研究室での生活
研究テーマ
小川研究室では，パターン認識システムを早期運用し，日々蓄えられるデータを用いてシステムを効率的に成長させるための基礎技術と，インフラ設備のメンテナンスや水産業や畜産業といった第一次産業のスマート化への応用に関する研究を行っています．
社会的な課題を題材にして，音声・音響情報処理や画像・映像情報処理，パターン認識・機械学習の要素技術が潜在的に抱える重要な課題を解きます．特に，以下の３つの課題に焦点を当てています．
未知環境でも頑健なシステム：人の機能や振る舞いを模倣することで，ビッグデータだけに頼らないパターン認識技術を開発します．
日々成長するシステム：日々蓄えられるデータを効果的に用いてパターン認識システムを適応的に改善するための技術，およびそのようなシステムの運用法を開発します．
説明可能なシステム：利用者にとって直感的で説明可能なパターン認識技術を開発します．
解きたい問題はその題材に閉じたものではなく，様々な場面に応用が利くような技術を開発すること（広がりのある研究），そのためにモデルやアルゴリズムに「現象を表現する思想」を込めること（直感的に説明可能な研究）を重要視しています．
研究組織
知覚情報システム研究室（小林哲則教授・林良彦教授）と共同で運営しています．小林・小川研究室としてのホームページは以下です．
連携研究者
以下の研究者と密に連携して研究活動を進めています．
小林哲則（早大・教授，専門：知覚情報システム）
林良彦（早大・教授，専門：自然言語処理）
速水悟（岐阜大／早大・教授，専門：音声情報処理）
松山洋一（早大・研究院准教授／エキュメノポリス，専門：会話AIメディア）
藤江真也（千葉工大・教授，専門：対話システム・会話ロボット・感性工学）
植木一也（明星大・准教授，専門：画像・映像情報処理）
中野鐵兵（早大・研究院准教授／ifLab，専門：ソフトウェア工学）
斎藤奨（早大・次席研究員／エキュメノポリス，専門：クラウドソーシング）
赤羽誠（早大・招聘研究員，専門：音声情報処理，環境保全）
渡部晋治（カーネギーメロン大・准教授，専門：音声・言語情報処理）
深山覚（産総研AIRC・研究チーム長，専門：メディア情報学，音楽情報処理）
日野英逸（統計数理研究所・教授，専門：数理工学）
坂口実（北里大・教授，専門：獣医臨床繁殖学）
佐藤朝美（横浜市立大学・教授，専門：小児看護学）
結果として，我々のグループでは，音響・音声処理から，画像・映像処理，自然言語処理，対話ロボット，ヒューマンコンピュータインタラクションに至る多様なプロジェクトを遂行しています．そのため，学生の皆さんは研究活動を進めるうえで多くの異なる研究トピックについて学ぶことができるという利点があります．
在籍学生（2024年度）
2024年度小川研に所属している学生と研究分野です．
西城 耕平（博士課程２年）【音響】教師なし音声強調
有賀 智輝（修士課程２年）【音楽】歌声情報処理
井上 太揮（修士課程２年）【再エネ】風車異常検知
兒新 治紀（修士課程２年）【精密水産】漁場理解基盤の構築
望田 康太（修士課程２年）【医療・看護】重症児のコミュニケーション支援
楠 奈穂美（修士課程１年）【音声】End-to-end音声認識
小林 恵輔（修士課程１年）【精密畜産】繁殖牛の映像監視
当間佐耶佳（修士課程１年）【音楽】歌声情報処理
矢部 拓真（修士課程１年）【音響】クラウドソーシングを利用した音声品質評価基盤の構築
若山 拓矢（修士課程１年）【再エネ】風車異常検知
小山三井夏（学部４年）【教育支援】英会話能力判定
阿部 雄斗（学部４年）【音声】End-to-end音声認識
小野 晶子（学部４年）【音楽】歌声情報処理
耕崎 海斗（学部４年）【医療・看護】重症児のコミュニケーション支援
杉本 真克（学部４年）【音楽】音楽情報処理
藤原 隆仁（学部４年）【音声】End-to-end音声認識
松本 和樹（学部４年）【音響】音声強調
宮内 健吾（学部４年）【音声】 End-to-end音声認識
協力学生（2024年度）
小林研に所属している以下の学生と協力して研究を進めています．
中田 道寛（修士課程１年）【精密畜産】繁殖牛の映像監視
豊田 修悟（修士課程１年）【音響】音響イベント検知
林 知弘（学部４年）【音響】教師なし音響分離
川島 由理（学部４年）【精密畜産】繁殖牛の映像監視
清水 将司（学部４年）【再エネ】風車異常検知
研究の進め方（学部4年生）
学部4年生の間は，研究の面白さを実感することが重要だと考えています．
春学期
配属後の春学期は，上記の「研究テーマ」に関連した，ある程度見通しの立っている課題を提示しますので，その中から興味のある課題を選んで取り組んでもらいます．その過程で，文献調査やツールの使い方から成果のまとめ方まで，研究の作法を学んでもらいたいと思っています．博士課程・修士課程に在籍する先輩学生とコミュニケーションを取りながら進めてください．
秋学期
秋学期は，春学期に取り組んだ課題に関連する，より高度な課題に取り組んでもらっても構いませんし，自身で見つけた価値のある課題に取り組んでもらっても構いません．
研究成果は，年度末の国内学会もしくは次年度に開催される国際会議で発表することがほとんどです．
研究の進め方（大学院生）
大学院では，音声・音響情報処理，画像・映像情報処理，自然言語処理，パターン認識・機械学習に関連する研究開発の動向を理解し，重要技術については実装・評価することで，技術の良しあしを肌感覚で理解する（深く理解するとともに直感的な説明をできるようにする）ことを目指します．特に重要で広がりのある課題を切り出す能力を高めることを重要視して，研究を進めます．
研究成果として，年1回以上の査読付き難関国際会議もしくは学術論文誌への採択を目指します．
研究室の1年
（詳細はこちら）
4月：4年生歓迎会，研究課題決定
5月：春合宿（ひたすら遊ぶ）
9月：夏合宿（研究中間報告，その後ひたすら遊ぶ）
10月：9研究室合同ワークショップ（Computer Science Student Workshop; CSSW）
12月：忘年会
1月：卒論・修論発表会
2月：卒論・修論審査会（学科公式）
3月：卒業式
ミーティング
全体ミーティング（文献調査）（月曜・午前）
大学院生向けのミーティング．博士課程・修士課程の学生が文献調査の報告や話題提供を行い，各分野のトレンドをおさえながら最新技術のキャッチアップを行います．
全体ミーティング（中間報告）（水曜・午前）
中間報告という形で日々の研究の進捗状況を共有します．小林・小川研では扱う研究分野が多岐に渡るため，分野を超えた議論や情報共有を行います．
グループミーティング
研究グループに分かれて研究の進捗状況を共有しながら専門的な議論を行います．
パターン認識基礎（音声・音響・音楽）グループ（主指導：小川哲司・小林哲則，月曜・午後）
多人数対話・ロボットグループ（主指導：小林哲則・藤江真也，水曜・午後）
パターン認識応用（IoT）グループ（主指導：小川哲司・中野鐵兵，水曜・午後）
教育工学グループ（主指導：松山洋一・小川哲司，木曜・午後）
機械学習に関する勉強会（春学期・木曜・午後）
主に学部4年生向けのミーティングです．パターン認識・機械学習の主要トピックを調査し学生間で情報共有を行います．勉強の方法やプレゼンテーションの作成については，大学院学生がメンターとして指導します．
