなる咀嚼筋腱・腱膜過形成症となることがあります。


III. 顎口腔ジストニアの診断

十分に病歴を伺い、症状、上記ジストニアの特徴、筋肉の触診、筋電図検査、場合によってはX線(レントゲン)、CT、MRI、血液検査などの検査を行い、慎重に確定診断します。顎関節症、ブラキシズム、ジスキネジア、繊維筋痛症、心因性不随意運動、筋突起過長症、咀嚼筋腱・腱膜過形成症などとの鑑別診断が重要となります。

図7.不随意運動を起こす可能性のある筋肉。その他、表情筋、オトガイ舌筋、口蓋帆張筋にも異常収縮を生じることがあります。

1. 口と顎のジストニア セルフチェック

口や顎の筋肉に無意識に力が入ってしまったり、動いてしまうという症状がある方は原因がジストニアである可能性があります。次の質問にお答え下さい。


1.(  )口と顎の筋肉に無意識に力が入って動いてしまう。

2.(  )力が入る場所と方向(口を閉じる、開ける、舌が前に出るなど)はいつも同じ。

3.(  )一定の運動(話す、食べる、口を開けるなど)のときだけ症状が出る。

4.(  )何か(ガム、あめ、マウスピースなど)口の中に入っていると症状が楽になる。

5.(  )寝ているときには症状はまったくない。

6.(  )朝起きたときは症状がなく、あるいは軽く、その後次第に症状が出てくる。

7.(  )現在、精神科の薬を飲んでいる。あるいは以前飲んでいた。

8.(  )緊張あるいはリラックスすることによって症状の程度が変化する。

9.(  )歯や入れ歯の治療後、または歯や顎に怪我をした後に症状が出てきた。

10.(  )他のジストニア(痙性斜頸、眼瞼痙攣、書痙など)の治療を受けている。


2-3あてはまれば、口と顎のジストニアの可能性があります。

4-5あてはまれば、可能性が高いです。

6以上あてはまれば、可能性がきわめて高いです。

2. お問い合わせ

診断や治療を希望される方は、以下の問診票に詳細を記載していただき、メールに添付して吉田和也まで(yoshida.kazuya.ut@mail.hosp.go.jp)あるいはファックスで(075-643-4325)お送りください。郵送いただいても結構です(〒612-8555 京都市伏見区深草向畑町1-1京都医療センター歯科口腔外科)。患者さんからの問い合わせが集中しますと、返信までに長時間お待たせすることがありますが、あらかじめご了承下さい。個人情報の管理には細心の注意を払いますが、インターネット上での紛失その他予期せぬ個人情報の漏洩の可能性は否定できません。また、このサイトは私、吉田和也、個人のものですので、私が所属する京都医療センターの他科の医師に対する医療上の質問、相談は一切受け付けておりませんので、誤解のないようお願い致します。

3. 画像・動画の送付

確定診断のためには当科を受診していただき、診察させていただく必要がありますが、遠方の方で、受診が困難な場合、不随意運動を記録したビデオを郵送、またはHightailなどを利用してメールで送っていただくことも可能です。画像、動画などの管理には細心の注意を払いますが、インターネット上での紛失その他予期せぬ個人情報の漏洩の可能性は否定できません。受け取りました画像・動画データは責任を持ってパスワードロック機能を有効にしたコンピューターを用いて保管します。コンピューターを保管する部屋は無人の際は必ず施錠し、盗難防止に努めます。個人を識別できる動画は個人を識別できないように画像処理を行い、期限を決めて画像データを消去します。

4. 遠隔診断

画像、問診票、画像通信だけで、典型的な症状の方はジストニアである可能性が高いことは言えると思います。ただし、確定診断のためには、当科を受診していただき、筋肉の触診や筋電図検査、症状によってはX線、CT、MRIなどの検査、さらに神経内科、精神科、脳神経外科で診察していただく必要があることもあります。当科を受診されず、画像や問診票のみに基づいた所見や診断に対しては医学的な責任を持ちかねますので、ご了承ください。

5. 初診予約

当科を受診される場合、すでにどこかで治療歴のある方は、主治医の先生に紹介状を書いていただき、その先生に当院ホームページの地域医療連携室からダウンロードできる診察等依頼票に記入、ファックスしていただき、初診予約をしていただくと確実です。担当の先生に予約を取っていただくことができなければ、ご自身で初診の予約を取ることはできません。紹介状がなくても受診はできますが、選定療養費5500円をご負担いただく必要があります。当科は金曜日が手術日のため、月曜から木曜までの11:00までに初診受付をしていただくようお願いいたします。遠方から来院される場合、あらかじめ吉田和也まで(yoshida.kazuya.ut@mail.hosp.go.jp)ご連絡いただけますと、午後の初診受付や受付後の入院も可能です。ただし、入院される部屋のご希望(大部屋、個室、特別個室など)は病棟の状況でご希望に添えない場合がありますので、ご了承下さい。学会出張などで不在の場合がありますので、休診表で確認いただくか、8:30ー15:30に当科外来(病院代表075-641-9161、内線3141)までお電話いただけますと確実です。また、何らかの薬を内服中の方は「お薬手帳」あるいは処方箋を持参していただくようお願い致します。

・京都医療センターまでの交通案内

京阪電車ご利用の場合

京阪電鉄「藤森駅」下車徒歩8分

近鉄電車ご利用の場合

JR東海道新幹線または東海道本線「京都駅」下車、近鉄電車に乗り換え、「丹波橋駅」で京阪電車に乗り換え、「藤森駅」下車徒歩8分

JRご利用の場合

京都駅からJR奈良線「藤森駅」下車徒歩12分

京都駅からJR奈良線「東福寺」下車、京阪電車に乗り換え、「藤森駅」下車徒歩8分

車では、名神高速道路の京都南インターから7分(駐車場に制限がありますので、できるだけ公共交通機関や巡回バスをご利用ください。)

京都医療センターまでのアクセス

巡回バス運行時刻表

図8.京都医療センターへの地図

6. 口と顎のジストニアの問診票

以下の問診票の当てはまる箇所に○をお書き下さい。複数回答も可能です。当てはまる箇所がなければ、その他のところに具体的にお書き下さい。


氏名:      

性別:男性、女性

生年月日: 大正・昭和・平成

住所:      

電話番号:      

Fax:      

E-mail:      

1.どんな症状がありますか?

歯を食いしばってしまう(  )、口が開いてしまう(  )、口が前または横にずれる(  )、舌が前に出る(  )、口の周りに力が入る(  )、舌が動く(  )、

唇が動く(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

2.困ることは何ですか?

食べにくい(  )、しゃべりにくい(  )、口が開きにくい(  )、痛い(  )、

飲み込みにくい(  )、違和感がある(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

3.いつ頃からですか?

(  )年、(  )月、(  )日前から

4.発症したときのきっかけになったことはありますか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、歯科治療(  )、口または顎の怪我(  )、薬の内服(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

5.どの部分ですか?

口(  )、下顎(  )、上顎(  )、舌(  )、唇(  )、頬(  )、

首(  )、まぶた(  )

その他、具体的にお書きください。(          )

6.どういうときに症状がありますか?

しゃべる時(  )、食べる時(  )、口を開ける時(  )、飲み込む時(  )、常時(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

7.一時的に症状を軽くする方法はありますか?

ない(  )、ある(  )、あるときとないときがある(  )

ある場合、口に何かを入れたとき(  )、手や指で軽く触れたとき(  )、

ハンカチ、マスクなどをしたとき(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

8.寝ているときに症状はありますか?

ない(  )、ある(  )、分からない(  )

その他、具体的にお書きください。(          )

9.症状は時間的な変化がありますか?

ない(  )、ある(  )、日によって差がある(  )

ある場合、起床時は症状がない(  )、

昼、夕方になるにつれて症状がひどくなる(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

10.精神科の薬を飲んでいますか? あるいは飲んでいましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、(  )年、(  )月、(  )日前から、

どのような薬を飲んでいますか?

(          )

11.他のジストニアや筋肉の過緊張の治療を受けたことがありますか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、痙性斜頸(首のジストニア)(  )、眼瞼痙攣(目の周囲のジストニア)

(  )、書痙(手のジストニア)(  )、片側顔面痙攣(顔半分の引きつり)(  )、

その他、具体的にお書きください。 (          )

12.これまで治療のために何科を受診されましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、脳神経内科(  )、歯科(  )、口腔外科(  )、脳神経外科(  )、耳鼻咽喉科(  )、精神科(  )、鍼灸院(  )

その他(          )

13.どのような検査を受けましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、MRI(  )、CT(  )、筋電図(  )、レントゲン検査(  )、

血液検査(  )、遺伝子検査(  )

その他(          )

14.治療を受けましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、内服薬(  )、ボツリヌス療法(ボトックス注射)(  )、

針治療(  )、磁気刺激(  )、手術(  )、

その他(          )

15.他に治療を受けている病気はありますか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、脳神経内科(  )、精神科(  )、整形外科(  )、心療内科(  )、

外科(  )、内科(  )、その他(          )

16.その他、ご質問がありましたらお書きください。

(                    )

上記問診票に記載していただいたデータをメールに添付して吉田和也まで(yoshida.kazuya.ut@mail.hosp.go.jp)あるいはファックスで(075-643-4325)お送りください。印刷して郵送いただいても結構です(〒612-8555 京都市伏見区深草向畑町1-1京都医療センター歯科口腔外科 吉田和也宛)。上記データは診断のためのみに利用致します。個人情報の管理には十分に注意致します。インターネット上での紛失その他予期せぬ個人情報の漏洩の可能性は否定できません。患者さんからの問い合わせが集中しますと、返信までに長時間お待たせすることがありますが、あらかじめご了承下さい。


VI. 顎口腔ジストニアの治療

治療として、比較的軽症の方には最初は内服薬を処方し、かなりの方の症状が軽快します。ただし、ジストニアに対する特効薬はなく、2-3種類の薬を組み合わせて内服していただきます。少量より効果を確認しながら増量していきますので、数ヶ月かかります。特に、ご高齢の方は副作用が出やすいので、少しずつ内服量を増やしていきます。症状が改善しなければ、緊張した筋肉に局所麻酔薬を注射するMAB(エムエービー:muscle afferent block)療法(参考文献13,14,17,18,20-22,26)やボツリヌス毒素(ボトックス)の筋注による治療(ボツリヌス療法)を行います(参考文献22,24,26)。

当科では「口腔顎顔面領域の筋過緊張に対するmuscle afferent block(MAB)療法」および「口腔顎顔面領域の筋過緊張に対するボツリヌス療法」を厚生労働省の高度医療に申請を予定しております。申請が承認されれば、MAB療法とボツリヌス療法以外の検査、処置はすべて保険診療として診察可能です。

1. MAB(muscle afferent block)療法

MAB療法は局所麻酔薬(0.5%リドカイン:キシロカイン、アストラゼネカ社)を筋肉内に注射して、筋の緊張を調節する感覚入力を減少させて、筋の緊張緩和を図る治療法です(参考文献13,14,17,18,20-22,26)。強度の筋緊張を和らげることによって、過緊張に伴った開口障害、疼痛、構音障害、咀嚼障害を改善させることが可能です。ボツリヌス毒素注入と比較して、費用が安く、過度の筋力低下が生じないという利点があります。また、抗体産生によりボツリヌス毒素が使用できなくなった場合には唯一の治療法となります。週1-2回程度の頻度で、数回から10回程度、この治療を繰り返して、効果を観察します。治療の効果が認められる症例では、治療の直後から改善しますが、最初は持続時間が短いです。有効な例では、次第に効果の持続時間が延長します。作用機序として筋の緊張を調整している筋紡錘に分布する神経をブロックすると考えられているため、筋紡錘の多い閉口筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋)には非常に効果的ですが、筋紡錘の少ないか、ほとんどない表情筋や顎二腹筋などには効果があまりありません(参考文献17,19)。

・筋電図検査

過緊張を生じている筋を筋電図検査で診査します。筋電図検査は咬筋、側頭筋のような顔や顎の表面にある筋では、テープのような表面電極を使います。外側翼突筋、内側翼突筋、オトガイ舌筋などの内部の筋では注射針より細い針電極を用います。表面電極はまったく痛みはありませんが、針電極は少し痛みを伴います。注射する主な筋は咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋、オトガイ舌筋、胸鎖乳突筋などです(図7)。各患者さんの病状と筋電図検査の結果からどの筋肉に注射すべきか判断します。治療前に開口量、咬合力、痛みの自己評価などを記録します。

・注射

筋電計にてモニターしながら、注射針の先が過緊張を起こしている筋内にあることを確認して、局所麻酔薬を適量(2-10ml)注射します。注射の際は少し痛みが伴います。効果とその持続時間を観察し、局所麻酔薬にエタノールを少量追加します。効果は個人差が大きいため、最初の注射では打つ量をやや少なめにします。

・経過観察

効果は注射直後から現れますが、最初は効果の持続時間は短く、注射を繰り返すうちに持続的に効果が出ます。最初は週1-2回の頻度で筋肉注射し、合計10回を過ぎれば、1週間ないし1ヶ月に1度の治療とします。効果は通常最低3~4ヵ月持続し、その後消失しますが、患者さんによっては効果がずっと続くこともあります。治療後で開口量、咬合力を計測し、治療効果の客観的評価を行います。経過によって注射を繰り返す必要があります。

2. ボツリヌス療法

ボツリヌス毒素は神経が筋肉に接している箇所(神経筋接合部)に作用し、筋緊張を緩和します(参考文献22,24,26)。A型ボツリヌス毒素製剤 [ボトックス:Botox、グラクソ・スミスクライン社] の注射による治療法はまぶた、首などの局所性ジストニア(眼瞼痙攣、痙性斜頸)の標準的な治療法として世界80カ国以上で承認されています。従来の治療法では効果がなかった強度の筋緊張を和らげることによって、過緊張に伴った開口障害、疼痛、構音障害、咀嚼障害を改善させることが可能です。現在、わが国におけるボツリヌス毒素製剤の適応は眼瞼痙攣、痙性斜頸、片側顔面痙攣などです。ボツリヌス療法は注射する部位と筋肉によって保険が適応されず、自費となる場合があります。自費の場合、50単位で約5万2千円、100単位で約10万円の負担となります。注射する筋肉が少なければ、50単位で十分ですが、広範囲の筋肉に注射が必要な場合、100単位となります。

・筋電図検査

過緊張を生じている筋をMAB療法の場合と同様に筋電図検査で診査します。注射する主な筋は咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋、オトガイ舌筋、胸鎖乳突筋、顎二腹筋などです(図7)。各患者さんの病状と筋電図検査の結果からどの筋肉に注射すべきか判断します。治療前に開口量、咬合力、痛みの自己評価などを記録します。

・注射

筋電計にてモニターしながら、注射針の先が過緊張を起こしている筋内にあることを確認して、生理食塩水で希釈したボトックスを数か所に分けて適量注射します。注射の際は少し痛みが伴います。効果は個人差が大きいため、最初の注射では打つ量をやや少なめにします。

・経過観察

効果は注射して2,3日後から現れます。効果は通常最低3~4ヵ月持続し、その後消失しますが、患者さんによっては効果がずっと続くこともあります。治療後で開口量、咬合力計測し、治療効果の客観的評価を行います。経過によって投与を繰り返す必要があります。

動画4.ボツリヌス療法前後の閉口ジストニア

動画5.ボツリヌス療法前後の舌前突ジストニア

3. 口腔外科的手術

口を閉じる筋肉(咬筋、側頭筋)が極度に緊張した閉口ジストニアやブラキシズムなどで症状が長期にわたる場合には、咀嚼筋腱・腱膜過形成症、筋突起過長症(図9)、咬筋肥大症を誘発することがあり、全身麻酔下で行う筋突起切離術(図10)などの口腔外科的手術療法が必要となります(参考文献22,25,26)。切開は全て口の中から行いますので、顔に手術の痕が残ることはありません。手術は1.5-2時間で終わりますが、術後の開口訓練が重要なため、入院期間は2週間程かかります。

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図9.筋突起過長症の1例。両側筋突起の過長があり、両側下顎角の肥大も認めます(a)。口を開けるとき、筋突起が頬骨弓に当たってしまい、17mmしか口が開けられませんでした(b)。筋突起切離術後(c)、40mm以上の開口が可能となりました(d)。

a

b

図10.この患者さんは閉口ジストニアのため、開口しようとすると咬筋が収縮し、口が全く開けられませんでした(a)。筋突起切離術後に50mm以上開口できるようになりました(b)。

動画6.筋突起切離術後の閉口ジストニア

4. その他の治療法

マウスピース(スプリント)が効果的なことがあります(図11)(参考文献35)。 眼瞼痙攣、痙性斜頸、片側顔面痙攣など他のジストニアに対しては定位脳手術、脳深部刺激療法など機能的脳神経外科的手術療法、経頭蓋磁気刺激法、鍼(針)治療、心理療法などがありますが、顎口腔ジストニアに対してはまだ一定の信頼できるデータがありません。

図11.不随意運動治療のためのマウスピース

5. その他の不随意運動の治療

口や唇がペロペロと動くジスキネジアに対しては内服薬による治療が中心となります(参考文献14, 参考図書1)。少量より効果を確認しながら増量していきますので、数ヶ月かかります。ジスキネジアによって唇や舌が歯にすれて傷になってしまう場合は、歯科的対症療法として抜歯や保護床(マウスピース)を装着することもあります。心因性不随意運動に対しては精神科的内服治療あるいは心理療法が必要となります。ブラキシズムに対しては一般的にスプリント(マウスピース)や内服薬で治療しますが、当科ではこれらの従来の方法で効果のない方にボツリヌス療法も行っています

動画7.内服治療前後の口部ジスキネジア

動画8.義歯調整前後の口部ジスキネジア

6. ジストニアの治療可能な病院

神経内科でも不随意運動を専門にされている先生は限られており、ジストニアの診断や治療が可能な先生はごく少数です。眼瞼痙攣、痙性斜頸など局所性ジストニアの治療を行っている病院を以下に記載します。顎口腔領域のジストニアを専門にしている病院はありません。神経内科の先生は顎口腔ジストニアであることは診断可能ですが、口と顎のどの筋肉に異常があるかを診断したり、ボトックスを異常な収縮をしている筋肉に的確に注射することが困難なことが多いようです。軽症の方への内服治療は同じですので、当科受診が困難な方は以下の病院がお近くであれば、受診されることをおすすめします。


・リンク(病院)

北海道

中村記念病院

北海道医療センター

関東

国立精神・神経医療研究センター病院

川崎市立多摩病院

関東労災病院

順天堂大学医学部附属順天堂医院

聖マリアンナ医科大学病院

帝京大学ちば総合医療センター

東京医科大学病院

東京女子医科大学病院

東京女子医科大学附属青山病院

東京都立神経病院

東邦大学医療センター大橋病院

信越

信州大学医学部附属病院

東海

榊原白鳳病院

関西

医仁会武田総合病院

宇多野病院

大阪脳神経外科病院

奈良医療センター

神鋼病院

関西医療大学附属診療所

京都医療センター

四国

徳島大学病院

九州

貝塚病院

産業医科大学病院


6. メディカルツーリズム(医療観光)

ジストニアであると確定診断できれば、その症状と程度によって治療は異なります。比較的軽症の方は内服治療やMAB療法を行ないます。内服治療やMAB療法は1-2週間間隔で数ヶ月の通院が必要となります。ボツリヌス療法を行なう場合では、口を閉じる筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋など)であれば、通院でも可能ですが、舌筋や口蓋部の筋に注射する場合は、治療後嚥下障害が起こる可能性があり(当科では今までそのような症例はありません)、念のため短期入院していただいた方が安心です。遠方で通院が困難な方は、短期入院していただき、ボツリヌス療法や手術が可能です。ボツリヌス療法の場合は3-5日程度、筋突起切離術などの手術の場合は2週間程度の入院となります。内服治療や手術は保険適応となりますが、ボツリヌス療法は自費となる場合があります。

最近、メディカルツーリズム(medical tourism:医療観光)が注目されています。メディカルツーリズムとは住居とは異なる地域や国を訪ねて診断や治療など医療サービスを受けることです。口や顎のボツリヌス療法などの後では、入院中の一時外出や観光も可能です。京都には世界文化遺産、名所、旧跡、ミシュランの星付きの老舗料亭など多数の観光スポットがあります(図12)。春の桜、秋の紅葉、祇園祭、時代祭、大文字送り火など四季折々の古都の風情をお楽しみいただけると思います。当院にはホテル並みの豪華さの特別個室があり(入院のご案内)、京都観光を兼ねたジストニアの治療が可能です。また、お好きなホテルや旅館に宿泊され、ボツリヌス療法などの治療では外来診察として受診されることも可能です。日本全国および海外からのジストニア患者さんの受診を歓迎しております。

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図12.京都の文化財。 金閣寺(a)、清水寺(b)、伏見稲荷大社(c)

・リンク(京都観光)

京都市観光協会

京都観光オフィシャルサイト

KYOTOdesign

世界遺産 古都京都の文化

京都伏見観光連携協議会

京都伏見観光サイト

京都観光/旅行・ぶらり伏見

京都の魅力・観光

京都府観光ガイド


V. 研究

咀嚼運動に伴う咀嚼筋(咬筋、側頭筋、外側翼突筋上頭・下頭、内側翼突筋)の活動さらに咀嚼時に活動する他の筋肉(顎二腹筋、舌筋、胸鎖乳突筋他)の活動を下顎運動、切歯点運動、下顎頭運動と同時記録して、これらの筋肉の機能的役割ならびに反射的役割を研究しました(参考文献1-12)。

顎口腔領域のジストニア、ジスキネジアなどの運動異常症、その他ブラキシズム、咬筋肥大症、筋突起過長症、咀嚼筋腱・腱膜過形成症、顎関節症など咀嚼筋の緊張異常に起因する疾患の臨床的研究を行っています(参考文献13-29)。特に、脳波(運動関連脳電位、随伴陰性変動、体性感覚誘発電位)、筋電図(表面筋電図、針筋電図、誘発筋電図)、脳磁図(運動関連脳磁場、体性感覚誘発脳磁場)、近赤外線スペクトロスコピーその他の非侵襲的脳機能測定装置を用いて顎口腔領域の電気生理学的研究を行っています(参考文献15,16,19,21-27)。下顎、咀嚼、舌運動あるいは口唇、舌、歯肉、口蓋における知覚が中枢でどのように調節され、顎口腔領域の疾患においてどのような変化がみられるのかを研究しています。たとえば、運動準備のための大脳基底核、補足運動野の活動と考えられる運動関連脳電位は閉口、開口、右側方、左側方運動の順に振幅が高いこと(参考文献15,16,19)、顎口腔ジストニアでは低下することを報告しています(参考文献19,21)。また、脳磁計を用いて軟口蓋刺激による反応を体性感覚脳磁場として記録し、両側の二次感覚野に反応を認めること(参考文献23)、脳磁計を用いて舌の知覚についても報告しています(参考文献27,29)。

VI. 参考文献

    1. Yoshida K, Inoue H. EMG activity of the superior and inferior heads of the human lateral pterygoid muscles in internal deranged patients. Advanced Prosthodontics Worldwide, Proceedings of the World Congress on Prosthodontics, 258-259, 1991.

    2. 吉田和也, 福田順直, ほか. ヒト外側翼突筋上頭への筋電図電極刺入方法. 日本補綴歯科学会雑誌, 36: 88-93, 1992.

    3. 吉田和也. 顆頭運動からみた咀嚼時の外側翼突筋上頭の筋電図学的研究. 日本補綴歯科学会雑誌, 36: 110-120, 1992.

    4. 吉田和也, 井上 宏. 顎関節内障患者の咀嚼時における外側翼突筋に関する筋電図学的研究.日本補綴歯科学会雑誌, 36: 1261-1272, 1992.

    5. Yoshida K. Untersuchung zum Entlastungsreflex von Kaumuskeln während des Zerbeißens von Nahrung. Deutsche Zahnärztliche Zeitschrift, 48: 588-590, 1993.

    6. 吉田和也. 咀嚼筋の脱負荷反射に関する筋電図学的研究. 日本補綴歯科学会雑誌, 37: 227-235, 1993.

    7. Yoshida K. Elektromyographische Aktivität der Kaumuskeln während Kiefergelenkknacken.Schweizer Monatsschrift für Zahnmedizin, 105: 24-29, 1995.

    8. Yoshida K. Elektromyographische Aktivität des M. pterygoideus lateralis bei Patienten mit Kiefergelenkknacken und Diskusverlagerung. Deutsche Zahnärztliche Zeitschrift, 50: 721-724, 1995.

    9. Yoshida K. Kiefergelenkknacken und Diskusverlagerung aus der Sicht der Elektromyographie der Kaumuskeln. In: Siebert GK (ed): Atlas der Zahnärztlichen Funktionsdiagnostik, Carl Hanser, München, 44-50, 1996.

    10. Yoshida K. Masticatory muscle responses associated with unloading of biting force during food crushing. Journal of Oral Rehabilitation, 25: 830-837, 1998.

    11. Yoshida K. Koordination der Kaumuskeln während der Kaubewegung aus der Sicht der Kondylusbewegung bei Patienten mit Diskusdislokation. Deutsche Zahnärztliche Zeitschrift, 52: 816-820, 1998.

    12. Yoshida K. Eigenschaften der Kaumuskelaktivität während verschiedenen Unterkieferbewegungen bei Patienten mit Diskusverlagerung ohne Reposition. Stomatologie, 96: 107-121, 1999.

    13. Yoshida K, Kaji R, et al. Muscle afferent block for the treatment of oromandibular dystonia. Movement Disorders, 13: 699-705, 1998.

    14. Yoshida K, Kaji R, et al. Muskelafferenzblockierung mittels lokaler Injektion von Lidocain bei Kaumuskelspasmus. Deutsche Zahnärztliche Zeitschrift, 53: 197-199, 1998.

    15. Yoshida K, Kaji R, et al. Cortical distribution of Bereitschaftspotential and negative slope potential preceding mouth opening movements in human subjects. Archives Oral Biology, 44: 183-190, 1999.

    16. Yoshida K, Kaji R, et al. Cortical potentials associated with voluntary mandibular movements. Journal of Dental Research, 79: 1514-1518, 2000.

    17. 吉田和也, 梶 龍兒, ほか. 顎口腔ジストニア(oromandibular dystonia)に対するMuscle afferent block(MAB)療法. 日本口腔外科学会雑誌, 46: 563-571, 2000.

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    19. Yoshida K, Kaji R, et al. Movement-related cortical potentials prior to jaw excursions in patients with oromandibular dystonia. Movement Disorders, 18, 94-100, 2003.

    20. Yoshida K. Muskelafferentzblockierung in der Behandlung der oromandibulären Dystonie -Unterschiedliche Wirkung auf Kau- und Zungenmuskulatur-. Nervenarzt, 74: 516-522, 2003.

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    22. 吉田和也. 顎関節症と睡眠. 飯塚忠彦, 井上 宏編, 顎関節症診断・治療マニュアル. 第1版, 永末書店, 京都, 186-193, 2004.

    23. Yoshida K, Maezawa H, et al. Somatosensory evoked magnetic fields to air-puff stimulation on the soft palate. Neuroscience Research 2006 55, 116-122, 2006.

    24. Yoshida K, Iizuka T. Botulinum toxin treatment for upper airway collapse resulting from temporomandibular joint dislocation due to jaw-opening dystonia. Journal of Craniomandibular Practice, 24 217-222, 2006.

    25. Yoshida K. Coronoidotomy as treatment for trismus due to jaw-closing oromandibular dystonia. Movement Disorders, 21, 1028-1031, 2006.

    26. 宮脇正一, 吉田和也. 顎顔面領域の不随意運動. 高戸 毅, 天笠光男, ほか編, 口と歯の事典, 朝倉書店, 東京, 282-296, 2008.

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    28. 前澤仁志, 松橋眞生, 吉田和也, ほか. 脳磁図計測における歯科用金属に由来するアーチファクト. 認知神経科学, 11: 258-267, 2010.

    29. Maezawa H, Tojyo I, Yoshida K, et al. Recovery of impaired somatosensory evoked fields induced by tongue stimulation after improvement of tongue sensory deficits. Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. 74, 1473-1482, 2016.

    30. Maezawa H, Tojyo I, Yoshida K, et al. Recovery of impaired somatosensory evoked fields induced by tongue stimulation after improvement of tongue sensory deficits. Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. 74, 1473-1482, 2016. doi: 10.1016/j.joms.2016.01.011

    31. Yoshida K. Surgical intervention for oromandibular dystonia-related limited mouth opening: long-term follow-up. Journal of Craniomaxillofacial Surgery. 45, 56-62, 2017. doi: 10.1016/j.jcms.2016.10.009

    32. Yoshida K. How do I inject botulinum toxin into the lateral and medial pterygoid muscles? Movment Disorders Clinical Practice 4, 285, 2017. doi:10.1002/mdc3.12460

    33. Yoshida K. Clinical and phenomelogical characteristics of patients with task-specific lingual dystonia: possible association with occupation. Frontiers in Neurology. 8, 649, 2017. doi:10.3389/fneur.2017.00649

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    38. Yoshida K. Oromandibular dystonia screening questionnaire for differential diagnosis. Clinical Oral Investigation. 23, 405–411, 2019. doi: 10.1007/s00784-018-2449-3

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    40. Yoshida K. Development and validation of a disease-specific oromandibular dystonia rating scale (OMDRS). Frontiers in Neurology. 11, 583177, 2020. doi: 10.3389/fneur.2020.583177

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    42. Yoshida K. Clinical characteristics of functional movement disorders in the stomatognathic system. Frontiers in Neurology. 11: 23, 2020. doi: 0.3389/fneur.2020.00123

    43. Yoshida K. Mouth opening retaining appliance after coronoidotomy for the treatment of trismus: effects on pain during postoperative training and maximal extent of mouth opening. Clinics in Surgery. 5, 2737, 2020.

    44. Yoshida K. Prevalence and incidence of oromandibular dystonia: an oral and maxillofacial surgery service-based study. Clinical Oral Investigation. 25, 5755-5764, 2021. doi: 10.1007/s00784-021-03878-9

    45. Yoshida K. Effects of botulinum toxin type A on pain among trigeminal neuralgia, myofascial temporomandibular disorders, and oromandibular dystonia. Toxins. 13, 605, 2021. doi: 10.3390/toxins13090605

    46. Yoshida K. Behandlungsstrategien bei oromandibulärer Dystonie. Fortschritte der Neurologie Psychiatrie. 89, 562-572, 2021. doi: 10.1055/a-1375-0669

    47. 吉田和也. 口と顎のジストニアとその治療. DFA通信. 18, 8-29, 2013.

    48. 吉田和也. 歯ぎしりにボツリヌス治療は有効か?日本抗加齢医学会雑誌. 13: 394-398, 2017.

    49. 吉田和也. 私がボツリヌス治療を始めた頃. 日本ボツリヌス治療学会雑誌. 4: 29-30, 2018.

    50. 吉田和也.ボツリヌス毒素の口腔領域への臨床応用.日本歯科麻酔学会雑誌. 48, 33‒40, 2020.doi: https://doi.org/10.24569/jjdsa.48.2_33

    51. 吉田和也. 顎口腔ジストニア. Clinical Neuroscience. 38, 1118-1121, 2020.

不随意運動に関する私の代表的な文献を記載しました。その他の文献はResearchGateに掲載しております。睡眠時無呼吸症候群に関する研究はサイト“Treatment and research of sleep apnea syndrome from clinical and neurophysiological aspects in the stomatognathic system”にまとめております。興味のある方はご参照ください。

1.参考図書

1. 不随意運動の診断と治療. 梶 龍兒(編), 診断と治療社, 2006.

2. ジストニアとボツリヌス治療. 目崎高広(著), 梶 龍兒(著), 木村 淳(監修), 診断と治療社, 2005.

3. ボツリヌス治療Q&A集. 目崎高広(著), メディカルフロントインターナショナルリミテッド, 2004.

4. Principles and practice of movement disorders: expert consult. Fahn S (著), Jankovic J (著), Hallett M (著), Saunders, 2011.

5. Psychogenic movement disorders and other conversion disorders. Hallett M (編), Lang AE (編), Jankovic J (編), Fahn S (編), Cambridge University Press, 2011.

6. Movement disorders: 100 instructive cases. Reich SG (編), CRC Press, 2008.

7. Manual of botulinum toxin therapy. Truong D (編), Dressler D (編), Hallett M (編), Cambridge University Press, 2009.

2. リンク(ジストニア関連)

・学会・研究機関

日本神経学会

日本臨床神経生理学会

The Movement Disorder Society

American Academy of Neurology

Movement Disorder Society of Japan

National Institute of Neurological Disorders and Stroke

UCL Institute of Neurology

BCM Parkinson's Disease Center and Movement Disorders Clinic

・患者の会

ジストニア・ジスキネジア患者の環境改善を目指す会

ジストニア友の会

眼瞼・顔面けいれん友の会

ジストニア・身障者支援大樹の会

Dystonia Medical Research Foundation

WE MOVE

Bachmann-Strauss Dystonia & Parkinson Foundation

Benign Essential Blepharospasm Research Foundation (BEBRF)

National Spasmodic Torticollis Association (NSTA)

Spasmodic Torticollis/Dystonia, Inc.

The Dystonia Society

Action for Dystonia, Diagnosis, Education and Research (ADDER)

Dystonia Europa

Australian Spasmodic Torticollis Association

Blepharospasm Australia

Dystonia Ireland

Deutsche Dystonie Gesellschaft e.V.

Bundesverband Torticollis e. V.

Österreichische Dystonie Gesellschaft

Schweizerische Dystonie-Gesellschaft

Association de Malades atteints de Dystonie (AMADYS)

Asociación de Lucha contra la Distonia en España (ALDE)

Associazione Italiana per la Ricerca sulla Distonia (ARD)

Associacao Brasileira dos Portadores de Distonias

Associação Portuguesa de Distonia

Nederlandse Vereniging van Dystoniepatiënten

Belgische Zelfhulpgroep voor Dystoniepatienten v.z.w.

Svensk Dystoniförening

Dansk Dystoniforening

Norsk Dystoniforening