顎口腔ジストニアの診断

十分に病歴を伺い、症状、上記ジストニアの特徴、筋肉の触診、筋電図検査、場合によってはX線(レントゲン)、CT、MRI、血液検査などの検査を行い、慎重に確定診断します。顎関節症、ブラキシズム、ジスキネジア、繊維筋痛症、心因性不随意運動、筋突起過長症、咀嚼筋腱・腱膜過形成症などとの鑑別診断が重要となります。

図7.不随意運動を起こす可能性のある筋肉。その他、表情筋、オトガイ舌筋、口蓋帆張筋にも異常収縮を生じることがあります。

1. 口と顎のジストニア セルフチェック

口や顎の筋肉に無意識に力が入ってしまったり、動いてしまうという症状がある方は原因がジストニアである可能性があります。次の質問にお答え下さい。

1.(  )口と顎の筋肉に無意識に力が入って動いてしまう。

2.(  )力が入る場所と方向(口を閉じる、開ける、舌が前に出るなど)はいつも同じ。

3.(  )一定の運動(話す、食べる、口を開けるなど)のときだけ症状が出る。

4.(  )何か(ガム、あめ、マウスピースなど)口の中に入っていると症状が楽になる。

5.(  )寝ているときには症状はまったくない。

6.(  )朝起きたときは症状がなく、あるいは軽く、その後次第に症状が出てくる。

7.(  )現在、精神科の薬を飲んでいる。あるいは以前飲んでいた。

8.(  )緊張あるいはリラックスすることによって症状の程度が変化する。

9.(  )歯や入れ歯の治療後、または歯や顎に怪我をした後に症状が出てきた。

10.(  )他のジストニア(痙性斜頸、眼瞼痙攣、書痙など)の治療を受けている。

2-3あてはまれば、口と顎のジストニアの可能性があります。

4-5あてはまれば、可能性が高いです。

6以上あてはまれば、可能性がきわめて高いです。

2. お問い合わせ

診断や治療を希望される方は、以下の問診票に詳細を記載していただき、メールに添付して吉田和也まで(yoshida.kazuya.ut@mail.hosp.go.jp)あるいはファックスで(075-643-4325)お送りください。郵送いただいても結構です(〒612-8555 京都市伏見区深草向畑町1-1京都医療センター歯科口腔外科)。患者さんからの問い合わせが集中しますと、返信までに長時間お待たせすることがありますが、あらかじめご了承下さい。個人情報の管理には細心の注意を払いますが、インターネット上での紛失その他予期せぬ個人情報の漏洩の可能性は否定できません。また、このサイトは私、吉田和也、個人のものですので、私が所属する京都医療センターの他科の医師に対する医療上の質問、相談は一切受け付けておりませんので、誤解のないようお願い致します。

3. 画像・動画の送付

確定診断のためには当科を受診していただき、診察させていただく必要がありますが、遠方の方で、受診が困難な場合、不随意運動を記録したビデオを郵送、またはHightailなどを利用してメールで送っていただくことも可能です。画像、動画などの管理には細心の注意を払いますが、インターネット上での紛失その他予期せぬ個人情報の漏洩の可能性は否定できません。受け取りました画像・動画データは責任を持ってパスワードロック機能を有効にしたコンピューターを用いて保管します。コンピューターを保管する部屋は無人の際は必ず施錠し、盗難防止に努めます。個人を識別できる動画は個人を識別できないように画像処理を行い、期限を決めて画像データを消去します。

4. 遠隔診断

画像、問診票、画像通信だけで、典型的な症状の方はジストニアである可能性が高いことは言えると思います。ただし、確定診断のためには、当科を受診していただき、筋肉の触診や筋電図検査、症状によってはX線、CT、MRIなどの検査、さらに神経内科、精神科、脳神経外科で診察していただく必要があることもあります。当科を受診されず、画像や問診票のみに基づいた所見や診断に対しては医学的な責任を持ちかねますので、ご了承ください。

5. 初診予約

当科を受診される場合、すでにどこかで治療歴のある方は、主治医の先生に紹介状を書いていただき、その先生に当院ホームページの地域医療連携室からダウンロードできる診察等依頼票に記入、ファックスしていただき、初診予約をしていただくと確実です。担当の先生に予約を取っていただくことができなければ、ご自身で初診の予約を取ることはできません。紹介状がなくても受診はできますが、選定療養費5500円をご負担いただく必要があります。当科は金曜日が手術日のため、月曜から木曜までの11:00までに初診受付をしていただくようお願いいたします。遠方から来院される場合、あらかじめ吉田和也まで(yoshida.kazuya.ut@mail.hosp.go.jp)ご連絡いただけますと、午後の初診受付や受付後の入院も可能です。ただし、入院される部屋のご希望(大部屋、個室、特別個室など)は病棟の状況でご希望に添えない場合がありますので、ご了承下さい。学会出張などで不在の場合がありますので、休診表で確認いただくか、当科外来(病院代表075-641-9161、内線3141)までお電話いただけますと確実です。また、何らかの薬を内服中の方は「お薬手帳」あるいは処方箋を持参していただくようお願い致します。

・京都医療センターまでの交通案内

京阪電車ご利用の場合

京阪電鉄「藤森駅」下車徒歩8分

近鉄電車ご利用の場合

JR東海道新幹線または東海道本線「京都駅」下車、近鉄電車に乗り換え、「丹波橋駅」で京阪電車に乗り換え、「藤森駅」下車徒歩8分

JRご利用の場合

京都駅からJR奈良線「藤森駅」下車徒歩12分

京都駅からJR奈良線「東福寺」下車、京阪電車に乗り換え、「藤森駅」下車徒歩8分

車では、名神高速道路の京都南インターから7分(駐車場に制限がありますので、できるだけ公共交通機関や巡回バスをご利用ください。)

京都医療センターまでのアクセス

巡回バス運行時刻表

6. 口と顎のジストニアの問診票

以下の問診票の当てはまる箇所に○をお書き下さい。複数回答も可能です。当てはまる箇所がなければ、その他のところに具体的にお書き下さい。

氏名:      

性別:男性、女性

生年月日: 大正・昭和・平成      

住所:      

電話番号:      

Fax:      

E-mail:      

1.どんな症状がありますか?

歯を食いしばってしまう(  )、口が開いてしまう(  )、口が前または横にずれる(  )、舌が前に出る(  )、口の周りに力が入る(  )、舌が動く(  )、唇が動く(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

2.困ることは何ですか?

食べにくい(  )、しゃべりにくい(  )、口が開きにくい(  )、痛い(  )、

飲み込みにくい(  )、違和感がある(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

3.いつ頃からですか?

(  )年、(  )月、(  )日前から

4.発症したときのきっかけになったことはありますか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、歯科治療(  )、口または顎の怪我(  )、薬の内服(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

5.どの部分ですか?

口(  )、下顎(  )、上顎(  )、舌(  )、唇(  )、頬(  )、首(  )、

まぶた(  )

その他、具体的にお書きください。(          )

6.どういうときに症状がありますか?

しゃべる時(  )、食べる時(  )、口を開ける時(  )、飲み込む時(  )、常時(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

7.一時的に症状を軽くする方法はありますか?

ない(  )、ある(  )、あるときとないときがある(  )

ある場合、口に何かを入れたとき(  )、手や指で軽く触れたとき(  )、ハンカチ、マスクなどをしたとき(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

8.寝ているときに症状はありますか?

ない(  )、ある(  )、分からない(  )

その他、具体的にお書きください。(          )

9.症状は時間的な変化がありますか?

ない(  )、ある(  )、日によって差がある(  )

ある場合、起床時は症状がない(  )、昼、夕方になるにつれて症状がひどくなる(  )、

その他、具体的にお書きください。(          )

10.精神科の薬を飲んでいますか? あるいは飲んでいましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、(  )年、(  )月、(  )日前から、

どのような薬を飲んでいますか?

(          )

11.他のジストニアや筋肉の過緊張の治療を受けたことがありますか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、痙性斜頸(首のジストニア)(  )、眼瞼痙攣(目の周囲のジストニア)(  )、

書痙(手のジストニア)(  )、片側顔面痙攣(顔半分の引きつり)(  )、

その他、具体的にお書きください。 (          )

12.これまで治療のために何科を受診されましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、脳神経内科(  )、歯科(  )、口腔外科(  )、脳神経外科(  )、

耳鼻咽喉科(  )、精神科(  )、鍼灸院(  )

その他(          )

13.どのような検査を受けましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、MRI(  )、CT(  )、筋電図(  )、レントゲン検査(  )、

血液検査(  )、遺伝子検査(  )

その他(          )

14.治療を受けましたか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、内服薬(  )、ボツリヌス療法(ボトックス)(  )、針治療(  )、

磁気刺激(  )、手術(  )

その他(          )

15.他に治療を受けている病気はありますか?

ない(  )、ある(  )

ある場合、脳神経内科(  )、精神科(  )、整形外科(  )、心療内科(  )、

外科(  )、内科(  )、その他(          )

16.その他、ご質問がありましたらお書きください。

(                    )

上記問診票に記載していただいたデータをメールに添付して吉田和也まで(yoshida.kazuya.ut@mail.hosp.go.jp)あるいはファックスで(075-643-4325)お送りください。印刷して郵送いただいても結構です(〒612-8555 京都市伏見区深草向畑町1-1京都医療センター歯科口腔外科 吉田和也宛)。上記データは診断のためのみに利用致します。個人情報の管理には十分に注意致します。インターネット上での紛失その他予期せぬ個人情報の漏洩の可能性は否定できません。患者さんからの問い合わせが集中しますと、返信までに長時間お待たせすることがありますが、あらかじめご了承下さい。

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