著者 畑中 章宏
4.5 5つ星のうち 4 カスタマーレビュー
ダウンロード 災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異無料 ePub畑中 章宏 - 内容紹介 妖怪は私たちのうしろめたさの影なのか? 民俗学の祖である柳田国男の『遠野物語』『妖怪談義』『山の人生』を繙くと、日本列島は、大地震だけでなく、飢饉、鉄砲水、旱魃など、始終、災害に見舞われ、河童、座敷童、天狗、海坊主、大鯰、ダイダラ坊……の妖怪たちは、災害の前触れ、あるいは警告を鳴らす存在として、常に私たちの傍らにいた。 安政の大地震などは古文書も記録がなされているが、毎年、そこかしこで起こる災害の記録は、おどろおどろしい妖怪に仮託され、人々の間に受け継がれてきたのだ。 著者は、遠野、志木、生まれ故郷の辻川(兵庫)、東京の代田などをたどり直し、各地に残る祭りや風習などを取材しながら、ほそぼそと残る「災害伝承」、民俗的叡智を明らかにする。自然への畏怖、親しい人の喪失、生き残ってしまったうしろめたさ、言葉にならない悲しみと妖怪たちからのメッセージに耳を傾けてみよう。 内容(「BOOK」データベースより) 柳田国男の『遠野物語』『妖怪談義』『山の人生』を繙くと、日本列島は、大地震だけでなく、飢饉、鉄砲水、干ばつなど、繰り返し災害に見舞われている。そこかしこで起こる災害の記憶は、河童、座敷童、天狗、海坊主、大鯰、ダイダラ坊…おどろおどろしい妖怪に仮託され、人々の間に受け継がれてきたのだ。遠野、志木、柳田の生まれ故郷の辻川(兵庫)、東京の代田などをたどり直し、各地に残る妖怪の足音を取材しながら、ほそぼそと残る「災害伝承」を明らかにする。 著者について 畑中章宏(はたなか・あきひろ) 1962年大阪生まれ。著述家・編集者。多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員、日本大学芸術学部写真学科講師。著書に、『日本の神様』(イースト・プレス)、『神社に泊まる――日本全国癒しの宿坊ご案内』(亜紀書房)、『柳田国男と今和次郎――災害に向き合う民俗学』がある。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 畑中/章宏 1962年大阪生まれ。著述家・編集者。多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員、日本大学芸術学部写真学科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
以下は、災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異で最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 柳田国男の『遠野物語』、『妖怪談義』、『山の人生』などを基に、日本各地に残る妖怪の足跡と、「災害伝承」の関係を明らかにする。河童、座敷童、天狗、物言う魚、海坊主、ダイダラ坊、一つ目小僧、轆轤首、見上げ入道、鯰に狼など、畏怖の対象としての彼ら妖怪は、人々の生活と密接に関係したところから生まれてきたが、その多くは人々の生活の中でも「災害」と関係していることが多い。例えば、河童は今でこそキャラクターとして用いられたりなど友好的なイメージが強いが、元は「水の神様」であり、死と密接に関係した存在であったという。「洪水の際に、共同体の外側から流れてくる水死体にたいする、うしろめたさの感情を形にしたものであったかもしれない」と、著者は言う。水害だけではなく、飢饉の際の「子殺し」や「子棄て」とも、河童は関係があるという。日本には、昔から水害や地震などの自然災害が多い。その自然災害の教訓や対策を後世に伝えるための役割を、妖怪は担ってきたと言える。2011年3月11日の東日本大震災を契機として、人々の災害に対する意識が強くなった。しかし、自分自身を含め、それまで「安全神話」に囲まれて生きてきた人たちは、災害への対策として何をすべきか分かっていない。だが、日本人の災害の記憶は脈々と受け継がれている。その中のひとつの形が、妖怪であると思う。妖怪には、生活者の災害の記憶が込められている。今こそ妖怪を見直し、妖怪に込められた日本人の想いや知恵を読み取ることで、後世へ「災害伝承」をつないでいくべきではないかと思う。そのために、民俗学が果たすべき役割は大きい。その意味で、本書には提言的な内容をもっと盛り込んでほしかった。「妖怪に仮託され、人々の間に受け継がれてきた、自然への畏怖、大切な人を失った悲しみ、自分だけ生き残ってしまったうしろめたさ」を日本人が思い出すための契機として、今こそ読むべき一冊。 東日本大震災、津波災害の爪痕が、今も残された人たちに実体となって見えている霊、そして心の傷。津波、地震、洪水、疫病など古の人たちが伝承の中に残して行った記録を柳田国男の遠野物語を中心とし、民俗学文献をたどりながらたどっていく。氏自身の災害フォークロア。当時の人々にどうすることもできなかった自然災害、病気の流行は異様のもの、妖怪となって残されている。人は大きな苦難も小さな不思議もほかの人に伝えようとして、うまくはいかなかったかもしれない。でもそういう営みを丹念に見ていくと、なにか未来への手がかりが得られるものではないか。不思議な存在である「人」がいるかぎり、災害と妖怪は生みだされるものであり、それらとの葛藤をささやかな文化にしていくのもまた「人」なのであった。 Tags:災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異PDFダウンロード災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異PDF災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異のePub災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異ダウンロード災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異オーディオブック災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異ダウンロードブック災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異発売日災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異試し読み災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異ネタバレ災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異amazon災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異download災害と妖怪――柳田国男と歩く日本の天変地異kindle